「もしかして天井か?」「そろそろ利確したほうがいいのかな?」上昇相場が続くと、誰もが悩むのが利益確定のタイミングです。今回は、踏み上げ相場が終わりに近づく際によく見られるサインについて、具体例を交えながら見ていきましょう。
まず気をつけたいのが、市場参加者の過度な楽観ムードです。例えば、「この株は絶対に上がる」「今の株価はまだまだ安い」といった強気な声が目立つようになってきたら要注意。投資経験の浅い人までが「株で儲かるのは簡単」と話し始めたら、相場の過熱感を示すサインかもしれません。
次に、個別銘柄の値動きの特徴です。上昇相場の序盤や中盤では、業績の良い優良企業が順調に上昇していきます。ところが、終盤に近づくと様子が変わってきます。例えば「この会社、業績はイマイチだけど株価だけ急騰!」といった銘柄が増えてきたら、相場の転換点が近いかもしれません。
出来高の変化も見逃せないポイントです。上昇相場の健全な段階では、株価の上昇と共に出来高も増えていくものです。しかし、「株価は上がっているのに、なんだか取引が少なくなってきたな」と感じたら注意信号。特に、大きな節目の株価(例:日経平均の40,000円など)に近づくにつれて出来高が減っていく場合は、買い手が徐々に少なくなっている可能性があります。
市場のニュースへの反応も変化します。好材料が出ても株価の上昇が鈍い、あるいは上がってもすぐに元に戻ってしまう。逆に、ちょっとした悪いニュースで大きく下げる。こうした値動きの特徴は、相場の勢いが弱まっているサインかもしれません。
プロの投資家の動きにも注目です。機関投資家の買い残が過去最高水準に達している、投資信託の現金比率が過去最低になっているなど、買える資金が底をつきかけている状況は要注意です。「もう買い手がいない」状態は、相場の天井を示唆することが多いものです。
ただし、これらのサインは必ずしも即座の暴落を意味するわけではありません。相場は「みんなの思惑」で動くものですから、上昇トレンドの慣性で、しばらく高値圏でもみ合う展開もよくあります。大切なのは、複数のサインを総合的に判断しながら、徐々にリスクを減らしていく姿勢でしょう。
また、世界的な金融政策の動向や、景気サイクルの変化なども重要です。例えば、各国の中央銀行が利上げに転じ始めたり、景気指標が悪化し始めたりする局面では、より慎重な投資姿勢が求められます。
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