2024.8.1に開催致しましたセルソース(4880) IRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。
登壇者名 執行役員営業本部長 細田 薫 様
IRセミナー
セルソースの細田でございます。会社の説明に入る前に、少しだけ私がどのような人間なのかをお話しさせていただきます。
私は2年半前、2022年3月にセルソースにジョインしました。それまでは住友商事という会社で、ずっと海外M&Aなどをやっていました。この2年半、HRやIRなど、様々なことを担当させていただいています。
現在の肩書きは営業本部長ですが、IRの責任者でもございます。本日は弊社についてお話しさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
セルソースのご紹介
まず弊社の沿革についてですが、2015年11月設立で、現在9年目の会社です。今日から第4四半期が始まったタイミングです。
マザーズに上場したのが2019年、2023年10月に東証プライムに移行しております。従業員数は現時点で150名から160名程度です。
先ほど代表取締役社長のところに澤田という名前がありましたが、創業者は左側の山川と右側の裙本の2人です。今年1月に創業者社長であった裙本が澤田に社長を譲り、裙本はCXOとして、より得意とする新規事業の立ち上げや、立ち上がったばかりの事業を形にしていく役割を担っています。
現在、元ファミリーマートの社長であり、ファーストリテイリングの副社長であった澤田が、新たな視点でセルソースを牽引しています。
その他、藤沢さんや村上さんといった方々が社外取締役として携わっています。
セルソースが取り組む社会課題
セルソースが取り組んでいる3つの社会課題は、高齢化問題、少子化問題、財政問題です。
2065年には日本人の平均年齢が52歳、高齢者比率が38%になると予測されており、日本の人口動態はより厳しさを増していくことが鮮明に見えています。
財政問題については、歳出と税収の差が「ワニの口」と呼ばれ、どんどん広がっています。内訳を見ると、社会保障関係費が過去20年、30年で大きく増加しています。
国民医療費は右肩上がりに増加しており、社会保障関係費の内訳は年金と医療で全体の4分の3を占めています。
我々が取り組んでいる高齢化問題とは、年を取ることそのものを問題視しているのではなく、健康寿命と平均寿命の差が大きくなっていることに対して取り組んでおります。
また、少子化問題については、我々のサービスが不妊治療にも使用されており、卵子凍結バンクといった事業を通じて、その分野にも貢献していきます。
さらに、財政問題に関しては、我々は自費診療のサービスを提供しております。我々のようなサービスをより適切な形で世の中の皆様に使っていただくことで、保険診療によって増大している国民医療費を少しでも抑制し、社会に貢献できればと考えております。
こういった高齢化問題、少子化問題、財政問題に取り組んでいる我々ですが、なぜ9年前に誕生したのかというと、再生医療等安全確保法という、世界でも最も整備された再生医療に関する規制やルールが制定されたタイミングを捉えて、先ほどご紹介した創業者2名がこのセルソースを設立しました。いわば、新しくできた市場に誰よりも早く飛び込んでいった「ファーストペンギン」というのが、この会社の由来になります。
説明が前後してしまい申し訳ありませんが、こういった社会課題に対する我々の解決策としては、再生医療を普及させることで健康寿命と平均寿命のギャップをできる限り減らしていくこと、不妊治療分野で出生率の向上に寄与すること、そして自費診療の理解促進や産業化促進を通じて、ハイブリッドな医療制度の確立に貢献したいと考えています。
では、我々のビジネスモデルについてご説明します。この表が、ほぼ全てを表しています。
まず、我々の特徴として、街中を歩いていて弊社のロゴを見ることはほぼありません。医療機関に行ってもほとんど見かけない存在、つまり非常に黒子的な存在です。
例えば、我々が対象疾患としている変形性膝関節症で膝が痛いという患者様が整形外科に行かれたとします。その医療機関で血液や脂肪を採取し、我々に送っていただきます。我々はそれらを用いて細胞を培養したり、血液から成長因子を取り出したりして、それを医療機関にお戻しします。医療機関様の方で患者様に投与していただくという流れになります。
つまり、患者様から見ると医療機関の医療行為によって状態が改善していくわけですが、そのうちの一部、細胞培養や血液加工という部分を我々が裏側で担っているという存在になります。
ここで、変形性膝関節症について簡単にご説明させていただきます。2009年の論文によると、有病者数が2530万人と推定されており、おそらく現在ではさらに多くなっていると思われます。
平たく言いますと、膝のクッションの役割を果たす軟骨が、人間の寿命の方が長くなってしまったことですり減ってしまい、骨と骨が直接当たることで痛みが発生します。ひどい場合は歩けなくなってしまうこともあります。
これはホルモンバランスの影響によるもので、女性の方が早く発症し、発症率も高くなります。60歳以上の有病率を見ると、男性では50%弱に対して女性では70%となっています。さらに年齢が上がると、80歳以上の女性では80%以上が発症しているという状況です。
国民病と呼ばれる糖尿病と比べても、非常に多くの方が罹患しているこの課題に対して、私どもが取り組んでいるとご理解いただければと思います。
この2500万人以上が悩んでいると言われているにもかかわらず、ソリューションはそれほど多くありません。基本的にはまずヒアルロン酸を膝に直接投与して痛みを軽減し、その間に運動をして状態を改善していきます。しかし、症状が重度になると、突然人工関節という選択肢が出てきて、全置換術で膝の部分を入れ替えたり、その他の手術で膝にメスを入れるというアプローチになります。
そこで、私ども以外の再生医療も含めて、ヒアルロン酸と人工関節の間を埋めるような存在として、現在選択していただいています。我々のサービスは保険適用ではなく自費診療ですが、それでも使用していただくことで症状が改善する部分が出てきています。
我々が提供しているものについて、血液、脂肪、滑膜といったものを取り扱っていますが、最もメインのサービスである血液について説明させていただきます。血液中に含まれる血小板から成長因子を抽出し、抗炎症作用をもって損傷部位の自己修復を促進するものです。bFGF、EGFなどの成長因子が膝の炎症部位に作用して、状態を改善していきます。
PFC-FDは、いわゆるPRP(多血小板血漿)と呼ばれる血液加工製品の一種で、大谷選手や千賀選手など、特に野球の分野でよく使用されています。我々の製品の特徴は、凍結乾燥による加工を行っている点です。血液を受け取り、加工して凍結乾燥し、お返しすることで、半年から1年の保管が可能になります。
こちらはエビデンスの一つで、KLスケール(変形性膝関節症の重症度を表す指標)で示されています。治療前のスコアから1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と経過していく中で改善が見られます。一般的に、症状が軽い段階で治療を始めると改善幅も大きくなりますが、軟骨が大きくすり減った状態では効果が出にくくなります。
我々は自費診療のため、エビデンスや信頼性に不安を持たれる方もいらっしゃると思いますが、論文を積み重ねることでそれらを獲得してきました。昨年は海外の査読付き論文にも掲載され、効果や安全性には自信を持っています。
現在、全国1300の整形外科でご利用いただいており、また15のスポーツチーム(ガンバ大阪、鹿島アントラーズ、セレッソ大阪など)のメディカルパートナーとして、プロスポーツチームへの支援も行っています。
我々のこれまでの実績について、2016年からこのサービスを提供し始め、当初は年間180件や500件程度だった利用数が、昨年は血液由来加工受託で24,000件、脂肪由来加工受託で2,000件となりました。昨年末の第2四半期時点で累計92,000件を超え、再生医療提供数が10万件に近づいています。
提携医療機関数は、公表している最新値で1,865施設です。そのうち整形外科が約1,300から1,400施設、その他に婦人科や美容分野での提携もあり、1,800以上の医療機関とご一緒させていただいています。
売上高と営業利益の推移については、昨年時点で売上高45億円、営業利益12億円という数字になっています。
我々のサービスを採用するメリットについて、医療機関の視点から説明します。院内でのPRP(多血小板血漿)処理には、許認可の取得、専用の場所と人材が必要で、当日中に血液を採取して処理し返還する必要があります。一方、我々のサービスを利用すれば、採取した血液を我々のキットに封入して送付し、返却されたものを開封して生理食塩水で溶解して投与するだけです。非常に簡便な院内フローとなり、医療機関のリソースが大幅に削減されるため、多くの医療機関に採用いただいています。
今後の説明で重要となるキーワードをご紹介します。「自費診療特化型」と「ハイブリッド型」です。整形外科分野では、ほとんどのクリニックが保険診療を行っており、そこに我々のサービスを導入いただいているのが「ハイブリッド型」医療機関です。一方、「自費診療特化型」医療機関は自費診療のみを取り扱っています。
自費診療特化型は数が少ないですが、我々のサービスを週を通じて提供しているため、売上は非常に大きくなります。ただし、保険診療と違ってルーティーンで来院する患者さんが少ないため、マーケティングによる集客が必要となり、コストやリスクが高くなります。そのため、売上が大きく上下する傾向があり、経営のボラティリティが高くなります。
我々は医療機関の裏側にいる存在のため、医療機関側の状況に大きく影響を受けます。足元では自費診療特化型の売上が大きく下がっており、それが我々の業績にも影響しています。
この「自費診療特化型」と「ハイブリッド型」という2つの単語は、これから第2四半期までの業績説明や我々の戦略説明でよく出てきますので、ぜひ覚えておいていただければと思います。
また、我々の製造拠点の移転も非常に重要なポイントです。9月に製造拠点を現在の渋谷から羽田空港近く、川崎市の殿町に移転します。これは今後5年後、10年後を見据えて大きく成長するために、現在の渋谷のビル内での製造ではキャパシティの限界が来てしまったためです。前所有者から譲り受ける形で、殿町の非常に整った設備と大きなフロアで、9月より製造を開始します。
この移転に関連して、後ほど出てくるコストの部分についても触れておきます。現在2拠点で稼働しているため、固定費が最大の状態になっています。これは製造拠点の移転によるものです。この点については後ほど詳しくお話しします。
2024年10月期 第2四半期業績
では、ここから少し数字の部分に触れていきたいと思います。
数字が多岐にわたりますので、要点を絞ってご説明します。第2四半期の合計売上は22億円、営業利益は2億8000万円、純利益は2億9900万円となっています。昨年同期と比較すると、売上高は若干増加していますが、収益性が低下し、営業利益が減少しています。一部特別利益があるため、四半期純利益の差は大きくありませんが、営業利益の落ち込みが顕著です。
売上の内訳としては、加工受託サービスが全体の約7割を占めています。その他、医療機器販売、化粧品販売、コンサルティングサービスなどのサブビジネスがあります。今期は化粧品と医療機器販売のサブビジネスは売上を伸ばしていますが、メインの加工受託サービスは伸び悩んでいます。
コストの推移を見ると、約1年半前は4億円強だったものが、足元では5億円後半まで増加しています。売上があまり伸びていない一方でコストが増えているため、営業利益が圧迫されている状況です。
増加しているコストの主な要因は人件費と地代家賃です。再生医療分野では加工担当者の教育に6~9ヶ月かかり、新拠点の立ち上げには1年半から2年程度必要です。そのため、キャパシティ拡大に向けて事前に人材と設備への投資が必要となり、現在は固定費が最大になっています。
今後の見通しとしては、地代家賃を含む固定費が一旦横ばいになり、来年の第2四半期からは渋谷拠点の撤退に伴い減少していく予定です。
バランスシートを見ると、総資産約68億円のうち46億円が現金・預金となっており、無借金経営です。これは健全なバランスシートと見ることもできますが、一方で資産の有効活用ができていないという見方もあるかもしれません。
先ほど説明したゼロラボという新しい設備の購入も、5000万円という非常に破格の価格で移転することができるようになっています。現金をあまり使わずに来られたという面もありますが、今後、12月12日に予定している中期経営計画の発表では、このアセットをどのように活用して非連続的な成長につなげていくかについて、弊社社長の澤田から説明する予定です。
2024年1月に新経営体制となり、セルソース第2創業期を迎えます。東証プライム市場への上場が10月、そして1月に社長交代があり、社内は良い意味で大きな変化を遂げている状況です。
創業者の裙本は0から1の部分、新社長の澤田は1から100万へのスケールアップを得意としています。私も半年間一緒に仕事をしていますが、100を100万にするという点で、澤田社長は非常に経験も能力もある素晴らしい人材だと感じています。我々は全く違うステージに入ってきたと実感しています。
現在、我々は全ての事業とコストを見直し、継続すべき事業かどうか、さらに伸ばせる可能性があるかを精査しています。その中で、ボラティリティの高い自費診療特化型医療機関への売上が約半分を占める現状は、経営として不安定かつ不健全だと認識しています。
今後は、ハイブリッド型と呼ばれる、保険診療と自費診療を組み合わせた医療機関との連携を強化し、日本に再生医療をより広めつつ、安定した事業基盤を構築していく方針です。現在1300から1800の医療機関と提携していますが、これをさらに拡大することで、経営の安定化を図ります。この分野の営業責任者は現在、私が務めています。
整形領域の加工受託サービス事業戦略
我々のメイン事業である整形分野の戦略について説明します。変形性膝関節症の推定有病者数は2500万人です。ヒアルロン酸注射の正確な市場データはありませんが、おそらく何千万本という規模で使用されていると推測されます。それに対し、我々の加工受託サービスは2.4万件、人工関節置換術は8.7万件程度です。
つまり、手術や再生医療までは至っていないものの、変形性膝関節症によって何らかの悩みを抱えている方が非常に多くいると理解しています。
我々の使命は、必要としている方々に確実にサービスをお届けすることですが、現状ではそれが十分にできていないと認識しています。この反省を踏まえ、いかに悩んでいる方々にサービスを届けられるかを真剣に考えているところです。
現在、3つの主要な施策を展開しています。まず、PFC-FD2.0という新製品を導入し、これまでのサービスの価格を下げることで、再生医療のハードルを下げ、より多くの方々にお届けする取り組みを始めています。これが足元の業績に貢献し始めています。
次に、ASC(脂肪幹細胞)サービスがあります。これは細胞を加工し、お客様に戻すサービスで、新技術を用いています。このサービスは第4四半期あたりから貢献し始める見込みです。
さらに、事業戦略の大きな転換を図っており、これが第4四半期から次の第1四半期にかけて貢献してくると予想しています。
昨年5月から今年4月までのオーダー数を見ると、血液由来の加工受託件数で20,659件となっています。その内訳は、自費診療特化型が約6割、ハイブリッド型が約4割です。
提携医療機関のアクティブ率とオーダー数の内訳を示すマトリックスを初めて開示しました。これによると、ハイブリッド型医療機関の約6割が年に1回以上オーダーをしており、オーダーいただいている医療機関の平均オーダー数は年間11件(月1件程度)となっています。
しかし、契約はしているもののオーダーをいただけていない医療機関が4割あり、オーダーいただいている医療機関でも月平均1本という状況で、まだまだ改善の余地があると考えています。
これまでは、再生医療と自費診療という新しい分野であったため、まずは提携医療機関数を増やすことに注力してきました。提携医療機関数を増やすことは、我々のサービスの信頼性を示す上でも重要でした。そのため、営業リソースの多くを新規提携先の開拓に割いてきました。
その結果、現在1,320の医療機関と提携しています。これは整形外科全体の8から9%程度とご理解ください。
一方で、1院あたりの状況を見てみると、あるサンプル医療機関では月間でヒアルロン酸を約800件投与しています。これは患者数に換算すると200~400人程度と推測されます。しかし、そのうち我々のサービスの投与件数は月3件程度で、コンバージョン率は約0.4%に留まっています。言い換えると、99.6%の患者さんは従来のヒアルロン酸治療を受け続けているということになります。
この状況を改善するため、澤田社長の指示のもと、私が中心となって1院あたりのオーダー数を増やすことに注力しています。
オーダー数を増やすための課題を分析すると、医師の知識不足だけでなく、マーケティング的な要素も多くあります。例えば、患者さんが診察室に入るまで我々のサービスを知らない、診察時間が短く十分な説明ができないなどの問題があります。
そこで、単なる商品販売ではなく、医療機関の課題解決をサポートする形でアプローチしています。
現在の医療機関の分布を見ると、典型的なパレートの法則に従っており、年間オーダー数60件以上のハイブリッド型医療機関が15、8件以上が280、8件未満が450となっています。
この状況を踏まえ、セルソースのサービスを信頼しているものの、実際の施術につながっていない医療機関に対して、重点的にサポートを行う「選択と集中」戦略を実施しています。具体的には、上位約80の医療機関に営業リソースの半分を割り当て、残りの半分を中位の医療機関に向けています。
この戦略は澤田社長の指揮によるもので、彼の過去の経験から、チャンピオン顧客をしっかり作ることで社会実装が進むという考えに基づいています。
したがって、我々は既にサービスを活用いただいている医療機関のオーダー数を確実に増やすことに注力しています。
9月に第3四半期の決算発表を行いますが、これらの指標の推移を投資家の皆様に継続的に開示し、成長の進捗や課題について透明性を保っていきたいと考えています。
最後に、新技術であるPFC-FD2.0について説明します。このスライドでは分かりにくいかもしれませんが、含有する成長因子が従来品と比べて大幅に増加しており、一部の成長因子では10倍から20倍に増えています。この新サービスを4月1日にローンチしました。
PFC-FD2.0は価格を据え置き、従来品と同じ価格で医療機関に提供しています。一方、従来品は価格を下げて提供しています。これにより、価格を懸念されていた方々にも従来品を手頃な価格で提供しつつ、成長因子が多く含まれる新製品をハイエンド品として位置づけ、2つの商品ラインナップを展開しています。
その結果、リリース前後の平均値を比較すると、全体のオーダー数が、特に注力しているハイブリッド型医療機関で23%増加しました。また、PFC-FD2.0のハイエンド品の比率も、最初の2ヶ月で38%を占めており、新商品の効果が着実に表れています。第3四半期の数字でも、この傾向を確認できる見込みです。
長くなりましたが、我々の主力事業である加工受託事業、特にハイブリッド型医療機関向けの事業をどのように成長させていくかという戦略と戦術についてお話しさせていただきました。
各種KPI
残りは開示関係のKPIになりますので、簡単に触れた後、ご質問があればお答えしたいと思います。
まず、提携医療機関数については右肩上がりで増加していますが、現在、新規提携医療機関獲得のための営業リソースは全く割いていません。それにもかかわらず、この四半期で63の新規提携を達成しました。これは完全にインバウンドやご紹介によるものです。我々のサービスの認知度や信頼性が一定レベルに達したことを示していると考えられます。そのため、現在は既存顧客へのサポートに全営業リソースを集中させています。
血液由来加工受託や脂肪由来幹細胞加工受託件数の売上は、自費診療特化型医療機関のマーケティング変動の影響を受けて苦戦しています。
しかし、先ほど紹介したPFC-FD2.0の導入効果もあり、1日あたりの加工受託件数という最重要KPIは、3月・4月の60-61件から、足元では68-70件程度まで回復してきています。
特にハイブリッド型医療機関からの受注が伸びており、6月・7月もこの傾向が続いています。このことから、PFC-FD2.0導入という「1本目の矢」は一定の成果を上げていると考えています。
その他事業紹介
時間の都合上、今日は加工受託事業に焦点を当てましたが、残りの時間で他の事業についても簡単に触れたいと思います。
まず卵子凍結について、こちらはいくつかリリースを出しておりますので、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。今年4月から卵子凍結バンク事業をスタートしております。先日、東京都の説明会受託も我々が全100回の説明会を受託しており、初期的認知が一気に盛り上がってきているこの卵子凍結分野に我々が参入しています。
この4ヶ月間で、ご一緒している提携医療機関がすでに36まで来ており、先日IRを出したファミリーマートさんを中心に、非常に大きな企業様が我々のサービスを福利厚生として導入していただいております。
また、化粧品原料の分野では、我々が製造するエクソソームを中心に提供し、最終的には各社様の方で製造そしてブランディングされてお届けいただいています。まつげ美容液やコスメ、スキンケアなどでお使いいただいております。
OEMも手掛けており、ヒカルさんのReZARD beautyや、先日アットコスメのアイテム賞を受賞したユンスというaiロボティクスさんの製品も我々がOEMとして手掛けております。
動物領域にも進出しており、現在動物の膝や目などに再生医療のサービスを提供しています。難治性角膜炎など、このサービスでしか治せないような症例もあり、社会的に非常に意義があると考えております。
第3のサービスとして、滑膜由来幹細胞加工受託があります。これは非常に難易度が高いため総合病院での取り扱いになりますが、より膝に近い部分である滑膜から採取した幹細胞を用いて、新たな形でのサービスをお届けしています。
海外展開については、インドがスタート間近ですが、我々としては日本がメインです。課題先進国であり、再生医療の規制もしっかりしている日本が一番のプライオリティですが、インドやマレーシアへの進出も進めております。
創薬分野では、我々のエクソソーム技術と科研製薬様との協力で、日本初のエクソソーム医薬品の創出に向けて各フェーズを一つずつ進めている状況です。
再生医療や細胞加工など、我々特有の用語もあり、分かりにくい点もあるかと思いますが、会社設立から9年間、再生医療分野でファーストペンギンそしてトップランナーとしてここまで来ました。様々な壁にぶつかり、社長も変わり新しい戦略も立てながら、未来に向けて頑張っておりますので、皆様のご支援をいただければ大変ありがたく思います。
質疑応答
Q. 再生医療の事業はどうですか?早々実を結びそうですか?
A. ありがとうございます。この「実を結ぶ」という定義にもよりますが、2000万人から3000万人の方がお悩みの問題に対して、年間2万件しか届けていないという現状は、正直まだ実を結んでいないと考えています。
振り返れば、8年間で4年前にはなかったものが2万人の方にお使いいただいているという点では、大きな進歩があったと言えます。しかし、全体の潜在市場から見ると、まだ1歩目2歩目といったところです。
新しい社長のもと、新たな戦略を立て、様々な取り組みを進めています。表に出ている事業以外にも、様々な取り組みを仕込んでおり、新しいチャレンジも行っていきます。セルソースの再生医療事業が「実を結んだ」と皆様に思っていただけるよう、本当に歯を食いしばって頑張っていきたいと思います。
Q. 他社のエクソソームと比較して、御社の商品優位性について教えてください。
A. エクソソームには様々な使い方があるため、一概に商品間で比較するのは難しい部分がありますが、我々が最も重視しているのはトレーサビリティです。
まず、我々はエクソソームを輸入したり購入したりするのではなく、細胞から直接抽出しています。この細胞の由来や使用しているものについて、しっかりと説明できることが非常に重要だと考えています。
市場には、由来不明の幹細胞を使用したり、人間の細胞ではないものからエクソソームを抽出したりしているケースもあります。最近では、エクソソームと称して実際には中身が入っていないという注意喚起も出されました。
そのような状況の中で、我々は適切な由来の細胞から、正しい方法で、規則に基づいてエクソソームを抽出し提供しています。これだけでも非常に稀有な存在だと自負しています。
さらに、技術面では詳細をお話しできませんが、エクソソームの抽出方法などで日々技術改良を重ねています。この点でも他社に対して優位性があると考えています。
Q. 御社の事業分野の中で、様々なサービスがございますが、特に力を入れている、今後成長が見込めるのはどの分野とお考えでしょうか。
A. ありがとうございます。まず、我々の成り立ちは細胞加工サービスです。この部分はまだまだ伸びしろがあると考えており、初期的段階だと思っています。ここを連続的、非連続的に伸ばしていくことが重要です。
これまでは、新規事業を一から立ち上げ、ほぼワーキングキャピタルやバランスシートを使わずにここまで来ました。これは非常に素晴らしい成果だと思います。しかし、このままでは成長が線形になってしまうため、今後は一定の資金を使い、戦略も変えていきます。必要な時にマーケティングコストにも投資していく予定です。
医療機器とコンサルティングサービスについては、リソースをかけておらず、基本現状維持となります。
化粧品分野については、「再生医療の化粧品原料といえばセルソース」という認知を徐々にいただいており、営業活動をかけなくてもお引き合いをいただいています。この分野は、我々がしっかりハンドルを握って伸ばせる可能性があり、細胞加工サービスよりも最終消費者に近いビジネスです。そのため、この部分をしっかり伸ばしていきたいと考えています。
これらの具体的な戦略については、12月の中期経営計画発表時にはより詳細なお話ができるのではないかと思っています。
Q. 海外事業の展開について、今後どれだけ利益に貢献する見込みなのでしょうか?
A. 正直なところ、現在我々のリソース(160名の人員や資金)のほとんどは日本市場に費やしています。日本は課題先進国であり、ルール先進国です。まだ日本の全体市場の0.1%しか取れていない状況で、他の国にリソースを多く割くことは考えていません。
そのため、3年以内に海外事業がセルソースの大きな柱になることは全く考えていません。利益への貢献という観点では、3年以内にセルソースの税引後利益にインパクトのある形で貢献することはないと思っていただいて構いません。
ただし、取引先様からのお話や、特定の市場にフィットしそうな機会を選別して進めています。投資家の皆様の期待を裏切るような不必要な投資は行わないので、その点はご安心ください。
Q. PFC-FD™個別診療はセルソース様の強みだと思いますが、こういった診療は他社もされているのでしょうか?
A. フリーズドライ細胞加工をして戻すというビジネスモデル、PFC-FDという名前自体は我々が商標登録をしており、製造方法も特許を取得しています。そのため、全く同じものを他社が行うことは不可能です。
ただし、血液を送ってもらい、それを加工して戻すというサービスを行っている会社は、数は少ないですが存在します。よく比較対象として挙げられるのは、waqooさんという湘南美容外科グループの会社です。
Q. 澤田社長が就任されてからの営業のスタイル変更について、営業現場の数値的な変化と社内の雰囲気はどのように変わっているのでしょうか?
A. 社内の雰囲気の変化が最も顕著です。考え方やアプローチには大きな変化がありました。スケールアップや、不必要なものを削っていくといった視点が強くなりました。
社内としては、これまでずっと黒字で来て、プライム市場に上場したことで「いい会社」という雰囲気がありましたが、それを一旦リセットし、「まだまだこんなものじゃない」「ゼロからやり直す」というメッセージを強く出しています。特に執行役員や経営会議に参加するメンバーにとっては、非常に緊張感のある半年間でした。
営業現場の数値的な変化については、戦術が大きく変わったため単純な比較は難しいですが、攻めるべきお客様を絞り、優先順位をつけて集中的に取り組むという方針が浸透しました。具体的な数字は申し上げられませんが、非常に大きな変化があったとお伝えできます。
Q. 決算での季節性の要因がありますか?そういったものはビジネスモデルにどのような影響を与えていますか?
A. はい、季節性は確かにあります。我々は医療機関の裏側にいる存在なので、医療機関がお休みだと我々の売り上げはゼロになります。そのため、お盆、年末年始、ゴールデンウィークといった時期に季節性の影響を受けます。カレンダーの影響を直接受ける形になり、5月、8月、12月、1月の加工受託件数が減少する傾向があります。
また、足元の状況として、猛暑の影響も受けています。38度を超えるような暑さだと、患者様が外出を控える傾向があります。クリニックからの情報では、現在は9月以降の予約が増えているようです。この歴史的な猛暑は、患者様の行動範囲を狭めており、一部影響を受けています。
Q. 卵子凍結事業の収益への影響について教えてください。
A. 卵子凍結事業は、ストック型のビジネスモデルになります。保管費用が月間5,000円で、SaaSモデルと同様のLTV(顧客生涯価値)で事業価値に貢献します。
短期的なPL(損益計算書)への影響は限定的ですが、アメリカのデータを参考にすると、平均保管期間は7年間です。7年間のLTVで計算すると、かなりのインパクトがあります。
ファミリーマートさんをはじめ、多くの企業様とご一緒させていただいていますが、初期費用38,000円、月間保管費5,000円、7年間のLTVという数字から、弊社への業績インパクトが見えてくると思います。
ただし、卵子凍結に対する初期的な関心は非常に高いものの、実際に卵子凍結を行うまでのハードルは大きいです。現在の初期的な盛り上がりが、最終的に卵子凍結する数に比例しているわけではありません。このコンバージョン率を上げていくことが課題です。
4月に事業を始めたばかりなので、忍耐強く取り組んでいく必要があります。センシティブな事業なので、短期的な数字だけを追うのではなく、LTVを意識しながら慎重に進めていく方針です。
Q. 今までこの1人当たりのオーダー数が少ないのは、とても魅力的なサービスだったらもっと利用する人がいてもおかしくないのではないかと思うのですが、どのようなことが原因なのでしょうか?
A. 非常に本質的なご質問だと思います。セルソースの大口顧客であるクリニックでも、ヒアルロン酸の投与件数に比べるとPRC-FDの提供数は2-3%程度と非常に低いです。主な理由としては以下が挙げられます:
価格の問題:通常の治療(ヒアルロン酸注射やリハビリ)と比べ、我々のサービスは末端価格で12万円から15万円程度と高額です。患者さんにとっても医師にとっても、この価格差は大きなハードルとなっています。
マーケティングの必要性:自費診療はマーケティングが必要です。院内でのポスター配置や告知方法など、医療機関側で新たなマーケティングリソースを割く必要があります。
時間と労力の問題:多忙な医療現場で、新しいサービスの導入や説明に時間を割くことが難しい状況があります。
これらの課題に対して、我々はサービスの提案だけでなく、一緒に課題解決をしていく アプローチを取っています。サービス以外の部分での課題解決を行わないと、利用率向上には限界があると認識しています。
Q. 研究開発費が今減っていますが、研究開発費ってあまり必要ないのでしょうか?今後の研究開発費について教えてください。
A. この質問に関して、いくつか重要なポイントがあります:
既存サービスの改良コストは「研究開発費」に含まれていません。これらは生産技術改良として、売上原価や人件費などに含まれています。
勘定科目上の「研究開発費」は主にエクソソーム創薬分野のコストを指します。
創薬分野のコストは常時発生するわけではなく、特定のマイルストーンを超える際にまとまった金額が発生する傾向があります。
現在、科研製薬様とPMDA相談などを進めていますが、これらの重要なマイルストーンを超える際に大きな出費が予想されます。
平時の研究開発費の数字はあまり大きく変動しないため、単純な比較はあまり意味がありません。
つまり、研究開発費の減少は必ずしも研究開発活動の縮小を意味するわけではなく、プロジェクトの進捗状況や会計上の処理方法によって変動する可能性があります。
Q. 同業他社や市場のシェア、競合の状況について教えてください。また、同業他社に対しての強みは何でしょうか?
A. まず、院内型PRPと我々のサービスは、プロセスが全く異なるため、直接的な競合関係にはありません。院内で設備を持ち、その日に血液を取って提供するモデルと、我々に委託するモデルは別物です。
外注する細胞加工サービスの分野では、主な競合はwaqooさんです。我々のオーダー数と比較すると、だいたい4対1から5対1程度のシェアではないかと思われます。
しかし、現時点では競合している場合ではありません。再生医療の細胞加工という市場自体がまだ小さいため、まずは市場を広げていく必要があります。むしろ、新たな競合が現れることで市場が拡大する可能性があるため、ウェルカムな姿勢です。現在は市場全体の拡大に注力しています。
Q. 現状で保険適用されていない課題は何ですか?また、その課題についてどのようなアプローチをされているのでしょうか?
A. 保険適用されていないのは課題があるからではなく、そもそも保険適用のプロセスを通していないためです。また、我々にはそれを通す予定もありません。理由としては、まず我々のミッションである財政問題の解決に反するということがあります。保険診療になると、サービスの7割が国庫負担になってしまいます。
また、保険診療になると医療機関の価格決定権がなくなります。これは医療機関経営にとって重要な問題です。現在、有床診療所の閉院や休院が増加しており、約6から7割の医療機関が赤字状態です。価格決定権がないことは、経営上極めて特殊な状況です。
我々は、医療機関が自ら価格を決め、患者が適切なサービスを選ぶという健全な事業環境を維持したいと考えています。自費診療という形態が社会課題の解決につながると信じており、保険適用を課題とは捉えていません。むしろ、現状のモデルを維持することが重要だと考えています。
Q. 加工受託サービスの技術アップデートについて、3月に行われたものは顧客獲得にどのくらい貢献しましたか?
A. 血液由来加工については、直近2ヶ月の数字で効果が出ています。ハイブリッド型で23%、自費診療型で12%程度の貢献がありました。最新の詳細な数字は9月12日の開示をお待ちいただければと思います。このように、技術アップデートは業績に寄与していると理解していただけると思います。
Q. 脂肪由来および肝細胞由来の加工サービスについてはどうですか?
A. 脂肪由来幹細胞の加工サービスは、先ほどお示しした「3本の矢」の資料の通り、効果が表れるまでにはもう少し時間がかかります。これは加工期間の違いによるものです。血液由来は3週間ですが、脂肪由来幹細胞は6〜8週間かかります。さらに、委員会申請というプロセスがあり、技術リリース後に委員会の許可を得てからサービス開始となるため、時間軸が異なります。
Q. 脂肪由来と肝細胞由来の加工サービスの貢献はいつ頃から見込めますか?
A. 脂肪由来幹細胞の加工サービスの貢献については、第3四半期、第4四半期、そして来年の第1四半期にかけて順次お示しできると考えています。現在、足元で貢献しているのは「3本の矢」の1本目である血液由来加工の技術アップデートとなります。
Q. 今年澤田社長が就任されましたが、社長を交代された理由はどのようなことだったのでしょうか?
A. 私が直接の当事者ではないので、真の回答は裙本CXOから聞くべきかもしれませんが、社内での説明と私の観察から回答させていただきます。
まず、この決定は非常に印象的でした。社員たちも納得感を持って受け入れました。裙本前社長は新しいアイディアを生み出すのが非常に得意で、それを具体化し、必要な人に説明して形にしていくスピードが圧倒的です。
一方で、裙本はティール組織の考え方に近く、多様性を非常に大切にします。ビジネスには求心力と遠心力が交互に必要ですが、裙本氏は常に遠心力を働かせる傾向がありました。
彼の得意分野は新しいものを世に広げ、自由な発想で事業を展開することです。しかし、ビジネスを大きくスケールさせる段階では、求心力が必要になります。また、必ずしもティール組織が正しいとは限らず、より中央集権的な組織構造が必要になる場合もあります。
裙本はそれが自分には向いていないと判断し、そのスキルを持つ人間として澤田氏を連れてきました。澤田氏はそういった部分が非常に得意な人物です。
創業者が自らナンバー2の立場に降りるという決断は極めて珍しく、勇気のある決断だったと思います。人間の中身を変えるのではなく、人を変えることで組織に必要な変化をもたらそうとしたのです。
Q. 血液と脂肪の加工受託件数は反転しているという認識でよろしいでしょうか?
A. はい、その認識で正しいです。57ページのグラフをご覧いただくと、脂肪と血液の加工受託件数を足したものが反転している形になっています。6月、7月の具体的な数字は現時点では申し上げられませんが、元々の低い数字には戻っていません。これは主に1本目の矢(血液由来加工の技術アップデート)が貢献しているためです。我々の目標は70以上の数字を安定的に出すことですが、足元では反転基調にあるといえます。
Q. 厚生労働省のエクソソームを含む製品への指導徹底は御社にとってメリットがあるのでしょうか?また、再生医療安全性確保法の改正が医療機関に与える影響はどうでしょうか?
A. この指導徹底は我々にとって追い風だと考えています。特に美容領域では「エクソソーム」という言葉を使用した様々な製品が出回っている中、我々はしっかりとしたバックグラウンドでビジネスを行っているため、このような規制強化によってむしろ差別化が図れると考えています。我々はこの状況を活かし、しっかりとした説明を続けることで競争優位性を確立できると思います。
Q. PFC-FDの副作用や有害事象はありますか?
A. 現在のところ、PFC-FDにおいて副作用や有害事象はありません。
Q. PFC-FDの治療後の管理や通院頻度はどうなりますか?
A. ヒアルロン酸注射と比較すると、通院頻度は圧倒的に減ります。ただし、膝の重症度(KLグレード)によって異なります。効果が出て、しっかりとリハビリを行えば、通院頻度は自然と減少します。
Q. PFC-FDの効果持続期間はどのくらいですか?
A. 効果持続期間は個人差が大きいですが、ヒアルロン酸注射と比べると圧倒的に長いです。リハビリの頑張り次第で、1年に1回の来院で済む方もいれば、もう少し頻繁に来院が必要な方もいます。重要なのは、痛みを軽減し、その間にリハビリを行うことで筋力をつけ、膝の状態を改善していくことです。
Q. PFC-FDの治療の自己負担金はいくらくらいですか?
A. 自費診療のため、医療機関によって金額は異なりますが、多くの場合、10万円から20万円の範囲内だと考えていただいて問題ありません。
Q. 膝関節症クリニックで脂肪由来幹細胞の治療を受けました。効果があり満足しています。数ヶ月前に採取する脂肪を20ミリリットルから0.2ミリリットルと100分の1減らせるとのリリースを見ました。手術の際の脂肪取得はかなり痛かったので、リピートに躊躇してしまいましたが、0.1ミリリットルとのリリースを見ました。0.2ミリリットルであれば手術もすぐに終わり、脂肪取得の痛みもほとんどなくなると思い期待しています。いつ頃から0.2ミリリットルへの対応が本格化しそうでしょうかと聞いております。
A.膝関節症クリニックさんでは既に導入されておりますので、ぜひご覧いただければと思っております。それ以外の医療機関様におかれましては、順次ご案内という形で進んでいるところもあります。、膝関節症クリニックさんは既に導入されておりますので、ぜひご検討いただければと思います。
ありがとうございます。こちら一つお伺いしたいのですが、先生の技術によってできる、できないとか、そういうことではないのですか。
A. そうではないですね。いわゆるライセンスを申請して取得するのですが、ライセンスの許認可の数というのが月に決まっていますので、申請が多いと時間がかかります。膝関節症グループさんは札幌から福岡まですでに取り終わっているということです。先生は関係ないですね。
分かりました。ありがとうございます。
Q. 最近円高になっておりますが、円安とか原材料が物価高というのがなっていますが、そのようなことで減価面の影響というのはありますか。
A. ないと言えば嘘になりますが、我々のサービスのやはり一番大きなコストというのは人件費や地代家賃、機械の減価償却といった固定費が非常に重いので、変動費の比率が非常に低いのです。インパクトは多少ありますが、それが経営を揺るがすほどではありません。
Q. セルソース側様が医療機関様に導入するためのマーケティングですね。マーケティングを支援を行うなどの、こういった展開というのはあるのでしょうか。つまりよりこれによって受ける人が増えるような施策をセルソース側が働きかけることということになりますかね。
A. 実質的にはそうですね。ただ我々がマーケティング支援をして、何か対価を得て事業としてやっていくかというと、そういうことは考えていなくて、あくまで我々としては医療機関様のパートナーとして一緒に伴走するだけです。マーケティング支援会社になるということは想定していないですね。
Q: セルソース様から保険適用を働きかけることはないという話がありましたが、なぜこのような良い内容の診療が保険適用にならないのでしょうか。
A: 保険適用は自然に発生するものではなく、申請して初めて実現するものです。我々が申請しない限り保険適用にはなりません。現在、我々にはその意向がありません。
Q: 現在のやり方と人工関節(昔からあるもの)の違いを教えてください。
A: 人工関節との違いについては、我々のサービスは保存療法と呼ばれるもので、異物を入れたりメスを入れたりせずに、体の状態をより良くしていく、あるいは悪化を止めるものです。一方、人工関節は外から物を入れて欠損したものを代替するものです。
両者は本質的に全く別のものです。これは良し悪しの問題ではありません。例えば、軟骨が完全になくなってしまっている状態では、成長因子を入れても細胞がないので効果がありません。そのため、我々のサービスを利用している医師も、症状が進行しているお客様に対しては、一定以上の比率で人工関節を勧めています。
人工関節手術は過去に優れた手術の発明としてトップ10に選ばれたこともあり、実際に生活の質も大きく向上させます。ただし、感染症のリスクがあったり、手術への恐怖心、高額な費用などの理由から、我々のサービスを選択されるケースもあります。両方とも素晴らしいサービスだと考えています。
Q: 社外協力者に対する新株予約権の発行を何度か実施されていますが、これはどのようなことでしょうか。他社の人間はあくまで自分の会社のために働くと思うのですが、協力者へはその報酬を払えばよいのではないでしょうか。
A: この質問には答えづらい面がありますが、時間軸のずれが主な理由です。相応の報酬を払うことは可能ですが、効果が出るまでに非常に長いスパンがかかる場合もあります。そこで、協力による貢献とその効果への期待値のギャップを埋めるためにこのようなアプローチを取っています。
ただし、これは極めてレアケースであり、積極的に行っていく方針はありません。直近では実施しましたが、基本的にはあまり行わないと考えていただければと思います。
投資家の皆様へ
本日はご参加いただきありがとうございました。私どもも、このような形でお話をお届けするのは初めてだったため、どういった形になるか不安でした。
ぜひ画面を切る前に、アンケートにご協力いただきたいと思います。我々も、この再生医療、自費診療、そして加工受託という、極めて説明しづらいビジネスをご理解いただくためにまだまだ試行錯誤しているところでございます。
率直に、この部分は面白かった、この部分は分からなかった、あるいは期待が持てなかったなど、そういったご意見をいただけますと、我々のIR活動にも非常にプラスになってまいります。ぜひ率直なご意見をお聞かせいただけますと幸いです。
本当に平日のこの遅い時間に、私のお話を聞く時間を設けてくださいまして、ありがとうございました。