2024.9.25に開催致しましたギークス(7060)IRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。
代表取締役CEO 曽根原稔人 様
IRセミナー

皆様はじめまして。ギークス株式会社の代表、曽根原でございます。本日は遅い時間にもかかわらず、弊社の投資家向け説明会にご参加いただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。
今日は時間に限りがありますので、早速、弊社の各事業の概要のポイントを説明させていただきます。その後に8月に発表しました第1四半期の決算発表に基づいて現状のギークスの業績、また足元をご説明させていただきます。そのうえで、私どもが今後取り組もうとしている戦略についても少し触れさせていただきます。よろしくお願いいたします。
会社概要


最初にギークスとはというところからご説明させていただきます。細かい会社の概要の前に、私どもがどのような取り組みをしているかですけれども、「日本のIT人材不足を解決する会社」、というキーワードで今日覚えていただければと思います。具体的には後ほどご説明しますが、このIT人材領域というものを一丁目一番地として事業展開を行っております。
ITフリーランスのスキルをシェアリングすること、外国のIT人材を活用すること、また日本国内や海外の非IT人材をIT人材に変えていく、リスキリングしてIT人材を増やしていこう、といったことをグローバルに展開している会社でございます。

続いて会社概要でございます。設立は2007年8月23日で、まだまだ若い会社であります。現在の本社、本日ご説明している場所は東京渋谷のスクランブルスクエア、WeWorkの中に本社拠点を構えております。従業員数はスライド下方にございますが、2024年6月30日時点で278名となっております。拠点は東京本社、大阪、福岡、名古屋と、また海外ではオーストラリア、フィリピンに拠点を構えております。
次に業績でございますが、2024年3月期決算では売上高で237億3,900万円というグループ全体の売上高になっております。事業構成は右にございますが、国内のIT人材事業、IT人材事業の海外Launchと連結子会社です。続いて国内の連結子会社Seed Tech事業、こちらは一部孫会社でフィリピンの会社を活用しているグループ会社でございます。売上高の約60%は国内IT人材事業が占めております。後ほどご説明しますが、前期の業績の中で利益は、ほぼ国内IT人材が占めているという状況でございました。

では、各事業についてご説明させていただきます。まず国内IT人材事業、「働き方の新しい当たり前を作る」とございます。この事業のコンセプト、キーワードとして展開しております。

具体的には、ITフリーランスに特化した人材エージェントであり、プラットフォームを持つビジネスでございます。現在、私どものデータベースには2万人強のITフリーランスの方々が登録されています。彼らとIT人材が不足している企業様をマッチングするビジネスでございます。
現在、企業様はIT人材不足でなかなか人材獲得ができない中、私どもは社員の採用という選択肢だけではなく、フリーランスの活用という選択をしていきましょうと提案しております。それにより企業様のIT人材不足を少しでも解消できるのではないかと、フリーランスの方のお仕事を探すことと、企業側のIT人材が足らないところをマッチングするビジネスでございます。
同時にこのITフリーランスと長くパートナーシップを持つというのが、このビジネスの肝になってきますので、彼らの仕事を探すだけに限らず、ITフリーランス向け福利厚生といった言い方をしておりますが、仕事を探す以外の周辺サポートをできるようなサービスを提供する取り組みもしております。
まず左側のギークスジョブという私どものウェブサイト。常時1,500件以上の案件を保有しておりますが、年間約1,400名のITフリーランスが登録されます。実際ウェブから応募される人数はこの3倍~4倍ですが、登録には一定のハードルを設けておりまして、実際に登録される人数は大体年間1,400名となります。
こういったフリーランスの方と、右側の顧客企業、過去取引があった企業3,630社ですが、IT人材を必要としている会社は、IT系の成長企業、インターネット系の会社で様々なサービスを提供している会社、あとはSIerと言われるIT事業者、各種業務系システムの開発を行う会社、こういった会社にIT人材は集中しています。
私どものクライアントもそのような会社と、最近はDX・IT戦略として、事業会社の中でIT部門を持つ大手企業も増えていますので、そういったクライアントも増えていますが、まだまだ多くはこのインターネット系のサービス会社やシステム開発会社に、私どもフリーランスをマッチングするという提供を行っております。
そして下段のフリノベが、先ほど申した福利厚生サービスです。これは私ども自身が直接サービスを提供するのではなく、フリーランスの皆さんの助けとなるような企業との提携を増やしています。下に提携企業44社とございますが、例えばフリーランスの方が利用する会計ソフトを割引で使えますし、インフルエンザのワクチン接種も無料になり、銀行でローンを組みたい、住宅ローンを組みたいという際に手数料が割引されるなど、フリーランスの方にとってメリットになるような企業様と提携しております。
イラストの中央にございます、私どもがここで介在する価値ですが、もちろんマッチングというのはメインです。また、フリーランスの方からすると、フリーランスとして活躍するには様々な企業と取引をするのに全ての企業と契約が必要になり、結構大変です。フリーランスの方が弁護士を抱えているということでもないため、リーガル的なリスクもあります。
そのため私どもが介入することによって、フリーランスの方はギークスとの契約だけを見ればいいという形で、リーガルリスクをなくしています。ギークスがその他の企業全てと契約をするといった商流形態をとっておりますので、こういった部分でフリーランスの方にとっては非常に守られている、安心をしていただけるサービスになっています。
更に、プロジェクトが始まると、契約が発生した後に注文書や見積書、または請求書など、様々な帳票がシステム上で動いていきます。こういった仕組みもフリーランスの方はメインの仕事に集中して行えるために、企業で言うバックオフィスにあたる機能、ここも全て私どものシステム内で完了するというような形をとって支援しております。
同時にメンターとしてのサポートも重要です。私どものデータベースのフリーランスの方と長く仕事をしていく中で、彼らのキャリアをサポートする。今後はどのような技術を取得していると良いか、現在自分の市場価値はどうなのか、企業はどのようなことを求めているのかといった情報を私どもは持っています。彼らのアドバイザーとなり、このような情報を元に様々なご説明をしています。また、彼ら自身は先輩や同僚、後輩がおらず組織に所属していませんので、様々な相談事、プロジェクト中のお客様との対峙の中で何らか問題が起きた場合も、私どもが全てサポートしております。
一方で企業側にもアドバイザーとしてコンサルティングしております。どうしても採用がうまくいかない、人材が獲得できないという企業に向けて、人材が必要な期間に必要な技術力を活用していきましょうという提案をしています。
企業には社員として雇用するのみではなく、繁忙期にはフリーランスの方の手を借りることや、例えばシステムがリリースされた後の運用期には逆に人員のコストコントロールができますので、フリーランスをしっかり活用することが今後のIT系企業にとっては重要なファクターではないかと提案させていただいております。
このようにギークスのプラットフォームで両者のマッチングを行っております。以上が私どものメインの事業、国内のIT人材事業になります。

続いて、グループで次に売上の影響のある海外IT人材、Launchグループです。オーストラリア、シドニーに本社がある会社でシドニー・メルボルンを中心に活動しているIT人材の会社です。私どもがM&Aをして連結子会社となった会社です。
オーストラリアが日本と大きく異なる点の一つですが、オーストラリアにはグローバルの企業が多く進出していすので、IT人材がシステム開発会社やインターネットサービス会社に集中しているわけではなく、各事業会社におります。そのため、クライアントはほぼグローバル企業に直取引、またはオーストラリアのガバメントの設計の仕事に直接IT人材を出しています。オーストラリアではカジュアル雇用という言い方をしますが、日本でいうフリーランスのような形でIT人材と企業をマッチングする事業を行っています。
サービス形態は大きく二つございます。まず通常の派遣契約です。例えばNOKIAに一人の人材を派遣するような日本の人材派遣に近いモデルです。
もう一つはMSP契約というモデルがございます。こちらは日本では馴染みがないのですが、マネージドサービスプロバイダーと言い、企業側のIT人材調達窓口の運用を任されるサービスになります。例えばこの図で一番上にアクセンチュアがありますが、アクセンチュアが今期これだけのIT人材を採用していくという中で、採用窓口自体をLaunch社が一括で担います。もちろんLaunch社の登録人材も活用しますし、他の人材会社の人材も、Launch社を経由しなければアクセンチュアのプロジェクトに入れないという形になります。
これがMSP契約で日本ではなかなか馴染みがありませんが、入札形式でこの窓口を取っていくというようなビジネスになります。契約を取ると、その年間の売上がおおよそ確定できます。自社の人材と他社の人材を活用しアクセンチュアの今期の人材の採用を進めていくビジネスです。
Launch社はMSP契約で自社開発したVMS (Vender Managment System)というシステムを使用します。こちらで人材の採用情報、採用プロセス管理、労務管理や人材会社の管理までを一気に行えるシステムを所有しておりまして、VMSを所有していることが入札時の一つの強みになっております
Launch社はオーストラリアで2006年に設立された会社で、年次としてはギークス本体のIT人材事業と同じぐらいになります。クライアントをご覧いただくと、日本の企業のトヨタもございますし、スイス生命やAmazon等、幅広くグローバル企業と取引をしております。以上がオーストラリアで展開しているLaunchグループでございます。

続いてSeed Techでございます。まだ規模は小さいですが、今後大きく育っていくと考えております。
具体的な事業内容ですが、まず図の右側上部、世界標準の事業共創ラボ型開発支援というキーワードを出しております。主に現在はフィリピンのオフショアまたは日本国内のニアショアで、IT人材が足りない、即効性という意味では国内のITフリーランスのご紹介をしていますが、中長期的に自分たちの開発ラボを作っていきたいという企業に向けては、私どもは一からのチームづくりをフィリピンの拠点を活用し、コストを抑えながらお手伝いしています
フィリピンでのIT人材の採用やチームの育成をお客様と一緒に行っていく。このラボを更に大きくしていこうというものでございます。国内の場合は地方で、現在メインに行われている神戸を中心に、私ども自身がIT人材を集めてラボ化していく、またはIT人材を育成して作り上げ、チームにしてラボ化する、といったことを行っているサービスです。一般的にオフショア開発、ニアショア開発と言いますが、そのチーム作りからお手伝いするサービスがメインです。
続いて、育成というキーワードです。DX/IT人材育成サービスの「ソダテク」を、SaaS型でB2B2C、企業内個人向けに提供しています。企業の中でどのようにIT人材を育成していいか迷われている企業のための育成ツールを全てオンライン動画で提供しております。現在400以上のコンテンツ、200時間以上の豊富なカリキュラムとなっております。様々な内容があり、プログラミングに関するもの、セキュリティに関するもの、またはAIに関するもの等のカリキュラムを用意しております。動画で分かりやすく、このようなツールを企業向けと個人向けに提供するサービスも行っております。更に私ども自身もこのツールを活用しながら人材育成をしております。
フィリピンという場所を活用してグローバルで活躍できるエンジニアを育成しようと、オフラインのITエンジニアの育成スクールを運営しております。退職や転職の間の3ヶ月から6ヶ月間にフィリピンで英語とプログラミングをしっかり学ぶことが出来ます。以前は営業職や企画職だった、またはバックオフィスで仕事をしていたという方でも、その経験を活かして帰国後はIT人材として転職をするという方も増えてきております。
こういったオフラインの留学サービスも提供しております。英語も同時に学ぶことが出来ますので、場合によっては将来的にフリーランスになれば、いわゆる日本に限らず、いろんな拠点、世界にいながらいろんな仕事をオンラインで受けられる。このようなオンライン・オフラインでの人材育成でゼロからの非IT人材をIT人材に変えていく、ということを展開しているのがSeed Techでございます。

続きまして2025年3月期通期決算時に発表した近期の計画についてご説明いたします。当社の決算期は3月末です。グループ全体の売上高は国内IT人材がしっかり伸びていきますので、全体で263億円という売上高目標を出しております。前期比でプラス10.8%となります。
営業利益につきましては5億5千万円で、中長期的な新規投資1.5億円を含んでおります。新規投資を盛り込んでも5.5億円と、しっかり利益を出していけるという形でございます。経常利益で5億4500万円、当期純利益は3億3600万円で、前期の利益が出なかったタイミングから今期は少し利益が伸びてくるタイミングになっております。こちらも後ほどご説明させていただきます。

はい、では全体の計画に対しての内訳です。
まず国内IT人材です。売上高で158億円、セグメント利益で12億8千万円を計画しております。売上・利益ともに10%を超える伸び率という形で今回計画を公表しております。引き続き国内IT人材は市場のニーズも強く、伸ばしていけると思います。
次に海外IT人材です。売上高が100億円、利益はゼロという計画です。
今期が連結2期目となり、1期目でも売上高100億円の計画を出しておりましたが、着地70億円となりました。これは先ほどご説明したMSPという大きな契約の受注タイミングが大きくずれたことによって、24年3月期に寄与されなかったという理由がございました。本日事前にいただいたご質問にも売上の目標が高いのではないかとございましたが、MSP契約が前期末に受注でき、その売上がしっかり寄与するため、今期の計画は改めてもう一度100億円という計画を出させていただいております。
続いて利益についてですが、現在オーストラリアのマーケットは直近1年程人材マーケットにおいて厳しい局面に入っております。そういった環境下もございますが、今期は社内でも組織の再構築を行なっております。新CEOの就任や組織強化を実施しております。計画通り組織の改変は順調に進んでおりますが、その分のコストも鑑みて、利益は慎重に計画しております。
続いてSeed Techでございます。SeedTechは売上高が前期2.8億円から今期4億円の計画値と、セグメント利益については今期5千万円と計画しております。前期までは一部「ソダテク」のツール・コンテンツ開発に投資をしておりましたが、今期は利益を出していこうと考えており、売上高に対してセグメント利益5,000万円としております。まだ規模は小さいのですが、グループの中で売上の伸び率も一番高くなっています。
続いて新規投資1.5億についてです。事前に資金使用用途についてご質問をいただいておりましたが、主に戦略としているM&Aに係る手数料等の費用、また新規事業をスタートする中で必要な人件費などを盛り込んで1.5億円としております。
そのほか全社でかかる費用も計画を出しております。
業績ハイライト


では25年3月期の第1四半期の決算についてご説明いたします。売上高は58.2億円、利益は8,000万となりました。四半期毎の計画は開示しておりませんが、社内の計画に対して、計画通り進捗しております。国内IT人材、海外IT人材ともに計画通りの数字で進捗しております。国内IT人材は、この四半期の売上高36.9億円は過去最高となりました。
Seed Techについてもオフショア開発を中心に堅調でも計画通り推移しているという状況です。中長期的な戦略に沿ったM&Aやソーシングについては、まだこの第1四半期では先ほどご説明した1.5億円は活用しておりませんが、ソーシングや人材採用を進めていい形で進んでおりますのでこちらも順調に進捗中でございます。

続いて四半期毎の売上高と営業利益の推移です。ここで一つご説明ですが、前期まではグループにG2Studiosというゲーム制作会社がございました。従業員約250名、外部人材が約280名の、スマートフォン向けのゲーム制作会社です。24年3月期の3月末時点で事業売却をしております。よって今期はゲーム事業の売上は計上されていません。第1四半期の売上高は、前年同期比マイナス2%となっておりますが、ゲーム事業の売上がなくなっていますので、前期の売上高からゲーム事業分を差し引くと前年同期比がプラス8.2%となり、売上高も伸びております。

続いてEBITDAと営業利益です。こちらにつきましても、第1四半期の営業利益8,000万と前期から伸びております。2024年3月期は四半期によって赤字が出たり、利益がデコボコしておりました。IT人材事業ではここまで激しいボラティリティは出ませんが、前期2年間程はゲーム事業のボラティリティにグループ全体が引っ張られる業績となっておりました。
去年1年間ははまだゲーム事業がございましたので、第1四半期、第2四半期は黒字なのに第3四半期から赤字になるという、このようなボラティリティがございました。しかし、現在はゲーム事業が連結対象から外れましたので、昨年の第3四半期から徐々に右肩上がりになっていますが、今後この第1四半期、第2四半期以降もどんどん右肩上がりにしていこうと計画しております。グループの事業ポートフォリオの入れ替えがございましたので、利益改善され、今期この第1四半期から結果から出せております。

第1四半期のセグメントごとの状況でございます。まず国内IT人材の売上高は過去最高を達成しておりますが、国内IT人材は新卒採用も中途採用も積極的に行っておりましたので、人件費が嵩んでくるタイミングとなりました。それでも営業利益は2.9億円を確保し、しっかりと利益を出しながら順調に進捗しております。
続いて海外IT人材です。Launchにつきましては売上高20億円で、前期と比較すると売上高は伸ばせておりますが、先ほど申し上げた通り、費用の発生がございますので、そういった影響もありセグメント利益がマイナスとなっております。ただこちらに関しても、現状のタイミングにおいて計画通りの数字でございます。
続いてSeed Techです。売上高7,200万円、今期は黒字計画を出しておりますが、第1四半期までは赤字になります。ただ第2四半期以降はしっかり黒字にしていこうという計画を持っておりますので、通期計画では売上高4億円と営業利益5000万円は出していきたいなと考えております。費用面では想定通り、適切なコストコントロールができていると考えております。
それでは国内IT人材の詳細についてご説明申し上げます。まず国内IT人材の新規のITフリーランス登録者を集めるためや企業向けに広告宣伝をしております。しかし、今期については前期までの広告宣伝費と比較して費用を抑えております。前期まではタレントを活用するマス向けの広告を様々に展開しておりましたが、今期はそこをぐっと抑えております。一方で採用等により人件費等は増えておりますが、セグメント利益率は8%となっております。広告宣伝費は抑制しながらもしっかりフリーランスは集客して事業を伸ばすことができております。テイクレートは17.6%と、一時期は18.8%や19%程の数字を出しておりましたが、皆様もご存じかもしれませんが、インボイス制度というものがスタートしております。そこを鑑みて従前より単価を上げておりましたが、いわゆるインボイス制度のスタートで私どもはITフリーランスの消費税分を一部負担しておりますので、現状だいたい17.6%を維持する状態となっております。
続いてIT人材の稼働人月数と受注単価です。フリーランスの方へどれだけ発注しているか、その分どれだけ受注しているかに繋がりますが、第1四半期では合計4,626人月のトランザクションを対応しております。受注単価は82.4万円です。今回、前期の第1四半期から221人月伸ばせておりますが、前四半期の24年3月期の第4四半期からこの第1四半期については伸びが鈍化しているように見えます。冒頭にご説明したインターネットサービス系の会社やシステム開発会社がクライアントにいますが、比較的私どもは前者が非常に多かったのですが、現在スタートアップの会社を含めて資金調達の厳しさや、人材に資金を投下できない会社も増えてくる中、システム開発会社、いわゆるSIerと呼ばれる会社が大きな案件を取れて成長しております。
ここに人材の需要が強くなっているので、クライアントの中で業務系開発会社の割合が多少増えてきています。業務系の開発会社が増えると期末影響を受けやすくなります。3月末、6月末、9月末、12月末、という期末タイミングにプロジェクトの予算終了や見直しが入りますので、プロジェクトの終了率も上がっています。今回第4四半期から第1四半期のタイミングでも同様となっています。
一方で足元の状況は、伸びてきております。業務系の開発が増えるとシーズナリティが多少出てくるといったところはご理解いただければと思います。受注単価については需給バランスの影響で82.4万円と前年同期比で3.2%上昇しています。
また、私どもが公表している案件倍率は7.5倍となっております。7倍あるとやはり需要がかなり強い状況なため、企業もそれなりの予算を組んでいなければ、なかなかフリーランスに仕事を受けてもらえない状況になってきます。そういった点で企業側には何かあるときは予算を多く確保しておいたほうがいい、そうでなければなかなかフリーランスを確保できないというようなアドバイスも行なっております。フリーランスの方自身も案件の内容とそれに対する対価がどのようなものかを見ていきます。こういったところのアドバイスもしながら私どもはマッチングしております。今のマーケットの状況からすると、単価は上昇傾向にあると思います。
続いてフリーランスと企業の状況でございます。まず第1四半期の新規取引企業は37社増えております。累計で1,659社。先ほど累計の数値は出ていますけれども、2017年からの新規取引企業が1,659社となります。ITフリーランスの登録者数は419人ということで、広告宣伝費を去年第1四半期に比べればかなり抑制していますが、それでもこれだけ集められています。うまく広告宣伝費を抑えながらも、着実に集められています。弊社のブランディングももちろんできていると思いますし、登録のフリーランスの方へのケアを強めておりますので、フリーランスの方のご紹介もかなり増えてきております。このようにフリーランスの方をしっかり効率的に集められているとご理解いただければと思います。
事前にいただいたご質問の中に、なぜ広告宣伝費を抑えているのですかという質問がございましたが、2年間マス向け広告でかなり費用を投下しましたが、登録されているデータベースのフリーランスと長くビジネスをしていくことが重要です。毎回広告宣伝で新しい人材がいないとビジネスにならないというモデルではないため、私どもの採用戦略も含めて一度マス向け広告を行いましたが、今期はそこまでお金をかける必要はないと考えております。これまでの経験値に基づいた判断で、今後もしっかり費用を抑えながら事業を伸ばしていきたいと考えております。
続いて海外IT人材、Launch社でございます。売上高は伸びていますが、セグメント利益の部分で組織改造の部分もありますが、新たに受注したMSP契約が前年持っていたMSP契約と比較して粗利率が多少低下しております。低い利益率での契約となっている影響もあり、組織に掛かる費用を賄えていないといったところで、今回この四半期は営業利益がマイナスとなりました。
一方で今年の4月から、経験のある新CEOを採用できておりますので、このCEOのもと組織再構築と、良い人材コンサルタントの採用も進めております。今期まではまだ市場は厳しいと思っていますが、来期以降はしっかり伸ばしていけると考えております。

最後にSeedTech事業です。オフショア開発は好調です。また、コロナ中はオフラインでのフィリピン研修はなかなか出来ませんでしたが、コロナ明け以降、フィリピンでのオフライン研修をB2CのみならずB2Bでも行っております。法人の留学ですね、法人の中の個人の留学や、あとは大学・学校の個人の授業もございます。夏の留学ハイシーズンには、今年は皆様にオフラインで来ていただきましたので、売上も伸びております。第1四半期セグメント利益は-1,300万円となっておりますが、第2四半期以降はしっかり黒字計画とし、通期計画である売上高4億円、セグメント利益5,000万円を達成できるよう、尽力しております。
中期成長戦略


ここまでが第1四半期の弊社の業績になります。ここから中期成長戦略というスライドを入れております。先ほどのご説明の中でゲーム事業の売却があったと申し上げましたが、現在ギークスグループの一つのターニングポイントでございます。以前は中期経営計画を公表しておりましたが、ゲーム事業の売却などもございましたので、一旦計画は取り下げさせていただいております。事業ポートフォリオを変えていくタイミングで、新たにギークスグループで現在持っているアセットにプラスし、どのようなことを展開していくのかについて少し触れさせていただきます。この辺りの計画が走り出したら中期経営計画を形にしてお渡しできたらなと考えております。
ではその戦略でございますが、まず今までのご説明通りインターネット系サービス事業者、こういったクライアントが多くいらっしゃいます。国内IT人材は、フリーランス事業だけで全社で140億を超える企業に成長をしてきました。先ほどから私どもがご説明しているIT人材、IT領域の中のフリーランスや、IT人材の育成、開発ラボを作る等、人材供給側で当社はビジネスを展開してきました。
ここから先は更なる成長に向け、今回のポートフォリオの切り替えによってどこを目指すかと言うと、積極的なM&Aや、社内で一からの事業創出、人材を採用しての事業創出、様々な形をとりながら事業会社のDX/IT人材、また組織コンサルティング、ITコンサルティングである等、こういったシステム開発における上流領域を目指します。これまでの人材供給領域から上流のレイヤーをギークスグループの中で担っていこうと考えております。
国内でのIT投資が継続してされる中で、当社はフリーランスのIT人材がいますが、上流を抑え、ITフリーランスや外国人人材、これから育成する人材の活躍できるフィールドを我々自身で作っていこうという戦略です。

新たな事業領域とありますが、これまでドメイン1、ドメイン2まで実施してきており、次がドメイン3です。人材供給領域からソリューション提供を行っていこうと思っております。いわゆるエンタープライズ向けの超大手企業は大手のコンサルティング会社がしっかりサポートしていると思いますが、ミドルレンジの会社さんに関してはまだまだDX/IT化の進みが遅いと私は感じております。こういった課題を僕らの持っているフリーランスのデータベースのアセットを活用しながら、コンサルティング領域からサポートして、DX/IT化を進めていけるのではないかと考えます。自社システムを作る際も、ITフリーランスを活用しながら開発していくことが十分可能だと考えておりますので、この中期成長戦略に沿って採用やM&Aといった形で進めています。
もう一つ、現在はフリーランスに特化していますが、国内で私ども自身がIT人材を社員として採用する、中途採用または未経験者を採用して育成することを考えております。雇用した人材が将来的にはフリーランスになり、私どものデータベースの中で活躍することもできます。このような雇用した人材を活用したサービスも実施しようかと考えております。開発領域に入っていく、そういったこと目指そうかなと考えております。

中期成長戦略については駆け足になりましたが、ゲームセグメントがなくなり、新たなIT人材領域でのITコンサルティングと開発、そして今まで蓄積しているIT人材供給や育成の能力をグループの中で統括し、今後の日本のIT人材不足を支援していこうと考えているのがギークスグループでございます。
以上、ちょうど45分くらいになると思いますので私からの説明を終わらせていただきます。ご視聴ありがとうございました。
質疑応答
Q. ITフリーランスで広告宣伝費を抑制している理由を教えてください。こちら抑制して1.3%ほどの広告宣伝比率となりますが、ご回答お願いいたします。
A. ITフリーランスの広告宣伝費を抑制している理由ですが、もともと私どもの事業は、フリーランスの登録者数、新規の登録人数が倍になったから売上が倍になるものではありません。例えば人材派遣事業のように、登録者数が何万になったら、人数が増えたから絶対売上が上がるという仕組みではありません。私たちが広告費を増やした理由というのは、登録のフリーランスを増やす、また新たな新規企業を増やすという目的もございましたが、それ以上にギークスのIT人材部門で働く人材、これから更にこの事業を拡大していくために、社内の人材の採用強化目的がありました。
技術者さんや、企業にはギークスの名前の認知はされ始めていたので、転職しようと思う人たちに私どもの会社についてもっと知ってもらおうと、ギークスという会社を知ってもらおうと、電車やタクシー広告など、様々なところでタレントを活用した広告をしたことにより、実際に採用数が増えました。ここに戦略投資をしたかったため、費用を増やしていました。なので、ITフリーランスを集めるための広告を減らしているわけではなく、主に採用向けの投資をしていたとご理解いただけたらと思います。
Q. 今後の成長戦略でM&Aをしていきますというお話がありましたが、適正な取得価格でM&Aを検討しても候補は現れるものなのでしょうか。いい企業でしたら他の企業さんも狙っているので、なかなか難しいのではないかと感じました。
A. おっしゃる通りですね。何をもって適正かというところもあると思いますが、私どものIT人材会社、またこの2000年以降、インターネットサービスでいろいろ伸びた会社もありますが、やはりITに限らず人材事業は非常に伸びてきております。最近タイムシェアの新たなビジネスモデルの会社の上場がありましたが、各社人材事業を始められる会社も増えていますので、正直M&Aでコンペになることも多くございます。
その中でも、私どもは業界に長くいるので企業の見方というか、ポイントを押さえております。一番高い金額を出せば何でも買えるかもしれないですが、そういった買い方をするのではなく、もっと細かな事業のディテールを見て、私どもとのシナジーを見ながら、急ぎつつも検討は時間をかけて進めていくという方針で行っています。
Q. 主に顧客企業というのがIT系の成長企業とされているのはなぜでしょうか。例として、成長企業でなく大企業をターゲットにすると利益率が良くなると思います。
A. 大手企業の定義によっても変わると思いますが、いわゆる大手企業が直接フリーランスと契約するという行為は、最近一部私どものクライアントにされていますけれども、基本的に大手企業というのはコンサルタントが入ったり、またSIerと言われるような企業である日立製作所、富士通、NECだったり、NTTデータ、そのような大きな会社にシステム開発を依頼している状態なので、直接フリーランスと自分たちでチームを組成して何かを作ることはあまりされていないと思います。そのため、そこを開拓するというのは多少難しいのではと思っております。
Q. 海外IT人材の目標というのが71億から100億円と39.6%増というのは少し高いように感じます、なぜこのような目標になったのですか。
A. 前期に当初想定していたタイミングで受注できなかったMSP契約の受注があると申し上げましたが、そちらが前期末頃受注できましたので、今期においてはその売上が寄与するため、売上高目標を設定しております。元々はもう少し低めの数字の予定でしたが、受注時期がずれたため、前期はMSPの新規受注分の売上への影響は少なかったのですが、今期はしっかり貢献してくるため、この計画を出しております。
Q. 1億5000万円を新規投資として計画されているとのことですが、どの分野で投資をされますか。これはM&Aということでよろしいのでしょうか。
A. はい、あとはその他に新しいことを始めるための人材採用等です。
Q. 一つお伺いしたいのですが、今IT系の企業様の話を聞くと、人材を確保するのは大変だというお話を結構いろんなところから聞かせていただくのですが、そのようなことはギークス様では今のところは心配とかないのでしょうか。
A. ITの人材の採用ですか。そうですね、ちなみに先ほど申した新規事業の人材の採用という意味では、ITのエンジニアではなくコンサルタントの採用を進めておりますので、エンジニアがいる、いないという話と異なります。こちらは候補が出てくると思います。
Q. ITフリーランス事業というのはギークス様の他にも上場会社でも同業他社というのは多々ありますが、シェアというのは大体何%ぐらいとか、その中でギークス様が強みというのがありましたら教えてください。
A. シェアは具体的に答えづらいところではありますが、ITフリーランスの私どもと全く同じ事業という意味では、規模的には私どもは国内の上場会社では最大ではないかと思います。
例えばクラウドワークスさんのようなインターネットを介した製作物など、こういったものとは多少モデルが異なりますので比べ辛いのですが、クラウドワークスさんのグループの中で行なっている一部の事業は当社と同じモデルだと思います。あとはサーキュレーションさんやツーストーンさん等です。ツーストーンさんは一部雇用された人材もいると思いますので、完全フリーランスではなく一概に比較できませんが、ITフリーランスのみという規模では私どもが一番大きいと思います。
また、当社の強みとしては、先行者メリットがあります。2001年の前身から取り組み、2007年からこの事業をスタートしているため、継続した強さがあります。また、フリーランスの働き方を支援するというコンセプトがあり、フリーランスとの長期的なパートナーシップを重視しています。営業チームよりCSと呼ばれるサポートの人員が多いなど、組織づくりとコンセプトの違いが、フリーランスから選ばれる理由になっていると思います。
Q. 海外事業というのは主にオーストラリアとなるかと思うのですが、例えばインドでの海外事業について参入を検討されていますか。オーストラリア以外でもこういう海外IT人材というのはできるのかなという質問になるかと思います。
A. そうですね、最近ではIT人材はバングラデシュで注目されているようですが、今現状、当社ではオーストラリアの会社を買収したばかりですし、現在オーストラリアの事業は立て直しをしている段階ですので、今すぐ新しい拠点への挑戦は検討していません。しかし将来的にはもちろん様々な可能性があると思います。
Q. 需要は旺盛とありますが、今年に入って何か競争環境の変化というのはあったのでしょうか。その中でギークスさんはどのようにして価値を上げていきますか。
A. 需要は強いのですが、競争環境の変化というのはあまりないです。先ほども少し申しましたが、私どもがこの事業で上場したことにより、フリーランスの方とのビジネスを企業側もよりしやすくなりました。上場会社としてプラットフォームを持ったエージェントになることにより、信頼していただこうという一つの目的がありました。近しいモデルのビジネスを後から始められて上場されている会社さんもいらっしゃいますが、その点についてはフリーランスが働くマーケットを各社で作っていると思っています。もちろん他社さんは競合になるのですが、競争環境という意味では大きな変化があると感じておりません。
私ども自身がフリーランス向けのサービスにより注力することによって、フリーランスに選ばれる会社となれば、他社に勝ってITフリーランスエージェントのナンバーワンを実現できるのではないかと思います。
Q. DXの取り組みについての仕事が一巡してしまうことはないのかお伺いしたいです。
A. 大企業はだいぶ進んでいると思います。ただ日本で大企業よりも更に企業数の多い、売上が数百億円から一千億円の会社のレンジのところは、まだまだDXへの進みは足らないかなと思っており、まだマーケットは大きいと思います。
Q. 基本的なことを教えてください。案件倍率とは一体何に対して倍率なのでしょうか。
A. アクティブに仕事を受けられるフリーランスの人数に対して、実際の企業の案件数です。仮に案件倍率7倍の場合はフリーランス1人に対して7件の案件があるということですね。
Q. フリーランスさんの仕事はあっても、案件を受けても断ってしまう、失注してしまうということは今のところないのでしょうか。
A. 案件を検討する過程の中で案件を受けないというのはフリーランスの方が決めますので、もちろん案件によっては受けないと言われるケースもあります。ただ他の案件で決まるケースがあります。
Q. 今ギークスを経営されている中で曽根原社長がプレッシャーに感じることは何かありますか。
A. 社長をしている方々であれば少なからず常にプレッシャーを感じるかと思いますが、現在ちょうど事業ポートフォリオを切り替えて、次の成長に向けて様々な試行錯誤しながら進めております。しっかりと実行していくことや、私のキャップの会社になりたくないと常に考えています。更なる成長で現状を超えていく、グループとして成長していくにはどうしたら良いかと考えているのが現在の私の頭の中ですね。
ここで止まってしまうような会社ではない、より成長させたいという思いがあるので、創業期よりも更に強いプレッシャーを感じています。
Q. 売上高利益率が低いように感じますが、なぜでしょうか。263億円の今期の売上予想で、大体2%ちょっとの営業利益というのは低いのではないでしょうか。逆に言えば利益率が改善されば企業評価も時価総額とか株価も大きく変わると思います。
A. おっしゃる通りだと思います。国内IT人材だけであればそこまで悪い利益率だとは思いませんが、海外のIT人材ですね、規模がある割には利益が出ていない事業もあり、少し足を引っ張ってしまっています。そのため、グループ全体で見るとやはり利益率は低いのではないかと言われても致し方ないかなと思います。
海外IT人材の利益率改善もそうですし、先程申した上流工程のITコンサルやシステム開発、雇用人材・人材育成等のビジネスをスタートさせることによって、こちらの利益率は高くなっていると思いますので、利益が出やすくなるかと思います。
Q. 価値創造サイクルにおいて、「新しい働き方の新しい当たり前を作る」とありますが、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
A. これは当初からのコンセプトで、「フリーランス」という言葉も今では皆様も馴染みが深くなっていると思いますが、10年以上前、フリーランスは信用できない人材ではないか、フリーランスとは取引できないと言われたこともありました。
しかし2000年以降インターネット産業が伸びて、インターネット企業でITエンジニアという職種を選択して就職する方も増えてきた中で、転職マーケットにおいても2005~2006年頃から流動化されてきています。その先に個人で働く方、手に職を持って個人で働く方が増えるだろうと私どもは想定してこの事業を行っておりました。
そのため、彼らの新しい働き方が今後当たり前になるものだと、コンセプトにして立ち上げました。実際安倍内閣の時代に働き方改革というキーワードの中でフリーランスというものが世の中に認知され、そして私どもが行なっているビジネスにも注目が集まってきております。
実際にどのように当たり前を作るかという点では、先ほどのフリーランスになる人材やフリーランスになることへの障害となるような状況に対して、例えば仕事がないのではないかという不安や、ローンが組めないのでないかといった様々な不安を持っている方もいらっしゃいましたので、そこを払拭するのがギークスであろうと考えています。お仕事もご紹介しますし、仕事以外の周辺サポートもする。雇用されなくても大丈夫だと、自分の技術、スキル、手に職でしっかりビジネスとして展開していただければ、会社員でいなければいけないということもなくなる。こういった新しい働き方を当たり前にしていこうと、僕らが現在行なっているビジネス全体がまさに当たり前を作る取り組みだと思います。
Q. ギークス様に応募するフリーランスの方で、能力がまだ足りてないけどフリーランスになりたくて募集されてしまう方も出てくるかと思うのですが、そういった方はどのようにして見極めを行っているのでしょうか。
A. そうですね、ウェブからの応募が多くあるのですが、全ての方がご登録になっているわけではありません。現在は若い20代前半の方でもフリーランスで十分活躍されている方が多く増えてきていますが、一方でIT人材でも現在はそれほど需要のある技術ではない古い技術、例えばITと言っても仕事が減っているスキルでフリーランスになろうという方は、なかなか仕事を見つけるのは私どもとしても難しいと感じています。やはり新たなスキルを身につけてから仕事を探さないとご紹介できませんよ、というようなお話をさせていただくこともあり、能力が不足しているというよりは、比較的そちらの方が多いと思います。
Q. インボイス制度が導入されまして、それによりフリーランスの収入というのも変化すると思うのですが、それによりギークス様の粗利額や粗利率がどのように推移したのか、ご回答できる範囲でご教授ください。
A. まずフリーランスの収入は現状では影響がないと思っていただいて良いと思います。細かい数字を申し上げることはできないのですが、私どもの現状稼働しているフリーランスの方で、いわゆる登録事業者になられた方というのは約20%です。逆に80%程は登録事業者になっていない状態です。現在軽減措置が設けられている期間ですが、ギークスは少し負担をしているところがあります。よってフリーランスとしては収入変わらず今まで通り仕事ができている状態というところになります。この負担が大きくなってきた場合、私どものどこまで負担できるかは今後見定めなければいけないところです。
Q. セグメントが国内IT人材事業、海外IT人材事業、あとSeed Tech事業とありますが、競合他社や、ベンチマークにはどこを見られているのか。その会社との競争優位性を教えてください。
A.具体的にここという会社はないのですが、皆様マーケットを見ていらっしゃると思いますので、分かりやすいところでは、入り口は少し異なりますが、同じように上流工程に進んで成長された会社でシフトさんという会社があります。シフトさんは元々デバッグという領域からスタートされているのですが、そこからどんどん上流の開発やコンサルまで、上積みを伸ばした会社です。私たちのIT人材の供給領域を持ちながら上流領域に入っていく成長の形は、シフトさんの形が近いのかなと思います。
Q. 平均受注単価が82.4万円と少しずつ上昇していく傾向にあるのですが、今後も受注単価のさらなる上昇の余地はあると考えてよいのでしょうか。
A. 今のマーケットの状況から見ても、この単価はまだ上昇傾向にあります。以前、大体いつのタイミングで80万円を超えると予想したタイミングとほぼ合致しています。上昇率は私どもの読みに合っているので、今後も上昇はまだあるかなと思っております。
単価が上がると企業が依頼するのが難しくなるのではないかという点については、そのような傾向はございますが、一方でそれを言ってしまうとIT人材の獲得ができなくなってしまいます。現在各社社員の賃上げ運動も進めているので、コストを抑えたい気持ちも理解できますが、それ以上にIT人材のコストが上がってきていますので、その予算は取らなければいけないと思います。
Q. 社員のベースアップや報酬水準の見直しは取り組みされているのでしょうか。
A. そうですね、先ほど申し上げたマス向け広告を2年間行い、その間新卒採用もしております。新卒の初任給も大幅にアップする等行っており、全体的にベースアップに取り組んでおります。
Q. 技術領域としてITコンサル、PMO、システム開発というのを挙げていますが、例えばPMOだったら上場企業でやっている、ITコンサルでもコンサルティングでも様々な上場企業の同業他社、先行企業がある中で、後発で進出する中でどのような特色を出していきますか。新しい特色がないと既存の企業に先行者利益があるのかなと思います。
A. 確かに後発から入っていくのですが、まず一つ、マーケットとしてはまだまだクライアントとしてコンサルが必要な会社というのは多くあります。超大手のエンタープライズ高い単価の仕事を受けてコンサルというよりも、私どもはもう少し単価を下げた中でもしっかりサポートをしていきたいなと思うのが1点と、私ども自身が逆にコンサルだけして何もしないのではなく、開発機能を持ち、フリーランスも活用できることが一つ強みだと思います。または一部ラボ化すると等も含め、幅を持ちながら様々な提案をしていけますので、こちらは強みになってくると思っております。
Q. フィリピンの海外IT人材を駆使して東南アジアでプライム案件を取るなどの戦略はあるのでしょうか。それともオフショアがメインなのでしょうか。
A. 東南アジアでプライム案件を取るという戦略は現状ございません。しかし、M&AをしたオーストラリアのLaunch社でございました事例をご紹介します。オーストラリア企業はフィリピンをオフショアとして活用している企業が多くございます。今回、オーストラリアの日系企業案件では、一部開発案件を当社のフィリピンのラボで行いました。特に英語同士のコミュニケーションになるため、今後もこのような形は展開しやすいと思っております。
また、今後は日本人のフリーランスの方で英語が堪能な方に関しては、オーストラリアの仕事を受けることが出来ると、おそらく現在の1.5倍~1.7倍程の報酬を受け取ることができ為替も含めて良い影響があると思います。そういった点では、国内でフリーランス向けに海外の案件を持っている企業は他にないため、こういった特色を私どもが出すことができたら大きな強みや特徴になると思います。
Q. 今顧客企業が3,630社とありますが、業種がインターネット事業者というのがありますが、業種の中でも様々あると思います。そういった業種や規模ですね、大体従業員何名や売上等、規模に偏りというのはあるのでしょうか。この顧客基盤を3,630社から4,000社にする等、より増やしていきたいという戦略は重要視されているのでしょうか。それとも今ある企業様をより深掘りしていきたいというお考えでよろしいのでしょうか。
A. 業種規模は特に大きさや偏りはございません。先ほどご説明したインターネット系のサービス会社さんは、いわゆるSaaS系をされている会社さんや、ECを展開している会社さん等、または皆さんもご存じのサイバーエージェントグループや楽天グループ、GMOグループ等、インターネット系で大きく成長されたメガベンチャーの会社や上場されている各社さんがお客様です。
業種という意味では、何らかインターネットを介したサービスを提供している会社が主になってきます。あとは受託開発をしているシステム開発会社などの会社さんが顧客の基盤になっております。先ほど申し上げましたが、一部エンドと言われる事業会社からも徐々に受注が増えています。
もちろん顧客基盤の拡大、顧客を増やすことによりフリーランスで活躍できる人を更に増やそうと思っていますが、現状は案件数の方がフリーランス数より多い状態です。もちろんクライアントさんからのお問い合わせも少しずつ増えている状態ですが、まずは今いらっしゃるクライアントさんとの取引量を増やし、新たなクライアントさんであればそちらも対応するという状態です。戦略的に取引企業数のみを重視して増やそうとは考えておりません。
Q. 今ITフリーランスの国内事業は特化した形でプラットフォームを行っていますが、このプラットフォームの範囲について、例えばIT以外のフリーランスで横展開していき、とより幅を広げていくということもできるかと思いますが、そのような予定はありますか。
A.プラットフォームという点では、ITのフリーランス以外のフリーランスのプラットフォームやエージェントになるかということに関しては、現状のところは考えておりません。
投資家の皆様へ
本日は遅い時間にもかかわらず、多くの方にご参加いただきましてありがとうございます。先ほど利益がもう少し出るのではないかというようなコメントがございましたが、現在、ギークスグループのポートフォリオを切り替えております。新たにIT人材領域でグループの立て直しを行う、その第1期が今期だと思っております。
中長期での戦略をお話しさせていただきましたが、こちらも足元は順調に進んでいますので、しっかり今期、来期と計画を形にし、売上・利益ともに伸ばしていくよう頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。