IRセミナーで絶対に聞くべき質問10選

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IRセミナーは経営陣に直接質問できる貴重な機会ですが、「何を聞けばいいかわからない」と悩む投資家も多いでしょう。適切な質問により、決算書だけでは読み取れない重要な情報を得ることができ、投資判断の精度を大幅に向上させることができます。今回は、投資家が必ず聞くべき10の質問を、その意図と活用方法とともにご紹介します。

目次

1. 「今期の業績予想の達成度合いはいかがですか?上方・下方修正の可能性はありますか?」

質問の意図 業績予想の実現可能性を確認し、サプライズ要因を事前に把握することで、投資タイミングの判断材料を得られます。経営陣の口調や表情からも、数字以上の情報を読み取ることができます。

活用方法 保守的な予想を立てる企業なのか、楽観的な予想を立てがちな企業なのかを判断し、今後の業績予想の信頼性を評価する材料とします。

2. 「主力事業の競合他社に対する優位性は何ですか?それは持続可能ですか?」

質問の意図 企業の競争力の源泉と持続性を確認します。明確な差別化要因がない企業は、価格競争に巻き込まれやすく、長期的な成長が期待できません。

活用方法 技術力、ブランド力、コスト競争力、販売チャネルなど、具体的な優位性を確認し、その優位性が一時的なものか構造的なものかを判断します。

3. 「新規事業の進捗状況と収益化の時期はいつ頃を想定していますか?」

質問の意図 将来の成長エンジンとなる新規事業の実現可能性とタイムラインを把握します。成長株投資では特に重要な情報となります。

活用方法 新規事業への投資額、期待される市場規模、競合状況を総合的に評価し、企業の中長期的な成長性を判断します。

4. 「フリーキャッシュフローの改善計画を教えてください」

質問の意図 企業の現金創出能力は投資価値の根幹です。利益は会計処理により調整可能ですが、キャッシュフローは実際の現金の動きを表すため、より信頼性の高い指標となります。

活用方法 運転資本の改善、設備投資の効率化、収益性向上など、具体的な改善策を確認し、企業の本質的な価値創造能力を評価します。

5. 「株主還元政策の考え方と今後の方針はいかがですか?」

質問の意図 配当政策、自社株買い、配当性向の目標など、株主還元への姿勢を確認します。株主を重視する経営かどうかの判断材料となります。

活用方法 配当利回りや総還元利回りを計算し、他社との比較や投資妙味を評価します。また、経営陣の株主重視の姿勢も投資判断の要素となります。

6. 「最大のリスク要因は何だと考えていますか?そのリスクへの対策はありますか?」

質問の意図 経営陣が認識しているリスクと対策を確認することで、企業の危機管理能力とリスク対応力を評価できます。

活用方法 想定されるリスクシナリオとその対策を投資判断に織り込み、ポートフォリオのリスク管理に活用します。

7. 「設備投資や研究開発投資の計画と期待される効果を教えてください」

質問の意図 将来の競争力維持・向上のための投資状況を確認します。特に技術系企業では、研究開発投資が将来の収益に直結します。

活用方法 投資効率(ROIC)の改善見通しや、投資による売上増加効果を評価し、企業の成長投資の妥当性を判断します。

8. 「海外展開の戦略と進捗状況はいかがですか?」

質問の意図 国内市場の成熟化により、多くの企業で海外展開が成長の鍵となります。海外戦略の具体性と実行力を確認します。

活用方法 対象市場の規模、参入方法、現地での競争優位性を評価し、海外事業による成長ポテンシャルを判断します。

9. 「ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みで特に注力している分野はありますか?」

質問の意図 持続可能な経営への取り組み姿勢を確認します。ESGは長期的な企業価値に大きく影響し、機関投資家の投資判断でも重視されています。

活用方法 ESG投資の観点から企業を評価し、長期的なリスク要因やビジネスチャンスを判断します。

10. 「中期経営計画の進捗状況と修正の必要性はありますか?」

質問の意図 中長期的な戦略の実行状況と実現可能性を確認します。計画と実績の乖離があれば、その理由と対策を把握できます。

活用方法 中期目標の達成可能性を評価し、長期投資の判断材料とします。また、経営陣の戦略実行能力も同時に評価できます。

効果的な質問のコツ

具体性を重視 抽象的な質問ではなく、数値や時期を含む具体的な質問をしましょう。「業績はどうですか?」ではなく「主力商品の売上が前年比減少していますが、回復時期の見通しは?」といった具体的な質問が効果的です。

事前準備の重要性 質問前には必ず最新の決算資料や事業報告書を確認し、基本的な情報は把握しておきましょう。準備不足の質問は時間の無駄になります。

フォローアップ質問 回答が曖昧な場合は、遠慮せずにフォローアップ質問をしましょう。「具体的にはいつ頃ですか?」「どの程度の規模を想定していますか?」など、より詳細な情報を引き出すことが重要です。

まとめ

これら10の質問を参考に、企業の本質的な価値と将来性を見極めましょう。IRセミナーは限られた時間の中で最大限の情報を得る機会です。事前準備を十分に行い、戦略的な質問により投資判断に必要な情報を効率的に収集することで、投資成功の確率を高めることができます。質問は投資家の権利であり、積極的に活用して投資スキルの向上につなげていきましょう。

 

 


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