高配当株に投資する人が増えています。配当利回りの高い銘柄は魅力的ですが、その配当が今後も続くかどうかを判断するために欠かせない指標が「配当性向」です。
■ 配当性向の基本
配当性向とは、企業が稼いだ利益のうち、どれだけの割合を配当金として株主に還元しているかを示す指標です。計算式は「配当金総額÷純利益×100」です。
たとえば、純利益が100億円で配当金の総額が30億円なら、配当性向は30%です。これは利益の3割を株主に分配し、残りの7割を企業内部に留保(内部留保)していることを意味します。
■ 適正な配当性向の目安
日本企業の配当性向は平均で30〜35%程度です。これが一つの目安になります。配当性向が50%を超えると、利益の半分以上を配当に回していることになり、やや高めです。
ここで重要なのは、配当性向が高すぎる企業のリスクです。配当性向が80%や90%を超えている場合、利益のほとんどを配当に使い切っており、設備投資や研究開発に回す資金が乏しくなります。また、業績が少しでも悪化すれば、配当を維持できなくなる「減配リスク」が高まります。
■ 配当性向100%超えの意味
稀に配当性向が100%を超えている企業があります。これは利益以上の金額を配当に回しているということで、過去の内部留保を取り崩しているか、借入金で配当を払っている状態です。一時的なケースもありますが、継続しているなら危険信号です。
■ 配当性向と配当利回りをセットで見る
高配当株を選ぶときに、配当利回りだけを見るのは危険です。配当利回りが5%と高くても、配当性向が90%であれば、その高配当は持続が難しい可能性があります。
理想的なのは、配当利回りが3〜4%程度で、配当性向が30〜50%の範囲に収まっている企業です。このゾーンにある企業は、利益に余裕を持って配当を出しており、今後の増配余地もあると期待できます。
■ 配当性向の推移と企業の姿勢
最近は「配当性向○%以上を目標」と明言する企業が増えています。中期経営計画やIR資料に記載されていることが多いので、確認してみてください。配当性向を段階的に引き上げている企業は、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
逆に、利益が増えているのに配当性向が下がっている(配当据え置き)企業は、成長投資を優先している段階かもしれません。これは一概に悪いことではなく、将来的な企業価値向上につながる可能性もあります。
配当性向は証券会社のサイトやIR資料で簡単に確認できます。高配当株に投資する際は、配当利回りとセットで必ずチェックしましょう。

