専業投資家の立場について、もう少し掘り下げて考えてみましょう。
「株で生計を立てています」と言うと、周りからの反応は実にさまざまです。「すごいですね!」と憧れの目で見る人もいれば、「ニートじゃないの?」と怪しい目で見る人もいます。実際のところ、専業投資家の社会的な立場って、かなりグレーな部分があるんです。
例えば、こんな場面を想像してみてください:
マンションを借りるとき
不動産屋「ご職業は?」
投資家「株式投資です」
不動産屋「え、じゃあ、定期的な収入は...?」
婚活パーティーでの会話
相手「お仕事は?」
投資家「株式投資をしています」
相手「(困惑)あ、そうなんですか...」
確かに、専業投資家は一般的な意味での「働いている」状態ではないかもしれません。でも、毎日市場を分析し、リスクと向き合い、資産を管理する。これって、れっきとした「仕事」じゃないでしょうか。
ニートという言葉の定義に照らすと:
- 職に就いていない?→でも投資で収入を得ている
- 教育を受けていない?→でも市場から毎日学んでいる
- 職業訓練を受けていない?→でも実践的なスキルを磨いている
つまり、専業投資家は単純に「ニート」とは言えないわけです。
一方、個人事業主としての側面を見てみると:
- 自己責任で収入を得ている
- 確定申告をしている
- 仕事に必要な経費がある
- 自分で時間管理をしている
これって、個人事業主っぽいですよね。
ただし、普通の個人事業主との違いもあります:
- お客さんがいない(相手は市場)
- 商品やサービスを提供していない
- 事業の拡大が必ずしも収入増につながらない
実は、専業投資家って「新しい働き方」の先駆けかもしれません。従来の「会社員vs個人事業主」「働いているvsニート」という二分法では分類できない、デジタル時代の新しい職業の形とも言えるでしょう。
大切なのは、「周りからどう見られるか」ではなく、「自分がどう生きていくか」です。専業投資家として:
- しっかりと納税している
- 社会保険にも加入している
- 計画的に資産を運用している
- 市場を通じて経済に参加している
これって、立派な社会の一員としての活動じゃないでしょうか。
結論としては、専業投資家は:
- ニートではない
- 伝統的な意味での個人事業主でもない
- でも、れっきとした職業
という位置づけが適切かもしれません。
大事なのは、肩書きや社会的な分類ではなく、実際にどんな価値を生み出しているか。投資を通じて市場に参加し、経済活動に関わっている。それは十分に意味のある「働き方」の一つだと言えるでしょう。
ただし、これは「投資で儲かっている人」の話です。「投資で損してるけど働いてません」という場合は...まあ、それはちょっと別の話になりますよね