生成AIの急速な普及により、「生成AI関連株」という言葉を目にする機会が増えました。しかし一口に生成AI関連株といっても、その中身は大きく異なります。特に重要なのが、「半導体」「クラウド」「SaaS」という3つの分類です。この違いを理解することで、どの企業がどの段階で利益を得るのかを整理して把握できます。
まず最も基盤となるのが半導体関連企業です。生成AIは膨大な計算処理を必要とするため、高性能なGPU(画像処理半導体)やAI専用チップが不可欠です。これらを設計・製造する企業は、生成AIの普及そのものから直接的な恩恵を受けます。生成AIブームの初期段階では、まず半導体企業の業績が伸びる傾向があります。いわば「生成AIのインフラを支える存在」です。
次に重要なのがクラウド関連企業です。生成AIは単体のパソコンではなく、クラウド上の巨大なサーバーで動作することが一般的です。企業が生成AIを活用する際には、クラウドサービスを利用するため、クラウド企業の利用量が増加し、収益拡大につながります。半導体が「計算するための部品」だとすれば、クラウドは「計算を実行する場所」といえます。生成AIの利用が広がるほど、クラウドの需要も比例して拡大します。
そして最も身近なのがSaaS企業です。SaaSとは、クラウド上で提供されるソフトウェアサービスのことで、生成AIを活用した機能を顧客に提供します。例えば、文章作成支援、カスタマーサポートの自動化、営業支援など、さまざまな分野で生成AIが組み込まれています。SaaS企業は、生成AIを活用することで製品の付加価値を高め、契約数の増加や単価向上によって成長します。生成AIを「実際のサービスとして提供する企業」がSaaS企業です。
この3つの関係は、建物に例えると分かりやすくなります。半導体は「基礎や資材」、クラウドは「建物そのもの」、SaaSは「建物の中で提供されるサービス」です。生成AIの成長は、このすべての層に恩恵をもたらしますが、どの層が最も成長するかは市場環境やタイミングによって異なります。
投資の観点では、それぞれの特徴を理解することが重要です。半導体は景気や設備投資の影響を受けやすい一方、クラウドは継続的な利用による安定成長が期待されます。SaaSは成功すれば高い成長率が期待できますが、競争も激しい分野です。
生成AI関連株を分析する際は、「この企業は半導体なのか、クラウドなのか、それともSaaSなのか」という位置づけを意識することで、成長の源泉と将来性をより正確に理解できます。生成AIという大きな潮流の中で、どの層に属する企業なのかを見極めることが、投資判断の重要なポイントになるでしょう。

