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[書き起こし] オープンワーク(5139)IRセミナー・質疑応答 2024.5.28 開催

2024.5.28に開催致しましたオープンワーク(5139)IRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。

登壇者名 代表取締役社長 大澤陽樹(おおさわはるき) 様

IRセミナー

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よろしくお願いします。

会社概要

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はじめに

早速、当社の決算説明について、当社の第1四半期決算説明資料をもとに説明させていただきます。カブベリーさんの説明会は2回目の参加になりますので、もうすでに当社のことをご存知の方も多くいらっしゃるかとは思いますが、初めて参加される方もおられると思いますので、簡単に当社の概要を説明させてください。

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オープンワークは、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を開発・運用している会社でございます。もしかしたら投資の際にも活用いただいている方がいらっしゃるかもしれませんが、会社で働いている人、働いていた人のクチコミを集め、それらを統計処理等を加え、見やすい形にして届けていく。それを転職・就職に役立ていただいたり、企業様は採用や組織改善に活用いただく。また、投資家様に向けにはアルファが出る投資先を見極めるためにクチコミデータを提供しております。これらを総称して、当社ではワーキングデータプラットフォーム事業と呼んでおります。

現在、従業員数は105名となっておりまして、2022年12月に当初、グロース市場に上場した会社でございます。私たちが一番大事にしているのが、コーポレートスローガンにもある「働きがい」という言葉です。残念ながら、日本の働きがいはある調査によりますと、世界で今125カ国中124位です。熱意を持ち働く人というのが5%強しかおらず、逆に低いモチベーションで働いている人というのは70%近くいるという衝撃的なデータがあります。

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日本は、ご存知の通り労働人口が減っていて、労働参加率を高めるため働き方改革を政府主導で推進してきましたが、参加率だけではもうこれ以上労働生産性が上がらない。これからは一人一人のやる気やエンゲージメントを高めて、その結果としてアウトプットを高めていく必要があると思います。ただ、働きがいというのは世界最低レベルというところなので、ここに改善の余地があるのではないかという風に、当社では捉えております。

もう少し具体的に、当社が目指す世界についてです。今、世の中では「働く」というのは新卒一括採用や終身雇用、年功序列というのが崩れてきて、職種別の採用や人材の流動化、また能力や成果重視の評価制度というのが入ってきて、「働く」の主役が会社から個人へと変化しつつあります。そうすると、個人は自分のキャリアは自分で決めていく姿勢が必要になってくるんですが、一方で就職・転職においては入社後の実情はブラックボックスで、個人が自分の「働く」やキャリアについて意思決定するための情報というのが、まだ不十分であると当社では捉えています。自分でキャリアを決め、働きがいを持って働いていくには、ジョブマーケットにおける情報の透明性が必要だと私たちは感じており、社員クチコミという領域から、OpenWorkをスタートさせています。

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当社の主力事業は大きく2つです。OpenWorkは、日本最大級の社員クチコミ情報サービスで、ユーザー数が630万人。その中で、就職・転職に向けてWeb履歴書を登録している方が111万人います。その方々に企業がスカウトを送り採用していく、OpenWorkリクルーティングというダイレクトリクルーティングサービスは契約社数3,100社、求人数が6.4万件となっています。こうした企業情報や求人があることで、またクチコミを見に行きたいというユーザーが増え、ユーザーが増えると履歴書が増え、履歴書が増えると契約社数が増え、契約社数が増えると求人や会社情報が増え、またユーザーが増えていく。相互にポジティブな影響を及ぼしながら成長している2つのサービスというのが、OpenWorkとOpenWorkリクルーティングとなります。

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それぞれのサービスについて詳細をお伝えしていければと思います。「OpenWork」はおそらく使ったことがある方が多いと思いますが、実際に働いている、働いたユーザーの経験に基づく社員クチコミを中心にしたCGMのサイトとなっています。

私は「8・8・3」と呼んでいるんですが、まず8つの評価スコアで待遇面の満足度はどうか、風通しの良さはどうか、20代の成長環境はどうか、法令遵守意識はどうか、そういったものを5段階で評価いただいています。次の8が社員クチコミですね。組織体制・企業文化、ワークライフバランス、女性の働きやすさ、経営者への提言、退職検討理由、等に関してフリーテキストでコメントをいただきます。最後が残業時間、有給休暇消化率、年収という3つの定量的な情報について投稿いただいています。

OpenWorkの収益についてですが、クチコミを閲覧するには4つの方法から選んでいただきます。1つはWeb履歴書の登録。2つ目がクチコミの投稿です。3つ目は当社が提携する人材サービス様への登録で、広告料・紹介料として当社に収益が入ります。最後がクチコミを見るために、税別1,000円で1ヶ月間クチコミを自由に見ることができる方法。これは月額課金収入となります。最後の2つを合わせたものがOpenWorkサービスの収益になっております。

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もう1つが主力であり伸びている事業になりますが、企業向けのダイレクトリクルーティングサービス「OpenWorkリクルーティング」となります。

OpenWorkリクルーティングは、今までの採用サービスとは異なり、働きがいを採用力に変える、人的資本経営時代の新しい採用媒体という風に捉えてください。従来の採用サービスはお金を積めば求人広告の露出が高まり、その会社がいい会社だろうが悪い会社だろうが、その人に合っていようがいまいがが、とにかくお金を払った会社が多く採用できるサービスでした。

ただ今は就職・転職は売り手市場化が進んでおり、今後は労働力の不足により労働者の方が優位な時代が来ると思っています。そうすると、労働者にとって不適切・不要な情報が目立つ採用媒体は使われなくなっていくと思っています。労働者が企業、ジョブを選ぶ立場にありますので、自分に合う求人や、自分にとって良い情報が載っている採用サービスが支持される。OpenWorkリクルーティングでは、ユーザーにとって良い情報、つまりOpenWork上で評価されている企業の求人やスカウトが届きやすいような仕組みになっています。

そのため、OpenWork上でスコアが高い会社にとっては非常に採用力が上がるサービスになっております。また費用面に関しては、初期費用・基本使用料は現在無料、採用成功報酬型で、お一人採用するごとに80万円という金額になっております。

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また、新サービスとして、オルタナティブデータサービスというものを推進しています。開示資料上は「その他」のカテゴリーです。内容は大きくは2つです。一つはFISという呼称で、投資家向けのデータサービスとして、企業の株価予測などに活用いただくため加工したクチコミ情報を提供しているものです。もう一つがDAPと呼んでいますが、OpenWorkには企業にとってネガティブなクチコミもありますが、そうしたクチコミを減らすべく社内を改善していきたいというニーズが今非常に強まっています。私たちは企業からの依頼でクチコミを削除はしませんが、改善のヒントとして。クチコミの傾向や他社比較での課題をレポートするサービスのベータ版が完成し、販売をスタートしております。この2つを合わせて今まで活用が難しかったデータを活用する、オルタナティブデータサービスとしてこれから事業を成長させようとしています。

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最後に事業系統図です。大きくは3つになっています。OpenWork、OpenWorkリクルーティング、「その他」というセグメントはオルタナティブデータサービスを指しております。OpenWorkの収益は月1,000円の月額課金と紹介料です。OpenWorkリクルーティングは成功報酬型で、採用成功した際に企業様やその間に入っているエージェント様からいただくモデル。オルタナティブデータサービスは、私たちのデータを企業やヘッジファンドに提供した際の利用料としていただくモデルになっております。

2024年12月期 第一四半期 決算概要

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では、ここからは四半期の決算概要について説明させていただきます。

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まず、エグゼクティブサマリーです。皆さんご存知の通りだと思いますが、転職市場等の事業環境は非常に良好でございます。企業によっては、例えばコンサルティング業界の採用が少し減っており業績が横ばい、というような発表をされている会社もありますが、当社にとってはまだまだ転職市場というのは非常に良好な環境にあると捉えております。

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クチコミ数、Web履歴書ともに順調に増加をしております。営業収益は778百万円で前期比15.5%。営業利益は69百万円で前期比で73.5%の減益となっております。こちらは広告宣伝を1Qに集中したことが要因で、2023年の通期の決算の時にも先んじて開示いたしましたように計画通りではあるのですが、皆様気になるところではあるかと思いますので、この後ご説明させてください。ただ1Qの営業収益と営業利益は、計画よりはやや上回る結果になっております。ですので、通期の営業利益予想の10億円に対しては順調に進捗していると報告させてください。

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業績サマリーは先ほどお伝えした通りですので割愛させていただきますが、ポイントとしては、OpenWorkが前期に比べて6.2%減収となっている点です。これは昨年からの流れで、OpenWorkリクルーティングにできるだけユーザーを流していきたい、集めていきたいと考えているためであり、想定内の着地となっております。一方で、OpenWorkリクルーティングは昨年、成長が少し鈍くなるかもしれないとお話ししていましたが、それでも前期比29.2%増と好調で、Web履歴書も30%超の増加となっており、営業収益も順調に増加していることをご報告いたします。

P/Lのハイライトについては、ほぼ先にお伝えした通りであり、広告費に関しては後ほどお伝えしますので、こちらは割愛させていただきます。

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営業利益の進捗と見通しについては、2023年12月期の通期決算で開示した内容からの進捗のご報告となります。これまで当社は、上期・下期でバランスよく営業利益を積み上げてきましたが、今年の1月・2月に関東圏と大阪圏で従来より大規模にTVCMを放映したことにより、広告費が増加し、1Qの営業利益はこれまでに比べて低く着地しております。ただし、これは予定通りであり、2Q以降は利益を積み重ねていき、通期の見込みに到達する予定ですので、ご安心ください。

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次に、四半期ごとのサービス別の営業収益の推移になります。濃い青がOpenWork、会員課金と紹介料のサービスです。薄い青がOpenWorkリクルーティング、ダイレクトリクルーティングのサービス。そして「その他」というのがオルタナティブデータ等の収益となっております。OpenWorkリクルーティングは先ほどお伝えした通り、前期比で29.2%の増加になっておりますし、若干ですが、四半期単位で見た時に過去最高の収益を更新しておりますので、安定的に成長しているといえます。皆さんから見ると、昨年の2Qと500万円しか変わらないじゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、人材業界は非常に季節要因があって、当社の最大のクォーターはやはりこの2Qになってくるかと思っておりますので、この1Qと比べるとしっかりと成長しているという意味でも、このタイミングでしっかりと過去最高益を出しているということも、非常に私としては良かったなと思っています。

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KPIの説明になります。求人を掲載してくれたり、スカウトを打ってくれる契約社数は順調に伸びていおります。また、OpenWorkリクルーティングに一番効いてくるのが、Web履歴書の登録数になりますが、111万件ということで、こちらも順調に伸びております。またOpenWorkはプラットフォームとしてもユーザー数630万人と順調に伸びておりますし、社員クチコミ・評価スコアも1,670万件と、しっかりデータを集めることができております。

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皆さんが気になられている部分で、質問もいただいているところを改めて深掘りしていきたいと思います。営業費用の推移、特に広告宣伝費が非常に大きく増加したという点です。また、昨年の後半に採用が大きく進んだことによって人件費も事業の成長と合わせて一定増加しているのが、今回のポイントとなっています。

TVCM等のプロモーションに関しては、当社はクチコミ会社として認知されているケースが多いのが現状です。転職サービスをやっていることや、求人やスカウトが届くことを知らなかったという方が多いのです。一方で、ユーザー数は630万人、履歴書も111万件あります。これはダイレクトリクルーティングの業界のリーディングカンパニーと比べても、履歴書数は約2分の1、ユーザー数は約3倍となっていますので、その点では大きな差はつけられていないと言えます。ただ、認知されていなかったり、そもそも採用や転職、就職ができるということを知られていなければ、マネタイズができません。そこで、OpenWorkがクチコミを使って転職や就職ができるサービスであることを認知していただくことが重要です。認知いただければ、機能やサービスの価値は十分に競争優位性があると考えています。徐々に認知度を獲得していくことで、結果として収益性が高まり、当社の事業成長や利益率も向上していくと考えていますので、その先行投資として、広告投資をスタートさせているというものです。

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営業利益の増減要因は、先ほど説明した通りですが、主にTVCMへの集中投資や人員増が大きく影響しているものとなっております。

以上、駆け足になりましたが、私からの決算説明の報告は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答

Q. 今回、第1四半期にテレビCMのプロモーションを行ったと書いてますが、この効果は長期的に続くと考えていいですか? つまり、テレビCMだったら、半年後や1年後には忘れられてしまい、そんなに続かないのではないかということです。

A. 非常に鋭いご質問だと思います。結論から申しますと、回答が難しいのですが、一定の認知度は高まると考えています。認知度は一度上がるとある程度は高い状態が持続しますが、現在当社が投下している広告だけでは、長期的には続かないと言えると思います。

ブランディングや広告等にお詳しい方はご存知だと思いますが、あまり認知度がないタイミングで広告をスポットで打っても、数ヶ月するとどんどん認知度が下落していくのです。当社も実は1、2月に広告を打ち、すでに3、4ヶ月が経っていますが、この前調査したら、少し当時よりも認知度が下落し始めているタイミングでした。

ですので、都度、広告をしっかり打っていったり、広告以外の接点をしっかり増やしていきながら、2人に1人ぐらい知っているメジャーなサービスになると、今度は効果が持続し、認知度があまり減衰していかないフェーズに入っていきます。残念ながら現時点の投資だけでは長期的には続かないものですが、広告宣伝費をしっかりと継続的にかけていって、認知度が高まっていくと、それがブランド力に積み重なって、長期的に続いていくものだと捉えていただけると幸いです。

Q. 広告宣伝費に関して、高額なテレビコマーシャル以外にも、安価でコストパフォーマンスの良い媒体には出せないのでしょうか。他の企業さんでは、ウェブCMをたくさん流したり、ラジオCMを流したりしているところもあります。ラジオは若者とは合わないかもしれませんが、ウェブCMなどはどうでしょうか。

A. おっしゃる通りだと思います。安価というわけではないのですが、テレビコマーシャルだけでは当社の認知度は増えていきません。一般的なウェブマーケティング系にも一定の投資をしております。メディアミックスといいますか、合わせてやっていかないと意味がなく、認知度が上がっていない状態で、安価でコストパフォーマンスの良い媒体ばかりに出していても、そもそも認知されていないので、クリックされなかったり、コンバージョンしなかったりします。やはりバランスが大事で、認知度をしっかり上げていきつつ、いろいろなところでOpenWorkをよく見かけるようにすることで、OpenWorkを使うユーザーや、OpenWorkのことをいいと思って活用いただけるユーザーを増やしていくことが大切です。長くなりましたが、結論としてはテレビコマーシャルもその他も両方しっかり伸ばしていく必要があるということで、バランスよく今後もやっていきたいと思っております。

Q. OpenWorkリクルーティングの契約社数は書いてあります。OpenWorkリクルーティングの本期の3,100社の中で、どれくらい利用しているかという利用社数を教えてください。多分、推移に関することも含めてお質問になるかと思います。

A. ありがとうございます。利用社数については申し訳ありませんが、開示されていない情報ですので、具体的な数字をお伝えすることはできません。大体このぐらいかなというところをお伝えさせていただければと思います。

ご質問の意図の通り、全社が利用しているわけではないと思います。ただ、他の会社様と比べると、一定の利用率はあるかなと考えております。よく延べ契約社数を出している会社さんがありますが、ランニングコストがかかったりするので、延べ契約社数が増えているように見えても、実はそのランニングコストを使いたくないから休会している企業が多いのです。当社の場合、イニシャルもランニングコストもかからないので、そういった理由で利用停止になる企業は少ない状態です。

ただ、採用は常に窓口が開いているわけではありません。特に50人、100人規模の会社の場合、常に多くの人材を採用しているわけではなく、ポジションが空いたタイミングで採用するような感じです。また、最近は希望退職者を募ったり、早期退職者を募集して要員整理をしている企業のニュースも出ていますので、しばらくは採用を止めなければいけない企業もあります。そう考えると、3,100社全てが常に利用しているわけではなく、一定の数の企業は止まっている状態です。ただ、その会社もずっと止まっているわけではなく、例えば半年や1年経つと、また利用し始めたりします。具体的な割合はお答えできませんが、それなりの企業に活用いただいていると捉えていただければと思います。

Q. OpenWork自体のページビューの推移を公表されていないのですが、たくさん見られている推移になっているのであれば、そういった業績になるのではないかという質問になるかと思います。

A. これも控えめにお伝えしたいと思います。具体的な数字は避けさせていただきますが、大まかな傾向だけお伝えできればと思います。

おそらくこういった調査をされた方はご存知だと思いますが、OpenWorkのPVは過去5年ほど、つまり創業以来、過去最高値を更新し続けています。これはテレビCMの効果ももちろんありますし、クチコミ量が増えていることや、ユーザーの皆様がOpenWorkに長く滞在していただけていることなども影響していると考えられます。また、OpenWorkアプリなどもありますので、定期的にログインしたり、見ている人もいることが PV増加に寄与しているのだと思います。

ただ、先ほどのご質問にもあったように、PVが増えたり、ユーザー数が増えた後のマネタイズを頑張っていかないといけないというのが、現状の課題だと認識しております。

Q. 株価が低迷している原因の一つは、今後の成長戦略が投資家にはっきり見えてこないことだと考えていますが、社長はどのように認識していますか?

A. ありがとうございます。まず、複数の方からこの質問をいただいているということで、非常に関心が高い部分なのだと思います。株価が下がっている要因については、ご指摘いただいている点もあるかとは思いますが、その要因を当社で結論付けることはできません。もちろん、グロース市場全体で株価が良くないという状況もありますし、一概にこうだと言うことはできません。ただ、成長率の落ち着きや今後の方針について、よりしっかりと期待を持ってもらうことが重要であるという点は、私も同じ認識です。

私自身は、当社はまだまだ成長していけると思いますし、日本のジョブマーケットにおいて、間違いなくこれから必要不可欠なスタンダードになっていくサービスになると確信しています。その期待が十分に伝えきれていない、あるいはそこまでの道筋を信頼してもらえていないのだと捉えています。

まだお約束をすることはできませんが、関心を持っていただいている広告投資の効果の分析等を踏まえて、今後の成長戦略の検証とその開示方法の検討について、現在取り組んでおります。また改めて、私が考えている、OpenWorkが日本の転職・就職市場のスタンダードになることができる道筋を説明できればと思っております。

Q. 先月販売を開始したクチコミレポートの販売戦略が見えてこないので、可能であれば伺いたいです。ということで、発売したものをどのように販売されていくのかという質問になるかと思います。

A. そうですね。クチコミレポートに関しては、ベータ版の検証が終わり、正式リリースをしたタイミングでございます。まずは、ベータ版の展開中に「これが出たらすぐに導入したい」とおっしゃっていた企業様に納品をスタートさせていただいております。すでにニーズがあったところに対して、しっかりと納品をし、フィードバックをいただきながら、レポートの改善を進めているフェーズです。あえて大規模な拡販をするよりは、まず納品体制やお客様の満足度を上げていくことに注力しています。

ただ、次は多くの企業様にこのレポートを届け、より働きがいのある会社を日本に増やしていかなければならないと考えています。そのため、販売戦略として大きく二つ考えております。

OpenWorkリクルーティングを活用していただいている企業様の一番の悩みが採用であり、いい人材を採りたいという点です。ここに対して、クロスセルできるような営業体制や営業チームのイネーブルメント・トレーニングを行い、すでに契約がある3,100社の企業に対するクロスセルを行うのが一つ目の戦略です。

二つ目は、親会社のリンクアンドモチベーションさんや、組織改善に取り組む外部企業と連携し、当社のレポートを届けていただくような代理店販売戦略を検討しています。この二つがクチコミレポートサービスの販売戦略となっております。

Q. 投資家向け情報サービスは社員だけではなく投資家のクチコミもあれば投資家にとって有効かと思うのですが、投資家向け情報だから社員、どういう投資家のクチコミなのかなっていうのは、IRが強い弱いとか開示が強い弱いとか、そういう感じなのでしょうか。そのようなサービスを展開する可能性はありますか?

A. 当社がこれを展開するかどうかは開示できませんのでお答えできないのですが、個人的には非常に面白いアイデアだと思います。そういったご意見をいただくこともありますので、そのようなサービスがあってもいいのではないかと私たちは考えております。ただ、当社がこれを行うかどうかという点については、現時点では控えめに回答させていただきます。

Q. 今後、現在はグロース市場に上場されていますが、プライムへの移行イメージは持たれているのでしょうか。何年後にスタンダード、プライムに移行したいというのがありましたら教えてください。

A. これも具体的な回答はできませんが、選択肢としてはあり得ると考えています。当社の企業価値を向上していく上で、そういう選択が適切であれば、それを選ぶべきだと考えております。時期は別としても、まずプライム上場基準をクリアできるレベルの業績やガバナンスを目指すことは、すでに取り組んでおります。

Q. 有効求人倍率を見てみますと、コロナ禍でだいぶ上がってきたと思ったのですが、最近は一服しているように見えます。このように落ち着きが見えてしまっていると、就職や転職が減ってしまうのではないかと思われますが、貴社への影響を教えてください。

A. ありがとうございます。当社への影響は非常に少ないと思っています。グラフを見ていただくと分かる通り、落ち着いてはいるものの、一服したぐらいであって、依然として非常に高い倍率を維持しております。当社の場合、特定業界や業種において少しへこみが出ることはあるのですが、OpenWorkリクルーティングはかなり幅広い業界・業種、そして企業規模の会社様にお使いいただいています。最近では日系の大手企業も人的資本情報の開示の中で、キャリア採用比率を公開するという文脈で、キャリア採用に非常に力を入れ始めており、OpenWork上にも求人が掲載されています。新卒の時には入社できなかった人気企業がキャリア採用に力を入れていたりすることで、ユーザーも動き始めますし、即戦力人材やキャリア採用の人材で、ダイバーシティを高めていくこと、新しい事業に適切な人材をアサインしていくという流れは、当社にとっては追い風だと捉えております。

Q. 四季報記載にある海外投資家向けデータ事業について、その背景と構想、そして進捗についてお知らせいただけますと、ありがたいです。

A. ありがとうございます。重複する説明になってしまうかもしれませんが、オルタナティブデータ市場は、日本だけでなく海外でも成長し始めています。当社内でもこのオルタナティブデータに関するチームを新規で立ち上げ、先週はロンドンとニューヨークで開催された、このオルタナティブデータに関する世界最大級のカンファレンスに参加してきました。そこでも日本株が注目されていることと、当社が持つようなデータが非常に注目されているということが分かりました。

背景としては、日本株が非常に注目されていることと、AIの発達によって自然言語データや長期の予測に使えるデータが目を向けられているということがあります。

構想としては、OpenWorkのデータを集め続け、それをアルファが出る形で加工し、スコアとして提供していくことができるよう、精度を高めていくこと、そして品質の高いクチコミを集め続けていくノウハウが必要になっていくと思っています。

直近では、これまで特定の市場、アメリカや日本のオルタナティブデータマーケットを中心に展開していましたので、今年はヨーロッパやアジア、中東といったところにも、こういったオルタナティブデータを活用しているファンドがあるので、まずはマーケットを広げていくことからスタートしています。さらにその上で、当社のクチコミデータを活用して、より違う活用方法がないかを今後模索していきたいと考えています。

進捗については、オルタナティブデータ市場自体がまだ成長途中で、HRのクチコミデータのようなマーケットがないところなので、進捗というよりは、ゼロのところを開拓しながら進んでいる状態です。急激に伸びるものではないと思っていますが、徐々に論文なども出る予定で、OpenWorkのクチコミの有用性が証明できておりますので、そういったところも含めて、マーケットを開拓し、市場を大きくしていくチャレンジを頑張っていきたいと思っています。

Q. 今後OpenWorkリクルーティングを伸ばしていくということで、多分今もこういったことがあるのかなということで心配しております。OpenWorkリクルーティングに掲載をする会社は、他のライバル会社にも掲載する可能性が高いのかなと。そうなってきたとき、他社に契約を取られてしまう際、「採用は他社からで決定しました」という割合はどのようなものでしょうか?

また別の方からも、周囲でOpenWorkを利用するが、実際の転職サービスとしては他社のエージェントを使うということをよく聞きます。これに対しての対策を具体的にどのように検討しているかお聞きしたいです。ということで、他社のダイレクトリクルーティングを使われることの質問になるかと思います。

A. ありがとうございます。既に他社のダイレクトリクルーティングサービスや求人媒体を使っているところに、私たちが後発で契約させていただいているケースは多いので、既に他のダイレクトサービスや人材紹介会社さん経由で採用が決まったので、この求人は閉じさせてくださいといったことは、もちろん多いですね。

これに関しては、いくつか打ち手を打って、少しずつ効果と成果を出し、当社でしっかりと採用を決めてもらう数を増やしていくしかないと思っています。一つは従前からお伝えしている価格面です。OpenWorkリクルーティングは他社の採用サービスに比べて、非常に価格が安く、優秀人材を採用できます。特に採用コストを抑えるということが各社で言われていたりしますので、OpenWorkリクルーティングは優秀な人材を取れるけど、非常にコストを抑えられるというところで、シェアを伸ばしていくのが一つの方法です。

もう一つは、社員クチコミを見た上でご入社される方が多いので、ミスマッチが少ないと言われています。早期離職が少ないのです。ただ人員計画を満たすために採用して、すぐ退職されては困るというところでいきますと、OpenWorkリクルーティングはいい人材が取れる、ミスマッチが少ない、さらにコストが安いというところで、競合に勝っていけるのではないかと思っております。

Q. 新規サービス開発はどのようなものを検討しているか、可能な範囲でご教授いただきたいです。社員クチコミデータはとても有意なデータであると考えており、他社では真似できないサービス開発ができるのではないかと期待しています。

A. ありがとうございます。現在、個人のキャリア開発を支援するようなサービスを企画しています。ユーザーの皆さんの反応や、本当に価値があるかどうかは今後検証を行うため、リリースできるかどうかはまだお伝えはできないのですが、自身のキャリアを能動的に考えて、働きがいを見出していくための、キャリアに関する情報、キャリアに関してブラックボックスになっているところを透明化していくようなサービスを考えております。

Q. OpenWorkお見合いの人がとても多いよと、競合他社と比べて手数料が安いよというのは、先ほど強みというお話がありましたが、それ以外に競争優位性はあるのでしょうか? また可能でしたら、大澤社長の考えるOpenWorkリクルーティングの成長ストーリーを改めてお話いただけますと幸いです。ということで、競合がいる中で、どうやって価格以外で勝っていくのかという質問になるかと思います。

A. OpenWorkというフックがあること、そして手数料が非常に安いというところは、すでに選んでいただいている理由であり、ここまで成長してきた理由になっていると思います。今既に開示できる範囲としては、クチコミを活用したマッチングができることが、本当に圧倒的な優位性を作る一つの材料になると考えています。

一般的に人材のマッチングは、仕事内容、勤務地、年収の3つで決まります。それに合わせてタイミング、つまり転職を今すぐにしたいユーザーと、今すぐに人を採用したい企業、このホットとホットの状態のものを、仕事内容と年収条件と勤務地の3つでできるだけ早くマッチングをさせていくのが、これまでの人材業界・人材会社の勝ちパターンでした。

ただ今、労働者が優位になっていく中で、もう少し選びたいという欲求が強くなってきていると思います。例えば同じ勤務地で、フロントエンジニアの仕事、年収600万円を希望しているとなった時に、5社ほどの選択肢があったとしても、このラストワンマイル、本人が面接などを通じて、これが自分には合うかもとか、ここを本当は求めていたかもという要素があります。それはワークライフバランスであったり、フルリモートなのかどうかであったり、トップダウンなのかボトムアップなのかだったり、プロフェッショナル性の高い組織なのか、サークル的雰囲気のチームワークのある会社なのかとか、ウェットな人間関係の会社なのか、ドライな人間関係なのかとか。求人票や職務経歴書だけではマッチングできない、人間が本来求めている要素が、実はあるのではないかと。そしてそれが、労働者の方が優位になる社会においては、労働者がそういうのも含めて選ぶような時代が来るのではないかと。

当社ではすでにクチコミマッチングという機能も、小さくではありますがリリースをしておりまして、労働者の方が、例えば自分がトップダウンという言葉はあまり好きではないとか、大手企業やピラミッド型組織が好きではないということを入れておくと、そういうクチコミが書かれている会社はあまりマッチしないようになっていたり、マッチ度が低いと表示されたりします。逆に自分は風通しがいい会社がいいのだということを書いておくと、自分の希望条件プラス、そういったカルチャーにマッチする会社の求人やスカウトが、ランク付けされて紹介されるのです。

これは人間の主観、ある人がこの会社に対してどう捉えているかという主観のデータと、クチコミのデータがないとできないことです。求人と職務経歴書だけを集めている会社では決してできないマッチングですので、現時点で開示できることとしては、他社では絶対にできない、そういったカルチャーとか、職務内容、年収、勤務地以外で本当に求めていることを含めて、いいマッチングができる、私はこれをフィットと呼んでいるのですが、このフィッティングができるサービスこそが、OpenWorkリクルーティングが選ばれる理由、ユーザーからまず選ばれる理由になると思います。企業もそうすると、採用でミスマッチが少なくなりますし、そもそもユーザーが増えます。多くの人材が集まるところに企業は採用しに行きたくなります。そういうところが当社が伸びていくストーリーであり、他社では絶対に真似ができないところなのではないかと思います。

Q. 一つ素朴な疑問としてお伺いしたいのですが、ダイレクトリクルーティングですと、企業様にこういうアプローチをしますけど、もちろん優秀な人材はたくさん皆さん欲しいよという形になると思うのですが、そうでない人という言い方は何とも言えないですけど、そういった人が登録した時はどうなるものなのでしょうか?

A. 人も企業も価値は、絶対的に決まるものではなく、相対的に決まるものだと思っています。例えばご自身では年収が低く、特定の業務しかできないというふうに自分では捉えていて、市場価値が低いのではないかと思っていても、そのナレッジに価値があり、更にはそれを共有して、トップダウンではなくてボトムアップにチームを作っていって、成果を出すような人材としてニーズにマッチすればその人の市場価値は一気に上がっていくのです。自分では低いと思っていても、求人企業が今置かれている状況により市場価値は変わります。

ご質問いただいたところに答えられているか分かりませんが、この人の価値が低いなどということは絶対に存在しないと思っていて、相対化の中で、どなたでも輝ける環境や、求められる環境、どなたでも輝けるポジションというのはあるのではないか。それはOpenWorkリクルーティングだからこそマッチングしていけるのではないかと思っています。

Q. こちら株主のことで来ておりますね。株主欄には創業者と親会社リンクアンドモチベーションさんがあり、社長は元親会社の従業員だと思いますが、社長自身が自社株買いを持つことはどのようにお考えでしょうか、ということが来ております。

A. これは非常に回答しにくいですが、できる範囲で自分もリスクを取って、企業価値を高めていくことで、株主の皆様にとっても、もちろん自分の資産形成にとってもプラスになるということは、やるべきだと思っていますし、少しずつ進めてはいます。経営責任をより高く持つという意味では、非常にその通りだと思います。リンクアンドモチベーションは既に退職しておりますので、その点はあまり関係なく、オープンワークの経営チームとしてしっかりと責任を持って運営をしていきたいと思っています。

Q. 今期や今期以降の採用計画を教えてください。前期は20人程度と、積極的な採用だったように感じていますが、これは一時的なものなのでしょうか、それとも計画的なものなのでしょうか?

A. ありがとうございます。前期に関しては計画的なものです。今期も、開示はできないのですが、おおむね同じぐらいの採用計画で進んでいます。今期以降に向けても開示できないところではありますが、市場の競争環境と当社の事業構造次第だと思っています。

例えば先ほどお伝えしたような個人向けのキャリアサービスについて、グロースの目処が立ったときは、また新しいチームを作っていったり、拡大再生産に向けた体制を組んでいく必要がありますし、マーケティングを強化していくという算段がついた場合は、そういったチームを強化していく必要があります。今期までは同じようなペースだと思いますが、来期以降は、その事業構造やどこに注力していくかによって、少し変わっていくので、明確なことは現時点ではお伝えできません。

Q. 一つお伺いしたいのですが、採用された方の職種はどのようなものが多いのでしょうか?

A. 特に前期と今期に関しては、かなり幅広く採用しております。一番多いのはエンジニア人材です。当社のサービスを開発したり、インフラ、マーケティングやデザインの分野、プロダクトを企画していく人材というところです。他にもOpenWorkリクルーティングもだいぶ伸びたので、そこに対する営業スタッフやCSのスタッフも採用しています。また、上場したというところも含めて、コーポレートの人材というところも一定数増やしておりますので、去年と今年に関しては、特定職種というよりは、かなり幅広く様々な職種で採用させていただいています。今公開されている当社の求人を見ていただくと、まさにそうなっていると思います。

Q. 先ほどの質問の深掘りになります。先ほどダイレクトリクルーティング、OpenWorkリクルーティングで他社で決まってしまうということがありますよというのがありましたが、それはリリースしてから推移、例えば9割ぐらいの人が、8割ぐらいになったとか、変わらないとか、そういうのを改善している状態なのでしょうか。

A. 正直に申し上げると、他社サービスでの採用決定人数も非開示ですので、わからないというのが結論です。

ただ、当社が非常に価値を出せている企業様からは、「去年までは御社経由で全体の採用決定人数の1割とかを充足していこうと計画していたけど、今年はこれを15%とか20%ぐらいまで上げていきたい」というお声掛けをいただくことが多かったりします。これはあくまで良い報告を受けている部分だけかもしれませんが、非常に安くていい人材が取れるので、当社のサービスで採用したい、採用できるように計画を組んでいるというお声をいただくことは多くなっているかなと思います。ただ他社サービス含めた具体的な採用割合は分からないので、その点は回答は控えさせてください。

Q. 中期経営計画を開示する予定はありますか? もし開示するとしたら、どのような条件が必要だと考えていますか?

A. 中期の開示予定については、現時点では明確には回答できませんので、控えさせていただきます。現在採用市場関係の見通しの精査であったり、広告投資の効果検証を進めており、この辺りを含めたグロース構想について、信憑性が高くなり、かつそれを投資家の皆様に共感いただけるというタイミングが参りましたら開示すべきかと思っております。

Q. 競争の環境の変化はありますか。より競争が激化して、コストが上がるのも大変、人材を集めるのも大変だとか、そういったことなのか、この数年は競争のレベルは変わらないと考えていいのかということの質問になるかと思います。

A. ミクロで見ると環境の変化はもちろんあります。ダイレクトリクルーティングサービスに大手企業が参入をしていたり、他の新興系の採用媒体や採用サービスも生まれていたりしますが、マクロな視点で見ると、競争環境の変化はあまりないと思っております。

実は、ダイレクトリクルーティングの成長率は高いのですが、人材紹介会社さん、エージェントさんもまだ伸びています。キャリア採用市場に限って言うと、エージェントさんの方が市場は大きく、伸び率も10%ぐらいのCAGRだったりします。これは日本の大手企業を中心にエージェントさんにまだまだ頼っている状態が背景にあります。従って、中途採用市場は全体として成長を続けており、そのうちダイレクトリクルーティングは市場はまだ小さいですが、伸び率としては一番大きいという、この大局感に関しては大きな変化はないかなと思っています。

Q. 今ダイレクトリクルーティングを展開しているライバル企業は何社ぐらいあるものなのでしょうか?

A. 有名どころでいくと、ビジョナルさんのビズリーチとアトラエさんのGreen、リクルートさんのリクルートダイレクトスカウト。この3社は市場でも先行スタートをしていて強いサービスです。他にもエン・ジャパンさん、マイナビさん、パーソルさんも、ダイレクトリクルーティングのところに力を入れ始めておりますので、そういったいわゆる大手企業も参入していますし、LinkedInさんなども含めて、海外の企業も含めて競争環境は一定激しい状態です。ただメインプレイヤーはあまり変わっていないという感じです。

Q. 有利子負債もなく自己資本比率も健全な状態、95.4%と高いのに、配当がないのはなぜでしょうか? 理由を差し支えない範囲で教えてください。

A. これはよくいただくご質問ですので、皆様の期待があるということは十分承知をしております。まだ具体的なアクションが実現できていないので心苦しいのですが、成長投資に回すことが最優先だと思っておりまして、いま準備や検討を進めている状態でございます。

多くの投資家の皆様と話す中では、配当金を出してほしいというお声もいただくことはあるのですが、やはり業績を成長させて企業価値を上げて、それで報いてほしいという期待も、それ以上に多くいただいていますので、無理に焦ってやるのではなく、企業価値を高める蓋然性の高い成長投資をしていかないといけないと思っていますので、そこもご期待いただけます幸いです。

Q. 第1四半期の決算発表後、機関投資家様との対話があったと思いますが、どのような質問が多かったのでしょうか?

A. これは今日いただいた質問とほぼ同じ傾向でした。一番多い質問は、やはり広告投資についての質問ですね。効果がどうだったのかというところと、効果がそんなすぐ出るものではないというのは分かっているけど、現時点での投資に対する評価について教えてくださいというようなご質問が多かったです。

続いて多かったのは、やはり手元資金の使途についてです。今後の成長投資、M&A、また新しいプロダクトの構想、それら進捗についてのご質問が多かったかなと思います。

Q. 今日の冒頭の話で、求人市場は基本的には大丈夫なのですが、コンサル業界のところで、転職需給に関して厳しいと、お話しておりましたが、某企業説明では、コンサル業界の転職需給は、DXを筆頭に、まだまだ需要があると聞いたのですが、実態はどのような状況なのでしょう?

A. ありがとうございます。大きい構造としては2つだと思っています。まずはコンサルティングファームの中でも、採用に関しての需要度合いには濃淡があります。ただ全体で見るとまだまだ需要があると思います。DXには引き続き高いニーズがあって、ここのコンサルティング人材をまだまだ採用そして育成していかなければいけないというのは、私たちには非常に多くお声掛けをいただくところでございますので、需要は全然高いと捉えております。

もう一つは、特に外資系のコンサルティングファームさんは、本国から人件費、採用費圧縮などの合理性が求められるところですので、採用費を抑える上では、当社に期待いただくことが増えていたりします。もしかしたらそういうところで需要が減っていると見えてしまっている会社もあるのかもしれません。ただ需要があると捉えている会社さんもあると思いますし、私たちもまだまだあると捉えています。

Q. 大沢社長自身がプレッシャーを感じることはありますか?

A. ありがとうございます。とても珍しいご質問ですね。正直に申し上げると、プレッシャーを感じることは非常に多くあります。大きく分けて二つあります。

一つ目は、投資家の皆様、当社の従業員、そしてOpenWorkを使っていただいているクライアント様やユーザー様など、多くの方から寄せられる期待についてです。その期待というのは、OpenWorkが日本のジョブマーケットや世界においても影響を発揮していけるプロダクトや事業だということです。それを本当に生かすも殺すも経営陣次第なので、社会に対して非常に大きな責任を背負っているという認識を常に持っています。そういう意味で、日々プレッシャーを感じております。

もう一つは、ミッション実現に向けてのプレッシャーです。日本は働きがいという点で非常に低い水準にあり、125カ国中124位という調査結果もあります。この最下位近くの状態が十数年ずっと変わっていないのです。私が当社の社長に就任してからも、この状況を変えることができていません。社会が変わっていかないこと、あるいは社会を変えられていないことに対して、より大きなプレッシャーを感じています。

Q. 先ほど機関投資家様からどのようなことが聞かれていますかという話がありましたが、機関投資家さんとのミーティングの数や取材の依頼は増えているのでしょうか?

A. こちらも本音で申し上げますと、上場直後から多少減ってきています。グロース市場に対する注目度の弱さなども影響もありますが、当社も注目されるだけの新しい発信ができていないというところもあるかもしれません。ただ、急激に減っているわけではなく、若干減ったという感じですので、そこは心して捉えながら、もっと興味を持っていただけるように、本質的な事業成長の開示に努めていきたいと思っております。

Q. 今期のオープンワーク様の経常利益の進捗は、上期は少し抑えめで下期しっかり稼ぐという計画になっています。先ほどの説明では、繁忙期は2Qだというお話があったかと思います。そうなってくると、下期は繁忙期ではないのに利益が出るのはなぜなのでしょうか? 上期にCMをしっかり売っているので減っているというのに、下期の利益が多いのは説明が少し難しいように見えてしまいます。

A. 具体的な回答ができないのが少々もどかしいのですが、今のところ計画通り進捗する予定ですのでご安心いただければ幸いです。なぜそう言えるかというと、2Qが繁忙期であることは間違いありませんが、去年のデータを見ていただくと、2Qをピークに、3Qと4Qもほぼ同じぐらいの利益水準となっていると思います。ヒントとして見ていただくと、かなり改善の余地があるものだということがわかっていただけるのではないでしょうか。
あとは上半期が終了した時点で、やはり今回お伝えしたことが正しかったなと思っていただけるように努めたいと思います。

投資家の皆様へ
まずは皆様の貴重なお時間をいただき、本日はありがとうございました。毎回同じことをお伝えしているのですが、もし今日の説明を聞いて、当社に興味を持っていただいたり、応援したいと思っていただけたら、まずはOpenWorkを使っていただけると嬉しいです。当社は自社のプロダクトに大変自信を持っておりまして、実際に使っていただくと、これは応援したくなるサービスだと思っていただけると思います。ですので、ぜひ興味を持っていただいた方には、OpenWorkを使っていただいて、やはりOpenWorkはいいぞ、となっていただけたら、ぜひ応援いただけますと幸いです。

本日は夜遅くまで、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

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