1. PERとPBRの基本
1.1 PERとは
PER(Price Earnings Ratio)は株価収益率と呼ばれ、株価が1株当たりの利益の何倍になっているかを示す指標です。
1.2 PBRとは
PBR(Price Book-value Ratio)は株価純資産倍率と呼ばれ、株価が1株当たりの純資産(簿価)の何倍になっているかを示す指標です。
2. PERの覚え方
2.1 語呂合わせ
「ペ(PER)ットの(と)エ(Earnings)サ(差)は(は)高い(Price)」
この語呂合わせは、PERが「Price(株価)」と「Earnings(利益)」の比率であることを示しています。
2.2 意味的連想
PERは「株価」が「利益」の何倍かを示す指標です。つまり、「Price(株価)」が「Earnings(利益)」の何倍かを表すので「PER」となります。
2.3 計算式の記憶
PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
「Per(~につき)」という英語の前置詞を思い出すと、「1株当たりの利益に対して、株価が何倍かを示す」と覚えられます。
2.4 具体例での理解
例えば、ある企業の株価が1000円で、1株当たりの利益が50円の場合: PER = 1000円 ÷ 50円 = 20倍
この企業のPERは20倍であり、「株価が利益の20倍である」と解釈できます。
3. PBRの覚え方
3.1 語呂合わせ
「ピ(PBR)ーマン(man)の(の)ブ(Book-value)ック(価)は(は)高い(Price)」
この語呂合わせは、PBRが「Price(株価)」と「Book-value(簿価)」の比率であることを示しています。
3.2 意味的連想
PBRは「株価」が「純資産(簿価)」の何倍かを示す指標です。つまり、「Price(株価)」が「Book-value(簿価)」の何倍かを表すので「PBR」となります。
3.3 計算式の記憶
PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)
「Book(帳簿)」という単語を思い出すと、「帳簿上の価値(純資産)に対して、株価が何倍かを示す」と覚えられます。
3.4 具体例での理解
例えば、ある企業の株価が1000円で、1株当たりの純資産が500円の場合: PBR = 1000円 ÷ 500円 = 2倍
この企業のPBRは2倍であり、「株価が純資産の2倍である」と解釈できます。
4. PERとPBRの関連性を利用した記憶法
4.1 共通点の認識
両者とも「株価」を何かで割った値であることを認識します。
- PER:株価 ÷ 利益
- PBR:株価 ÷ 純資産
4.2 違いの明確化
- PERは「E」arnings(利益)に注目
- PBRは「B」ook-value(簿価・純資産)に注目
4.3 ニーモニック(記憶術)の活用
「PER for Earnings, PBR for Book-value」というフレーズを覚えると、それぞれが何を基準にしているかが明確になります。
5. PERとPBRの活用と解釈
5.1 PERの解釈
- 一般的に、PERが低いほど割安と考えられます。
- ただし、成長期待が高い企業は高PERでも正当化される場合があります。
- 業界平均や過去の自社のPERと比較することが重要です。
5.2 PBRの解釈
- 一般的に、PBRが1倍を下回ると割安と考えられます。
- ただし、収益性の低い企業や純資産の内容によっては、1倍以下でも割高な場合があります。
- ROE(自己資本利益率)との関連を考慮することが重要です。
5.3 両指標の組み合わせ
PERとPBRを組み合わせて解釈することで、より深い企業分析が可能になります。例えば:
- 低PER・低PBR:割安な可能性が高い
- 高PER・高PBR:成長期待が高いが、リスクも高い
- 低PER・高PBR:資産効率が良い可能性がある
- 高PER・低PBR:収益性に課題がある可能性がある
6. 記憶を定着させるための実践的アプローチ
6.1 定期的な復習
PERとPBRの概念と計算方法を定期的に復習し、実際の企業データで計算練習を行います。
6.2 可視化ツールの活用
PERとPBRの関係を図や表にまとめ、視覚的に理解を深めます。
6.3 実際の投資分析への適用
実際の企業分析でPERとPBRを活用し、投資判断に結びつけることで、理解が深まり記憶も定着します。
6.4 他の投資家との議論
投資フォーラムや勉強会で、PERとPBRについて他の投資家と議論することで、多角的な理解が促進されます。
7. まとめ
PERとPBRは、株式投資における基本的かつ重要な指標です。これらの指標を正しく理解し、適切に活用することで、投資判断の質を向上させることができます。
本ガイドで紹介した覚え方や解釈方法を活用し、実際の投資分析に積極的に適用していくことで、PERとPBRの概念がより深く定着していくでしょう。
ただし、これらの指標はあくまでも投資判断の一つの要素に過ぎません。企業の成長性、市場環境、競合状況など、他の要因も総合的に考慮して投資判断を行うことが重要です。
継続的な学習と実践を通じて、PERとPBRを含む様々な投資指標を自在に活用できるスキルを磨いていくことが、成功する投資家への道となるでしょう。