ダイヤモンドワイヤーの中村超硬の決算です。
Number 001 2017.05.13 決算発表 4Q
前期は大口のお客さんが離れてしまいまして大赤字に終わってしまいました。
4Q以降は売上が伸びた書いてありますが
■確かに3Qと比べて二割以上伸びている。 と考えるか
■でも4Q単体でも赤字ではないか。これが続くのであれば危ないのではないか。
というので評価が変わりそうです。
で、さらに評価をどうとっていいのかわからないのが来期予想です。
なんと売上が2.3倍という予想なのです。
このレベルは過去最高の時より1.5倍の売上です。
これを
■売上は過去最高だけど利益は過去最高になっていないのは、安売りしているのか。それとも過小評価で上方修正が期待できるのか。 か
■そもそも二倍超える受注というのは存在するのか。甘い見積もりではないのか。
と考え方で見方が全く変わってくるように思います。
現在の大口はGCLグループという中国企業なのですが
ここが前回の大口みたいに裏切らないかというのも気になるところです。
説明動画が見てみて鵜呑みしたら最強には感じますが
それだったら、なぜ前期赤字なのか。とか、効率化しているのならもっと利益が産まれるのではないか。という疑問もでてきます。
同じ事柄で見方がいろいろ変わる決算だと思うのでありました^^;
Number 002 2017.08.10 業績修正
ダイヤモンドワイヤーを展開している中村超硬が上方修正しました。
修正理由は
■多結晶シリコンウエハ市場で好調。
と書いてあります。
たしかに売上2倍以上は凄いですね。
さて、今回通期が据え置かれていますが
自信を持って言えるのが「通期はこの数字にならない。」ということです。
1Qの決算を単純に四倍すると
売上110億くらい
経常 3億くらい になります。
比べてみたら
■売上は2Q以上も同じペースになるのか?
■利益率が大幅に2Q以降改善しないと利益が達成できないのではないか?
ということになります。
この予想だと。
■売上横ばい
■利益率だけ大幅向上
ということになるのでそれはないだろうと思うのです。
会社の動画資料ですと
「多結晶シリコンウエハ」の需要はこれから
ということと
■7月は売上は伸びていて利益率も出ているのでいい結果になるかもしれません。
そんな感じで通期も楽しみだったりするのですが、あえて気になる所も書いてみますと
■他メーカーの商品にシェアを取られることはないだろうか?
■これだけ2019年に需要が一巡して二年後とかまた困らないのだろうか。
■需要があるのにも関わらず7月にダイヤモンドワイヤー装置をリースに出して要るのはなぜだろうか。(需要あるなら中村超硬がそのまま使えばより儲かるのに。。)
というのは気になるところです。
日本は技術大国で大きくなってきましたが最近はその声を聴くことも少なくなってきました。
だからこそ頑張って欲しいですね!
Number 003 2018.05.12 決算発表
前回需要が一巡したら2019年ごろどうなるのだろうか。
と書きましたが、一巡の前に中国企業の価格攻勢にあうとなんとも早すぎる展開です。
前期は4Qの利益の伸びはイマイチですが全体的には問題ないと思います。
で、問題は来期予想です。
上期は利益0予定です。
内容を見てみますと、中国企業の価格攻勢があるから単結晶に軸足をうつします。と書いてあります。
これを時系列で書きますと
単結晶が好調(70µm)
↓
中国企業の価格攻勢にあう
↓
不振
↓
多結晶が好調
↓
中国企業の価格攻勢にあう
↓
不振になりそう
↓
単結晶をメイン(60µm)にする
となります。
二年でここまで波乱万丈の製造業というのもなかなかありません。
ここでどうしても
■もし単結晶をメイン(60µm)が上手くいったとしてもすぐに中国企業が価格攻勢をかけてうまく行かなくなるのではないか?
と考えてしまいます。
あと、独立系のメリットでもありデメリットでもあるのですが
トヨタ自動車→デンソー、アイシンみたいなら長期間仕事が確約されていますが、独立系なので採用→他の企業に乗換のペースがあまりにも早すぎるのではないか。これならじっくり研究も難しくないのか?という疑問も感じてしまいます。
では、他の企業はどうなのかと思い
同じダイヤモンドワイヤーを製造している
旭ダイヤモンド工業の
ダイヤモンドワイヤをみてみましたら
4半期ごとの売上をみたら中村超硬と似たアップダウンの推移をしていました。
旭ダイヤモンド工業は色々な事業で多角化していますが、
中村超硬はほぼダイヤモンドワイヤ一本足打法です。
もしかしたらダイヤモンドワイヤをメインに構える経営というのは
ダイヤモンドワイヤの線の上を歩くようなものなのかな。とも思うのでありました。といいつつ心から頑張ってほしいですね!