2024.3.26に開催致しましたエアークローゼット(9557)のIRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。
登壇者 代表取締役社長兼CEO 天沼 聰 氏
登壇者 執行役員 アセット戦略室長 森本 奈央人 氏
[資料]
IRセミナー
こんばんは。平日のお忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございます。株式会社エアークローゼットの代表取締役社長を務めさせていただいております、天沼聰と申します。
本日は、会社説明と直近の決算報告の内容をご説明させていただき、株式会社エアークローゼットについてより深く知っていただけるような時間にしたいと思います。冒頭、私から45分ほどお時間をいただき、会社の説明、私たちがなぜこの事業をスタートしたのか、どういった未来を考えているのか、そして足元の数字についてもお話しさせていただきます。
改めまして、私は株式会社エアークローゼットの天沼聰と申します。本日ご説明するサービスはファッションのレンタルサービスとなりますが、私のバックグラウンドはファッションよりもITに重点を置いていました。
千葉県出身で現在も千葉に住んでいますが、高校の時に単身で海外に渡り、高校時代はアイルランドで3年間過ごしました。幼い頃からIT、データ活用、人工知能といった分野に興味関心があり、大学では情報システムを学びました。
帰国後、新卒でIT戦略系のコンサルティングファームであるアビームコンサルティングに入社し、10年弱IT戦略系のコンサルタントとして従事しました。起業前に事業会社での経験も積みたいと考え、楽天株式会社に転職し、3年ほどウェブのグローバルマネージャーを務めました。
その後、アビームでともに多くのプロジェクトをこなした前川と小谷という2名に声をかけ、3人で株式会社エアークローゼットを創業しました。創業からサービス開始して9年、今年の7月で会社設立10周年を迎える、まだ新しい会社です。
経営陣の3人がIT戦略系のコンサルタント出身であることから、ITを活用した仕組みづくりや、プロフェッショナルな人材が存分に活躍できるような体制づくりが得意な領域でございます。
1.airClosetについて
最初に3人でカフェで話をして、創業するからにはどういった会社にするのか、その会社がどういった存在になるのかというところを決めようと話をしていました。この中で3人とも、せっかく創業するからには、一時的に流行ってなくなっていくようなものではなく、長く人に愛されるサービスや、人のライフスタイルを豊かにするようなサービスを作りたいと話をしていました。最初は、ライフスタイルを豊かにするためには何がサービスとして必要かというのが出てこなかったのですけれども、使い方や感じ方によって不平等になるのが時間の価値だと考えました。一人一人のお客様もしくは私たちのステークホルダーの皆様の時間の価値を高めることで、人のライフスタイルを豊かにできるのではないかと考え始めました。
私たちが時間の価値というところに行き着いたのは、同じ1分でも1秒でも、億劫だったり面倒くさいと思っている時間と、ワクワクしている時間とを比較すると、きっとワクワクしている時間の方が価値が高いのではないかと考えたからです。そんなふうに考えて会社を創業し、会社の存在意義をビジョンとして「ワクワクが空気のように当たり前になる世界へ」と掲げました。
ビジョンを達成するための手段はいくつかあると思いますが、その中の1つがビジネスモデルだと考えています。現在、ファッションのレンタルサービスを提供していますが、ファッション業界という巨大な既存業界の中で、何か新しいことやイノベーションを起こそうと思ってサービスを開始したわけではありません。私たちはあくまでもビジョンに沿って、これから必要となるであろう、必要とされるであろうサービスを作っていこうという想いで設計をしました。設計の際は、大きく社会的な変化に沿っていること、そして業界の変化にあっていることの2点を大切にしました。
社会的な変化というところでは、超情報化社会によって今、時間の価値が向上していると考えています。データや情報、モノがあふれている中で、相対的に一人一人の時間の価値が向上しているということです。こういった中では、AIやデータ活用がより必要になると思いますし、パーソナライゼーションも必要とされていくと思います。サブスクリプションのサービスが隆盛していくというのも、この時間の価値を高めるための一つの流れだと感じています。
もう一つの大きな社会変化が、サーキュラーエコノミーへの転換です。これまでの線形経済では、原材料を採取して製品を作り、利用した後は廃棄するという流れでした。しかし、製品を利用した後にそのまま捨てるのではなく、メンテナンスをして再利用したり、再販したり、リサイクルしたりするという循環経済への転換が求められています。最近、私も環境省や経済産業省の方々とお話をする機会があり、特に経済産業省では2兆円以上の予算を投じてこうした資源循環の経済を作っていくことに本気で取り組んでいるとのことです。当社のサービスも、このサーキュラーエコノミーの一端を担うものになりますが、今後、こういった循環経済を作っていくサービスがより求められていくだろうと考えています。
このように、時間の価値がより高まっていくこと、そしてサーキュラーエコノミーへの転換が求められているという社会的背景に加えて、ファッションアパレル業界でも大きな変化が起こっています。
エアークローゼットが捉えているファッション業界の変化として、二つの点が挙げられます。一つ目は、パーソナライズ需要の高まりです。従来、ブランドがトレンドを作り、大量生産したアイテムをマスマーケティングすることで、売上を伸ばしてきました。消費者も画一的な手段で情報収集をしていたからこそ、大きなトレンドが生まれていました。しかし、ITやSNSの隆盛によってトレンドが崩壊し、ブランドやメーカーは多様化した個への対応が必要になっています。一方、消費者は情報やモノが爆発的に増えたことで、モノ探しが困難になっているという声も聞きます。
二つ目の変化は、サステナビリティ意識の上昇です。ファッション業界は環境問題でもワースト2位に挙げられるほど、大量生産・大量消費・大量廃棄をしてきた業界ですが、この業界姿勢の見直しが求められています。これからファッション業界でも循環経済が求められ、サステナビリティ、シェアリングエコノミー、サーキュラーエコノミーのサービスが隆盛していくと予想されます。
エアークローゼットは、こうした社会的・業界的背景を基にビジネスモデルを構築しています。現在提供しているのは、レディース向けのファッションレンタルサービスです。利用者は、好みやサイズ、ファッションのご要望をオンラインで登録します。
それを基に、スタイリストが数十万着のアイテムからコーディネートを選定し、自宅に配送します。気に入ったアイテムは買取も可能です。利用後は、コンビニ等でQRコードを読み取るだけで返却でき、クリーニング等は全てエアークローゼットが行います。
主なターゲットは、30〜40代の働く女性で、時間がなくモノ選びが困難な方々です。利用者の70%以上が買物に行きたくても行けず、90%以上がコーディネートに迷ったことがあると回答しています。エアークローゼットは、こうした悩みを解決するサービスを目指しています。
事業構造としては、ブランドやメーカーから仕入れたアイテムを、撮影・入庫・検品・クリーニング等の工程を経て、レンタル提供しています。返却されたアイテムは、再度貸出可能な状態にメンテナンスされ、品質が保てなくなったアイテムはリセールやリサイクルに回すことで、一切の廃棄を出さない仕組みを構築しています。
収益構造は、月額会員の会費と買取による売上が85%を占めるシンプルな形となっています。重要指標は、会員数と会員一人当たりの限界利益で、固定費を賄いながら営業利益を拡大していく計画です。
コロナ禍でもファンになってくれる会員様のおかげで、売上を下げることなく成長を続けることができました。
2.競争優位
エアークローゼットの競争優位性は、独自の循環型プラットフォーム、強固な顧客基盤、IT・データ活用の3点です。特に、返却後の一連の工程を効率的に行える物流プラットフォーム「AC-PORT」の構築には注力してきました。アイテムの個品管理に洗濯可能なRFIDタグを導入したり、独自のクリーニング・メンテナンス手法の開発により、最短1日での再利用を可能にしています。こうした物流のノウハウとシステムは、特許取得済みで他社との差別化要因になっています。今後は、物流機能の集約により、さらなる効率化を目指します。
エアークローゼットは、ファッションレンタルという新しい市場で、サステナブルな消費行動を促進し、ユーザーの多様なニーズに応えるサービスを成長させていきます。
日本でまだ黎明期にあるファッションレンタル業界をリードし、社会課題解決にも貢献していく方針です。
エアークローゼットでは、会員一人当たりの限界利益を向上させるために、物流面を含めたオペレーションの安定化とオペレーション基盤の構築に注力してきました。今後は、この基盤を活かしてサービスの認知度を高め、会員数を拡大していく方針です。
当社の強みの2つ目は、お客様との信頼関係に基づく強固な顧客基盤です。会員は無料会員と月額会員の2種類に分かれています。月額会員は、月額会費を支払ってレンタルサービスを利用する方々で、時間の有効活用を重視し、サステナブルな消費に関心が高いという共通点があります。無料会員は、レンタルサービスの潜在的な利用者層であり、マーケティングチームが積極的に月額会員への移行を促進しています。
現在、総会員数は100万人以上に達しており、月額会員登録の10%以上が過去に退会した無料会員からの再獲得となっています。これは、B2BやSaaSのサービスには見られない特徴であり、サービスの改善や機能拡張によって、再度月額会員になっていただけるようなアプローチが効果的であると考えています。
また、顧客基盤の拡大戦略として、ファッション以外のレンタルサービス「airCloset Mall」を2020年に開始しました。このサービスでは、美顔器やシャワーヘッドなど、使ってみないと体験価値が分からないようなアイテムをレンタルし、購入前に試用していただけます。男性の利用者も多いため、今後の顧客基盤拡大に寄与すると期待しています。
さらに、2023年10月にはディズニーとのライセンス契約による新サービス「Disney FASHION CLOSET」をスタートしました。これは、サブスクリプション型ではなく、都度レンタルができるサービスで、主に20代の若年層をターゲットにしています。ファッションレンタルを文化として定着させ、30代、40代になってもairClosetの会員であり続けていただけるような土壌を作ることを目指しています。今後は、レディースだけでなく、カップルやファミリー層への拡大も予定しています。
月額会員数は着実に増加しており、春と秋の繁忙期には広告投資を増やし、夏と冬の閑散期には抑えるという戦略で、効率的な顧客獲得を実現しています。また、6ヶ月以上継続して利用してくださるロイヤル顧客の数も増加しており、ロイヤルユーザーの継続率は94%以上と高い水準を維持しています。
3つ目の競争優位性は、ファッション業界では珍しいIT・データ活用の推進です。オンラインサービスであることを活かし、お客様から着用後のフィードバックデータを収集しています。
経営陣はITへの知見が深く、社員の約25%がエンジニアであるため、システム構築を内製化し、スピーディーな改修が可能です。また、データサイエンスチームを社長直下組織に配置し、事業部門と連携しながらデータ活用を推進しています。
サービス設計段階から、データ活用を見据えたデータベース設計を行ってきました。この取り組みにより、年間100万件以上のフィードバック・コーディネートデータを蓄積しています。これらのデータを組み合わせて活用することで、お客様のニーズに合わせたパーソナルスタイリングや、ブランド連携などに役立てていく方針です。
具体的なデータ活用事例としては、スタイリストとお客様のマッチングにAIを導入したり、返却予測にデータサイエンスを活用したりするなど、UXの向上や業務効率化に取り組んでいます。
エアークローゼットは、独自の物流プラットフォーム、強固な顧客基盤、IT・データ活用という3つの競争優位性を武器に、ファッションレンタル市場における先駆者としての地位を確立しつつあります。今後も、サービスの拡充と会員数の拡大を通じて、持続可能なファッション消費を促進し、業界の変革をリードしていく方針です。
エアークローゼットでは、2017年以降、明治大学の高木研究室と連携し、毎年人工知能を活用した研究開発を行っています。学会でも発表を重ね、AIを活用したスタイリングのコメント生成などの新しい取り組みを行っています。今後も積極的にデータ活用や人工知能の活用を進め、サービスの品質と効率を高めていく方針です。こうしたデータ活用は、スタイリングだけでなく、倉庫内の動線最適化など、物流面でも幅広く活用できると考えています。
3.成長戦略及び事業計画
当社の経営戦略は、「時間価値を高める」というビジョンを中心に据えて構築されています。事業領域、目標、事業構成を定め、それぞれに対して事業戦略と機能戦略を設定しています。事業戦略は事業促進のための戦略、機能戦略は全社的な効率性を高めるための具体的施策として位置づけています。
成長方針としては、まずはレディース向けのファッションレンタルサービスの認知度向上と売上拡大を目指します。加えて、メンズ、シニア、キッズ、マタニティなど他のセグメントへの拡大や、ブランドとの連携強化も進めていきます。さらに、当社の循環型物流プラットフォームを他社にも提供し、物流機能の外販にも取り組んでいく計画です。
このプラットフォームは、物理的な循環型物流に加え、倉庫管理システム(WMS)、パーソナライゼーションの仕組み、データなどで構成されています。現在は、airClosetやairCloset Mallが乗っており、2023年にはディズニーとの提携による都度課金型レンタルサービス「Disney FASHION CLOSET」もスタートしました。今後は、この汎用性の高いプラットフォームを活用し、新たなサービス展開を効率的に進めていきます。また、他社への物流機能の提供により、プラットフォームの効率化と規模の経済によるコストメリットを追求し、主力事業の成長にもつなげていく方針です。
実際に、アウトドアレンタルサービスを展開する企業の物流部分の受託や、フォーマルウェアのレンタルサービスへの物流プラットフォーム提供など、具体的な事例も出てきています。既存のレンタルサービス企業から選ばれるということは、当社の物流が効率的でコストメリットがあることの証明になると考えています。
中長期的な目標としての売上1,000億円に向けた100億円事業の確立を目指しています。そのための戦略として「Steady Base」を掲げ、(1)利益を生む仕組みの構築、(2)顧客基盤の拡大、(3)事業拡大に向けた基盤強化の3つを柱としています。
2024年6月期の業績予想では、売上高は前期比5%増、営業利益はairCloset事業での黒字化を見込んでいます。
全体としては、airCloset Mall及びDisney FASHION CLOSETの先行投資を予定していますが、主力のairCloset事業単体では黒字化を目標としています。将来的には、airCloset事業の拡大に加え、新規事業の成長により、早期の売上100億円達成とさらなる成長を目指します。
4.2024年6月期業績進捗
2024年6月期第2四半期までの進捗は、売上高が前年同期比11%増と計画を上回るペースで推移しています。営業利益、経常利益、当期純利益も計画を上回っています。下期には新規会員獲得施策の強化を予定しており、その反応を見ながら柔軟に対応していく方針です。
5.人的資本とサステナビリティ
最後に、当社の人的資本とサステナビリティへの取り組みについてお話しします。当社はサブスクリプションモデルのため、継続的な改善活動とPDCAサイクルの最適化が重要です。
そのために、機能別の縦割り組織と、データ活用ノウハウの横展開ができる体制を構築しています。
また、全社員のエンゲージメント向上にも注力しており、年2回のモチベーションサーベイで高い偏差値を維持しています。
サステナビリティについては、ファッションレンタルサービス自体がサステナブルな取り組みとして注目されています。加えて、社内での衣服廃棄ゼロの実現や、環境省との連携によるCO2排出削減・廃棄物排出抑制などにも取り組んでいます。今後、消費者の意識がさらにサステナブルな方向に向かう中で、エアークローゼットがその代表的存在として選ばれ続けるよう、進化を続けてまいります。
本日は、当社のサービスの狙いや、業界の変革に向けた考え方、足元の状況などについてお話しさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答
Q. 将来の売上高成長曲線のイメージで、今後、事業領域の拡大によってプラスに伸びていきますよというイメージ図が書いてあります。この事業領域の拡大とは、どのようなことを示しているのでしょうか。
A. ファッションレンタルを含むレンタルサービスの拡大というところがメインになり、基盤になり、中心になるということは変わりありません。レディースのファッションのレンタルに加えて、都度課金型のレンタルサービスですとか、airCloset Mallのようなレンタルサービス、またメンズやその他セグメントに対する拡大というところがメインの事業領域の拡大と捉えていただければと思います。
新しく別の領域での新規事業を作っていくよりは、私はこのファッションレンタルサービス、またファッション以外もレンタルサービスが今後広がっていくというところを確信しておりまして、このレンタルを中心に拡大していこうと思います。これに加えて、事業領域として先ほど少し触れさせていただいた、レンタルサービスを支える循環型の物流の事業というところも一つの拡大の要因になろうかと思います。
Q. 倉庫を千葉県流山市に移転する計画とのことですが、物流効率やコスト削減などはどの程度、数値として表れるものなのでしょうか。また、倉庫移転のために賃貸契約を締結したというお知らせがありましたが、具体的にどのような効果を見込んでいるのでしょうか。
A. おっしゃる通り、物流の効率化やコスト削減というところが一つの狙いになります。もう一方で、事業の拡大というところが一つ大きくメインになりまして、我々は今後このプラットフォームを広げていく際にも、また自社サービスを拡大する際にも、拡張移転ができる場所を探しておりました。
そのため、今後拡大していくことで規模の経済によってコスト削減をするところですとか、現状でいくつかの拠点に分かれてしまい、拠点間の移送を行わなければいけない、その移送の効率化によってのコスト削減を狙っております。一方で、当然、坪単価に関しては場所が非常に良い場所というところもありまして、上昇することなどもありますので、足元で直接的な大きなコスト削減につなげるというところよりは、もう少し長い目線で見たときの拡大に向けた移転としています。
具体的な数値というところは今期・来期の実績、計画数値で見ていただければと思います。既存から劇的にコスト削減や物流効率が突然向上するというようなものではなく、我々がこれまで培ってきたノウハウをしっかりと形にしていくことができる場所として考えていただければと思います。
Q. 資料の中で、月額会員一人当たりの限界利益の推移が書いてあります。これを見ると、2023年6月期は約2,600円前後で微増とは言えるもののという感じが続いていますが、この一人当たりの限界利益はこれ以上上げるのは難しいものなのでしょうか。
A. これまでオペレーションコストを削減することによって限界利益を高めるというのを明示してまいりました。一方で、クロスセル等の活動というところはそこまで積極的に行われてこなかったのですけれども、今後に関しては、この物流オペレーションコストを更に下げるというところよりは、しっかりと安定したオペレーションを行うということによって、サービスの安定性を高めていきたいと思います。
そのため、この月額会員一人当たりの限界利益を大きく上げるというよりは、緩やかな改善を図ってまいりたいと思っています。
Q. ランディングページがきれいにリニューアルされていますが、これも第3四半期における新規顧客獲得施策の一つでしょうか。
A. こちらのランディングページに関しては、新規顧客の獲得施策の一つと捉えていただければと思います。特にランディングページが影響してくるのは、コンバージョンレート、会員様がこのサイトに訪れた際に、いかに効率よくご登録をいただけるかというところにあたるのですけれども、このLPを変更したのも第2四半期中に行っていくつかのトライアルの試験を行って、その数値が良いものを第3四半期に反映しています。
今後も、閑散期にあたる夏や冬に新しい施策をトライアルでテストした上で、その実績数値を比較をして、数値が取れているものを秋や春の獲得期に当てていくというような施策を行っていきます。
Q. airClosetのランディングページはスマートフォン用に最適化されているように見えますが、パソコンで見るデスクトップ用のランディングページはあまり重要視されていない感じなのでしょうか。スマートフォン経由のお客様が多いという考えなのでしょうか。
A. ここは昨今のUIの流行りの部分などもありますけれども、我々としては注力すべきはスマートフォンからの流入ということで、スマートフォンに対して最適化することが今は優先順位が高いと考えています。
Q. 服にかかる費用は固定費にしておられる認識がありますが、物価上昇の影響で固定費は上昇傾向にありますか。それに伴い値上げは予定していないかも合わせて教えてください。
A. お洋服に関して、物価上昇の影響というところは多少はあるかと思います。特に我々のお洋服に関しては、生産が海外で行われていたりもしますし、部品が海外で生産されているお洋服というのもブランドやメーカーさんによっては多くありますので、物価上昇や円安の影響がございます。
ただ、事業に関しては、我々は新規のアイテムを少しずつ追加していくというサービスの特性もありまして、値上げに関しては今のところ決めている事実はございません。今後しっかりと同業他社様の動き、また物流の2024年問題がどう顕在化をするのかというのを見極めながら、いつ手を打っていくかというのを考えていきたいと思っています。現状では特に値上げを予定している状況ではございません。
Q. 物流受託業はどの分野を主なターゲットにする予定でしょうか。どのような規模感を目指すかも併せて教えてください。
A. ターゲットとしては先ほど少し触れさせていただいた他社のファッションレンタルビジネスの物流の部分を受託する、また先日発表させていただいたアウトドア用品の件などですけれども、ファッション以外の他社のレンタルビジネスの裏側、物流の部分を我々が受託するというところがメインになろうかと思います。
こうした部分に加えて、レンタルに限らず他社のファッションビジネスにおいて、返品再生業務、例えば店舗で販売されたあとの返品、または試着をされて少し汚れたものに関しては、実は今ほとんどが廃棄されているという現状ですので、そういったアイテムを一定再生をして、その裏側を我々が担っていくような返品再生部分のところの受託。また個別機能、いわゆるクリーニングの機能ですとかアイテムメンテナンスという機能も分けられますので、このクリーニングやメンテナンス等の個別機能に関しても展開をしていく。この4つのターゲットが挙げられるかと思います。
特徴としては、循環型物流であり、戻りがあるというところがメインになりますので、ここをしっかりと活用していくような営業を今後していきたいと思います。
規模感に関しては今、明示的に出させていただいていないところではありますけれども、一定の規模感は目指していきますが、あくまでもメインは我々のレンタルサービスを中心とした事業成長というところを捉えております。そのため、ものすごく積極的に営業チームを組んでこの循環型物流機能を中心事業にそえようというところではなく、営業活動に関してもトップ営業を中心に行っていこうと思っています。
Q. 受託をお願いする先というのは、結構あるものなのでしょうか。そういったお客様は既にそういうのをやっているよということで、なかなか難しいのかなと一瞬思ったのですが。
A. 本日も発表させていただいた事業者様に関しては、フォーマルウェアのファッションレンタルサービスを既に行われている会社様ですけれども、こうした会社様が物流を我々に委託をするということは、既存のこれまでの業務委託の動き方よりも、より効率的であるというところの一つの証明かと思います。コストメリットがある、もしくは効率が良かったりですとか、データ管理を含めた管理手法がしっかり整っているというところを見ていただいて、受託をさせていただいています。
そのため、既存のファッションレンタル事業を行っている事業者様が、よりコストメリットを求めて、我々の物流にスイッチをしていただくというところがあって、我々がこれまで培ってきたノウハウというのは生かされるのではないかなと考えています。
またファッションのレンタル事業以外も、先日発表させていただいたアウトドアの用品レンタルの事業者様に関しても、同じく管理がしっかりとしている、また効率性が高いというところを見ていただいてのスイッチングになりますので、既存の物流をより効率化する、もしくはコストダウンするというところには、我々の物流プラットフォームであるAC-PORTが寄与できるんじゃないかなと考えています。
B2Cのレンタルに加えて、B2Bのレンタルの事業者様、例えばいわゆる制服のレンタルだったり、そういったレンタルサービスというのは既存業界で非常に幅広くありますので、そういった事業者様にとっても、私たちの物流というところは一つの選択肢になっていただけるんじゃないかなと思いますし、レンタルに限らないファッションビジネスにおける返品再生の業務に関しては、既存のファッションアパレル業界において販売をされている事業者様のすべてが対象になりますので、可能性は非常に幅広い思っています。
Q. 住友商事が御社の株式の9.7%を保有しています。住友商事様の保有方針などをご存知でしたら教えてください。
A. 住友商事様に関しては、これからサステナブルな事業がより世の中で繁栄していく中で、airClosetという事業を全面的に応援していくために保有をしていただいていると認識しております。
また、総合商社様ですので、いわゆるファッション領域であればものづくりだったりですとか、営業領域のサポートだったりというところも幅広くご一緒できるので、そういった考えで保有をされているという認識をさせていただいています。
また、当然ファッション以外の、airCloset Mallの事業に関しても、幅広く連携ができるだろうというところで、保有してくださっていると認識をしています。
Q. 東京ソワールのレンタルドレスの物流領域(回収・検品・メンテナンス・在庫管理)を一括受託されていますが、収益率はどれくらいあるのでしょうか。東京ソワールのことにつきましては、別の方からも質問がありまして、物流の外販、東京ソワール社との連携は、まさに多くの株主が望んでいたIRだと思います。おめでとうございます。顧客は今後も大手を中心に開拓するのでしょうか。東京ソワールのことと今後の展開についての質問が来ております。
A. 具体的な収益率に関しては、今後このプラットフォーム事業を拡大していく中で少しずつ共有させていただければと思いますけれども、この物流領域の受託に関しては、個品1点あたりいくらという形で対応させていただく場合がほとんどになりますので、無理しての事業ではなくて、しっかりと収益を上げていく事業だと認識していただければと思います。一方、規模をだんだんと広げていく部分もありますので、収益率については今後共有させていただければと思います。
ただ、私も非常に今回の取組に関しては嬉しく思っておりまして、まさにご質問の中で「おめでとうございます」と言っていただきましたけれども、既存のファッションレンタルのサービスが、物流領域を一気通貫で我々に委託をしてくださるというところは、我々の物流がしっかりとコストメリットもあり、効率性も高く、情報に関してもしっかり管理されているからこそだと思いますので、今後もこうした取組を広げていきたいと思います。
ご質問にありました、大手に特化した営業というところは、特に大手でなければいけないというふうには思っておりません。当然大手であれば数量も多くなりますので、お受けしやすい部分はありますけれども、レンタルサービス、ファッションレンタルサービスですと、中小企業の方も多くいらっしゃいますので、そういった企業様にとってもメリットがあると思いますので、そういった領域に関しても営業させていただきたいなと思っています。
私もここを実現できたことで、我々のプラットフォームに関しての未来が明るくなったなというふうに感じています。
Q. airClosetは増収が続いていますが、営業利益が伴っていないように見えます。なぜでしょうか。
A. 2023年6月期から2024年6月期に関しましては、売上の伸びに応じて営業利益についても改善をしている形になっています。一方で、昨年やその前の年の推移というところに関しても見ていただいた上でのご質問かと考えております。
こちらについては、弊社がお洋服や広告宣伝費といった部分を一旦先行投資としてかけるというところもございまして、成長率をあげるときに広告宣伝費がかかり、営業利益が圧迫されるという傾向がございます。加えて、昨年の2023年6月期やその前の年に関しましては、新型コロナウイルスの影響で、広告宣伝費、特に1人当たりのお客様に会員になっていただくのに要する費用というところが上昇していた背景もございまして、営業利益が悪化していました。
そういったところをしっかりと見直して改善をしていくというところで、2024年6月期はairCloset事業においては営業黒字化を見込んでおります。一方で、Disney FASHION CLOSETやairCloset Mallで、一部先行投資が発生しているというところもございますので、今後の営業利益の推移というところに関しましては、売上の成長率がどの程度になるのか、加えて新規事業等にどれくらい投資していくかというところの中で考えていく部分になるかと思いますので、今後の業績予想の発表の中で、しっかりと方針とともにお示しさせていただければと考えております。
Q. Disney FASHION CLOSETが始まりましたが、こちらの事業の手応えは想像以上なのでしょうか、それとも想定以下なのでしょうか。
A. Disney FASHION CLOSETにつきましては、昨年10月にスタートさせていただきました。想像以上・想定以下というところはお伝えしづらい部分がありますけれども、その中でメディア様の反応だったりですとか、実際にご着用いただいているインフルエンサーの方たちからの反響というところは、我々が思っていたとおりでして、アイテムとしてかわいいねだったりですとか、おしゃれだったり、新しい取り組みというところは評判が良い状況かなと思っていますので、今後もより一層メディア様との取り組みというところを広げていきたいと思っています。
Q. 株式会社日本政策金融公庫から長期借入をされておりますが、自己資本比率が22.2%と少し低くなっておりますので、融資というのはビジネスモデル的に受ける必要はあったのでしょうか。
A. こちらに関しましては、固定資産への先行投資等も一定発生していく中で、今後の金利上昇などの状況も踏まえて、厚めに現金を保持するために行っております。一方で、ご指摘いただいているとおり、自己資本比率に関しては重要な指標と認識しておりますので、今後こういった借り入れの実施の際は、引き続きしっかりと意識していきたいと思います。
Q. 流山市に倉庫移転、Disney FASHION CLOSETはディズニーと提携されるように、顧客の居住エリアは関東圏がメインになっているのでしょうか。地方の偏りはありますか。またディズニーが成功すれば、関西のユニバーサル・スタジオ・ジャパンとも連携をご検討されるのでしょうか。
A. 流山市への倉庫移転というところは、物流の中心となっている関東エリアで選ばせていただいているというところで、お客様の居住エリアを中心に選んでいるというところではございません。
一方で、ご質問でいただいているとおり、お客様の居住エリアに関しては首都圏が一番多い状況でございます。地域の偏りというところは人口分布とあまり変わらない偏りですけれども、よりお買い物になかなか出かけられなかったりですとか、新しいブランドとの出会いが少ないというのは、地方エリアに関しても課題としてあるかと思いますので、日本全国、広くお客様を獲得していきたいと思っています。
またDisney FASHION CLOSETに関しては、おっしゃる通り、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン様なども同じようにキャラクターのビジネスをされていたり、コンテンツのビジネスをされていますので、コンテンツを中心としたファッションのレンタルという観点では可能性があると思っています。まだ直接何かお話をしているわけではないですけれども、こうしたコンテンツを中心に据えたファッションのサービスというところは、展開をしていきたいなと思っています。
Q. ユーザー基盤の拡大をどのように進めているか、今後の売上成長に関するところをもう少し詳しく教えてください。
A. これまで長期的に会員基盤の拡大ができています。今後に関しては、まだ無料会員100万人に対して、月額会員が3万5,000人強というところですので、まずは月額会員様の拡大に当たるのですが、直接的なメールマガジンなどの施策もそうですし、DMを送らせていただくような施策を実施させていただくことで、無料会員様から月額会員様への転換を進めております。
また、ユーザー基盤、いわゆるお客様の基盤拡大としては、まず年代層や、メンズというところの横の広がりというのを考えています。年代層に関しては、Disney FASHION CLOSETのように、いわゆるマクドナルド様が行っているとされているような、時間軸を超えるような施策になりますけれども、ファッションレンタルを活用していただいたことがあるお客様をできるだけ増やしていくことによって、将来的な顧客を作っていきたいと考えています。
またairCloset Mallのように、メンズを今後拡大していく手前で、男性の方にレンタルサービスを使っていただいている状態を作っていきたいと考えての施策を行っています。
具体的に月額会員様と無料会員様を増やしている施策としては、基盤の強化というところでは、ウェブ広告が中心になります。LINEですとかMetaといったようなウェブ広告が中心で、マスの広告は、我々のサービスに、すごく合っているかというと合いづらい部分があると捉えています。具体的には実数字をデータで定量的に把握をしづらい部分に関しては、ギャンブル的な要素になってしまうので、そうではなくて取り組みが定量的に確認ができるようなウェブ広告がマッチしていると考えて、現状ではウェブ広告を中心にサービス拡大をしてまいっております。
今後、より認知度を高めるという戦略も並行して行いながら、このウェブ広告を中心にサービス拡大をするというところは変わらないかと思います。またコロナ後、ようやくファッションアパレル業界が少しずつですけれども戻ってきている中では、リアルでお客様に接点を持つ取り組みも、ユーザー基盤拡大を今後加速する一つの要素になるかと思います。コロナ前に当社は、日本の中でも成長率ランキングの上位を獲得したりというのがあったのですが、この際にはいわゆるリアルの取り組みなども拡大をしていました。これからはまたファッションのお買い物もそうですし、お出かけも増えるというところで、オフラインでの施策なども増やしていくことによって、ユーザー基盤の拡大に取り組んでいきます。
Q. 株価についてどう思われていますか。
A. これは様々な見方があると思いますし、捉え方があると思いますけれども、私自身は、私自身も株主の一人としても、この事業の成長に非常に期待していますし、現状での株価では全く満足していません。しっかりと価値を上げていく、そのためには当然サービスの本質を伝えさせていただくだけではなくて、業績でもしっかりとお伝えをしていくことで、実際の株価になっていくと捉えていますので、今後もしっかりここに関しては、IR活動も含めてですけれども、取り組んでいきたいと思っています。
Q. 配当が出せないのであれば、御社サービスを株主優待として出すことはできますか。提供すれば顧客の新規獲得につながると思いますが、どうでしょうか。またそうしますと、個人株主が増えて流動性が高くなると思います。
A. 当社は、上場させていただいた際にも、株主優待については考えておりまして、以前は株主優待を減らすような企業様の動きが多かったところの状況も受けて、当社も株主優待を提供しなかったというところが意思決定としてあります。一方でおっしゃる通り、個人株主様の増加によって流動性を高くしていくところも非常に大切ですので、選択肢の一つとしてしっかりと検討したいなと考えています。
当然その株主優待として提供することによって新規獲得につながる一方で、獲得効率という観点では、その分のコストがかかってくる部分はあり、そことの見合いだと捉えておりますので、しっかりと選択肢として捉えて判断して、施策として行っていきたいなと思います。
Q. 天沼社長は、なぜロンドン大学に入学したのでしょうか。ちょっとパーソナルな質問になると思いますが。
A. そうですね、具体的にロンドン大学が、最初から目標だったかというと、すごく正直なところそうではないです。最初に留学をさせてもらったのが、イギリスの横のアイルランドという国だったのですけれども、ここに留学をしてから日本に帰国をするのではなくて、より海外の価値観に触れたいというところで、大学も海外に行こうと考えた際に、イギリスが一番近くて、そしてイギリスの中でも、情報システムそれからデータ活用を学べるのであれば、ロンドン大学が一番いいのではないかと考えて、ロンドンで学ぶことを選びました。
なのでロンドン大学というところにすごく関心があったというよりは、アイルランドからイギリスというところが近かった、また英語としてもクイーンズイングリッシュを学びたいというところもありまして、入学をいたしました。
Q. 今日のIRセミナーの中で、夏や冬は利用が落ちてしまうというお話があったかと思います。なぜ夏と冬が利用者が落ちてしまう傾向になってしまうのでしょうか。
A. 少し正確にお伝えすると、既存の会員の方の利用に関しては、データ上そこまで大きな差がないです。なので春夏秋冬、変わらずに利用自体はしていただくのですけれども、こちらの私がお伝えさせていただいて、ご説明がもしかしたら中途半端だったかもしれないのですけれども、夏や冬に関してはファッションアパレル業界の需要が落ち、夏や冬に広告を例えば同じように打つと、獲得効率が非常に悪くなるというような傾向になります。
ここは以前からファッション業界の方にもいろいろ話を聞いているのですけれども、人間心理的に、春になると暖かくなってきて、ファッションを楽しむ気持ちになったりですとか、夏を越えて秋になるとファッションの秋というような楽しみ方が増えて、ファッションの需要が高まる時期だというところに当たるのかなと思うのですけれども、人の気持ちが高まるというところが非常にこの広告の効率に寄与する部分かなと思っています。
実際には季節の変動だけではなくて、気温差によってもニーズがよく変わるというところは私たちも見て取れる部分でして、例えば春、暖かくなってくると広告を出させていただくと反応率が高まるというような変化が起きています。無理に広告を打てば会員様を増加させていただくことはできるのですけれども、それだと効率が悪いというところで、我々は夏や冬に関しては広告を一定抑えて、その代わり会員数に関してはそこで少し下がるのですけれども、広告効率が高まる時期に広告をしっかりと出させていただくことによって、だんだんと会員様が増えるというような形をとっています。
利用に関しては一年通して変わらず、利用していただいています。
Q. エアークローゼット様が提供する服は、冬服は値段が高く、夏服はそれよりも安いということになるかと思うのですが、そういったもので例えば特別に安い商品は別としまして、冬服で特別価格などのプライシングは、難しいものなのでしょうか。
A. アパレル業界で夏服と冬服での差で一番大きいのは、コートなどの重衣料が冬に多いので、値段が大きく変わるというところです。現状、エアークローゼットでは、コートの中で着るようなニット等が冬では多くなりますので、夏と冬でそこまで大きな単価の差がない状況です。少し値段は変わりますけれども、ファッションの事業者様のように、コートを中心として冬物の販売を行うわけではないので、大きな差があるわけではないです。例えばコートの取扱いを検討する際には、おそらくオプション料金だったり、別の料金体系で行っていくかなと思います。
Q. エアークローゼットというおしゃれな服を提供するブランドイメージで展開されていると思います。そうなってきますと、エアークローゼット自体で自社のアパレルブランドを持つ、あるいは出資するご予定はございますでしょうか。
A. 可能性がゼロだと言い切ることはできないですが、現状ではプラットフォーマーとして、アパレルブランド様やメーカー様のお洋服を取り扱っています。しっかりとものづくりに特化されている企業様が作られたアイテムが信頼性が高いと思いますので、そういったアイテムの取扱いを主にしています。一方で、今後を含めてアパレルブランド様への出資の可能性もゼロではないかと思います。
現状でも、アパレルブランド様がものづくりをされている中で、ニーズに特化した色を追加して生産するような取り組みというところは少しずつですが拡大していますので、我々がデータで発信させていただいて、どういったアイテムがより支持されていくのか、トレンドとして支持されるのか、もしくは購買されているのかといったデータがより集まっていくと、こういった可能性も増していくのかなと思いますが、現状ではプラットフォーマーとしての取り組みに注力をしております。
Q. アウトレットやメルカリなど、安い金額で購入できる商品もありそうですが、エアークローゼット様のプライシングは、そのようなものを考慮されてプライシングされているのでしょうか。
A. 当社のすべてのアイテムを直接ゆっくり検索をされるかというと、あまりされない部分があるというのが一つ特徴的なところかと思います。おそらくご質問の背景として、同じようなアイテムをアウトレット品で探したり、メルカリ様で検索をして購入をするというような消費行動をされるかもしれないというところかと思うのですけれども、現状ほとんどのお客様が忙しいお客様で、手元に既に商品がある上で検索を行うかというと、これはお客様にヒアリング等を重ねている中で見えてきているところですけれども、そこよりはご自身が手に取ったアイテム、気に入っているアイテムに対して値段が納得をするのであれば、その場で手に取ったものを購入する方が時間効率が高いと考えるお客様が多くなっているかと思います。
消費行動としては、そういった行動がメインになるかと思います。ただ、当然、アウトレットの事業者様ですとか、メルカリ様のような他社様との競合というところも出てまいりますので、意識をして付けていきたいなと考えています。その中では、1点1点のレンタルアイテムを全てバラバラに値段を付けることができまして、いわゆるリユース商品のような考え方で、貸し出しの回数とか貸し出しの期間に応じて一定の値引きを加えていくという仕組みが既にあるのですけれども、そういった中での値引き率は、販売率を考えながら付けていきたいなと思っています。こちらは柔軟にプライシングができるような設計を行っていますので、しっかりとデータを見ながら変えていきたいなと考えています。
Q. Disney FASHION CLOSETが軌道に乗ったら、レゴやジブリなどもライセンス契約することはあるのでしょうか。
A. 具体的に各社様に何かお話をさせていただいているかというと、特にまだ当社からお話させていただいていないですけれども、Disney FASHION CLOSETで今提案させていただいているのは、バウンドコーデという、キャラクターのエッセンスを取り入れたファッションを着用することで、日常が非日常になったりですとか、友達との思い出が非日常になる、ファッションを変えることによって生活がより彩られるというような体験ですので、今後、レゴ様やジブリ様のような企業様、もしくはコンテンツビジネスとのライセンス契約という可能性もあるかと思います。
幅広く、ディズニー様との取り組みというところにこだわらずに、ある種のバウンドコーデの取り組みだったり、コンテンツを利用したファッションの取り組みというところは展開したいなと思います。一方で、まずは世界的にもおそらくコンテンツビジネスのトップを走られているディズニー様とのサービスを軌道に乗せていくというところが一番大事なポイントですので、しっかりとディズニー様との取り組みに注力したいと思います。
Q. 残念ながら善意のお客様だったらいいですが、盗難を試みるお客さんも出てくるかと思います。どの程度発生しているのでしょうか。またどのように対策されていますか。
A. 盗難もしくはダメージをものすごく受けてしまうリスクが高いのではないかというところが、airClosetサービスにおける大事な変数だと捉えていたので、最初から意識をして設計もしくは運用してきているのですが、対策の一つとしては、我々は月額定額制で、最初に費用を支払いいただいた上でレンタルさせていただいています。単価がものすごく高いアイテムをレンタルさせていただいているわけではないので、その月額定額制の中からしっかりと賄える単位でというところが一つの考え方にはなるというところです。
とはいえ盗難は我々が意識をしなければいけない数値ほど発生してはおらず、ほとんど発生していないというふうに捉えていただいても構わないかなと思います。先に月額会費を払っていただいていますので、月額会費が払われなくなった際には次のレンタルが行われないような仕組みになっていますので、そこは対策をさせていただきつつ、月額会費をしっかり払っていただけるような取り組みを今後も継続していきたいなと思います。事業に支障をきたすような発生率というところは全く起きていません。
Q. エアークローゼット様のサービスは女性向けのサービスが多いかと思いますが、ファミリー向けのサービスの展開をお願いしたいなと思っております。家族で入会というのもニーズがあるのかなと。家族で卒業式や入学式に行く際の、家族全体でのコーディネートがあるとありがたいです。
A. 我々も創業当初から、レディースだけでなくメンズもしくはキッズという展開を想定していますので、ファミリー向けのサービスの展開も考えていきたいなと思っています。現状すぐに行わない課題感として、非常に幅広くなるというところと、コーディネートのバリエーションが幅広くなりすぎてしまうことによって、非効率になる部分がどうしても出てくるかなと考えているので、すぐに開始できていない部分があります。今後例えばメンズの展開が広がっていき、キッズの展開が広がっていくことによって、家族をまるっと卒業式ですとか入学式における全体コーディネートの提案も出していけるような取り組みができると思っていますので、展開を今後も広げていきたいなと思っています。ご質問とアイデアのご提供、ありがとうございます。
Q. コンバージョンレートはどの程度向上しているのでしょうか。
A. コンバージョンレート自体は、Eコマースのサイトの場合は、流入してきてくださった、サイトに訪れた方の何パーセントが購入に至るのかというところを確認する割合になりますけれども、このコンバージョンレートというのは注力をして見ています。具体的な数字というところは非開示としておりますが、様々な施策によってコンバージョンレートを一定高めることができています。
ただ、まだまだコンバージョンレート自体は高められる水準だと、私も前職の楽天さんで経験をさせていただいて、Eコマースのコンバージョンに関しては詳しいかと思いますので、その水準からするとまだ高められる要素がたくさんあるなと思っています。今後もコンバージョンレートに関してはしっかりと高められるような施策というのを続けてまいりたいと思っています。
Q. 出張撮影サービス「OurPhoto」と連携した「ファッションレンタルサービス」を開催していますが、こちらの費用対効果はどのようなものがあるのでしょうか。
A. こちらはコラボレーションの取り組みになります。OurPhotoさんのサービスをご利用いただいた際に、出張の撮影サービスと合わせてエアークローゼットをご利用いただくというコラボキャンペーンとなりますので、あまり大きな費用対効果があるかというと、そういうわけではないです。どちらかというと、マーケティング施策の一環で、出張サービスのOurPhotoさんをご利用される際のお客様がエアークローゼットを一緒に活用したりですとか、エアークローゼットのお客様が出張サービスを利用したりといったような相互送客のコラボレーションのキャンペーンになります。マーケティング主体の取り組みだとご理解いただければと思います。
今後も他社様とのコラボレーションのキャンペーンに関しては、いくつか展開をしていくのですけれども、基本的には相互送客ですとか、我々の新規顧客獲得のために行っていくようなコラボレーションとご理解いただければと思います。
Q. 役員紹介を見ますと、育休中の女性を除くと全員男性で占められています。女性をターゲットとしている会社であれば、役員に女性を増やす方がピンポイントな意見が出て良いのでは?と感じるのですがいかがでしょうか?
A.執行役員の中では女性が一名おりますけれども、レディースのサービスとはいえ、仕組み化が大事なサービスというところがメインになります。その中で、意図的に女性だけを取り上げていこうというところよりは、実力を中心として取り上げてきた結果にはなります。
ただ、今後、社外取締役も含めて、ダイバーシティを尊重するというところは変わらずありますので、そこは社外の動きなどを鑑みながらしっかりと考えていきたいと思います。
女性社員比率というところでは、特にファッションの部門に関しては92%女性となっています。女性の活躍という観点では、我々社内がだいたい50-50ぐらいの比率で女性が活躍している企業となっております。
Q最後に投資家の皆様に一言メッセージをお願いいたします
平日のお忙しい中、多くの方にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
本日お話しさせていただいた通り、現状ではまだエアークローゼットの事業規模は小さい状態ではありますが、必ず日本のサーキュラーエコノミーの旗手としてもしっかりと根付いていきたいと思っています。ファッションアパレル業界は大きな市場ではありますが、そのチャレンジングな課題に対して、これまで我々は会社一丸となって取り組んできました。
今後もPDCAサイクルをしっかりと回し、サービス改善を行うことによって、エアークローゼットのサービスが一般的で当たり前のものになっていくよう尽力してまいります。
長期的な視点で我々の取り組みを見守っていただき、ぜひご支援いただければ幸いです。
本日は、ご清聴ありがとうございました。