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[質疑応答パートの文字起こし]ROBOT PAYMENT(4374)IRセミナー 2023.11.18

2023.11,18に開催しましたROBOT PAYMENT(4374)IRセミナーの質疑応答部分の文字起こしになります。

■■■既に決済事業をやっている大手事業者がサブスクペイの領域に進出してくる可能性はないのでしょうか。
□□□大手企業がサブスクペイ市場に参入する可能性はありますが、現実的には低いと考えられます。サブスクペイの顧客は、中小企業や個人事業主が中心です。一方、GMOPGなどの大手事業者は、中規模~大規模の企業を主なターゲットとしていると考えています。サブスクペイでは、これまで大手事業者が狙わないようなターゲットへ注力してきました。また、当社の顧客は、全体の9割以上が直販で獲得しています。一方、大手事業者は、直販顧客が全体の約50%程度で、開発パートナー企業と連携して大手企業を開拓するといった営業方法をとっているのではないかと考えています。このように、攻め方やターゲットが異なるため、今後も、大手事業者と当社のようなベンチャー企業の棲み分けが続くと考えられます。
なお、当社がターゲットとする領域には、競合となるプロダクトもあります。例えば、メタップス社は、会費ペイというプロダクトを提供しており、営業担当者によると、大手事業者よりも会費ペイの方が競合するとのことです。

■■■月次のリカーリング収益には凸凹がありますが、季節性の要因はありますか。
□□□リカーリング収益にも、多少の季節性の要因があります。特にサブスクペイの方は、物販を対象としていないためクリスマス商戦などの季節性による変動は小さいですが、一部の消費活動が活発になる期間、例えば年末年始にかけては、売上が上昇する傾向があります。そのため、単月の売上には多少のブレがありますが、数ヶ月の移動平均線で見ると緩やかに増加しています。

■■■請求管理ロボの平均使用額が月額81,355円とのことですが、実際に人が行う請求管理業務は、大体何日分や何時間分のお仕事を削減できるものでしょうか。
□□□企業によって状況は異なりますが、例えば、企業が成長し取引先が増えたときに、請求書を毎月出すのが煩雑になり、ミスも多発するようになってきます。誰からいつお金が振り込まれて、その金額が正しいのか正しくないのか、など一つ一つが目で追えなくなってきた時に、経理担当として例えば月30万円の給料を支払って採用を増やすのか、特に請求業務自体は月末・月初にかなり集中する業務ですので、そのために人を増やすのかといった検討をした際に、請求管理ロボを導入することで、請求書の発行枚数が増えたり、事業が増えたりしても、現在の体制を変えずに業務を賄うことができるようになります。

■■■前年度よりも業績が好調である理由は、どのような要因によるのでしょうか。
□□□業績好調の要因は、大きく分けて2つあります。1つ目の要因は、顧客数の増加です。引き続き、顕著に増加しており、これが業績好調の第一の要因となっています。2つ目の要因は、新しいプロダクト「1click後払い」の収益の拡大です。2023年2月から徐々に拡大しており、2023年10月には月次売上の2~3%を占めるまでになりました。なお、「1click後払い」は、100%フローベースの収益であるため、今後の毎月の業績への影響は確実なことは申し上げにくいです。しかし、新しいプロダクトの収益が一定程度貢献している点は、業績好調の要因の一つです。

■■■1click後払いの市場規模はどれくらいを予想されていますか。また、今後も1click後払いのような新しいサービスを作っていく予定はありますか。
□□□1click後払いの市場規模は、まだ新しく立ち上がったばかりの市場であり、カード会社もマーケティングを進めながら市場価値を高めていく段階です。そのため、当社としても市場規模を正確に把握できず、現時点では予測が難しい状況です。収益については、2023年2月から事業を開始したばかりで、まだトラックレコードが浅いため、将来予測が難しいです。
今後の展開としては、来期・再来期に向けて、いくつかの新サービスを同時並行的に準備しています。そのうちの一つを、来期中に発表できる予定です。

■■■請求まるなげロボの与信審査は恐らく外注していると考えられますが、それにかかるコストを考えると、必ずしも必要な要素ではないと考えているのですがいかがでしょうか。
□□□まず、与信については、当社では社内で行っています。サブスクペイの与信については、20年以上の実績・ノウハウがあり、それを活かして請求まるなげロボの与信にも活用しています。もちろん、まだブラッシュアップの余地があり、精度の向上や債権金額の増加を目指して、社内で自動与信審査のモデル等の開発を進めています。
なお、サブスクペイでなぜ与信を行っているかというと、加盟店が倒産した場合、商品が壊れていたり、違ったものが届いたりしたときに、お客様に返金する責任を決済代行会社が負う可能性があるためです。

■■■ファクタリングオプションで未回収の可能性はありますか。
□□□一定程度のリスクがあります。現在、請求まるなげロボの貸倒率としては実績で0.2%~0.3%程度となっており、貸倒を低水準に抑えられております。貸倒率をゼロにすれば未回収リスクを回避できますが、取引量が減って粗利額が減ってしまうため、適切なバランスを見極めています。手数料は2%~で、そのうち0.2%~0.3%程度が貸倒になり、差額分をマージンとして確保しています。

■■■インボイスや電子帳簿保存法について、どのような見解をお持ちですか。
□□□インボイスや電子帳簿保存法については、すでに多くの企業が対応を進めており、今後も対応する企業は増えていくと考えています。一方で、対応に必要なコストや手間がかかるため、個人事業主など対応しない事業者も一定程度いるという認識です。その中で、徐々に100%に近づいていくと考えていますので、当社としては、インボイスや電子帳簿保存法へ対応した機能やサービスを提供することで、企業の生産性向上に貢献していきたいと考えています。

■■■値上げの検討について教えてください
□□□これまでも断続的に値上げを実施してきました。今後も、値上げを実施していくと思います。そのために、サービスの付加価値を向上させていけるよう開発を継続して行っています。直近や来年中での値上げは、今のところ予定しているものはございません。

■■■中期経営計画を再修正する可能性はありますか
□□□基本的に、この中計をしっかり達成し、さらに高みを目指すために努力したいと思っています。ただし、収益性を単年だけでなく中期的にも考え、将来の売上・利益を最大化する方法を模索して計画を立てていきます。新しいプロダクトへの投資なども含め、全体的な戦略を検討中です。目標達成はもちろん大切ですが、中期的な売上利益のバランスを考慮し、最終的には株主価値に繋がる方向で進めていくことが重要だと考えています。

■■■1click後払いについて競合他社や優位性は
1click後払いについては、請求書の後払いというサービス形態の特性上、他のプレイヤーとの差別化は難しいのが現状です。当社は8,300社以上の取引先を有しているので、その一部に1click後払いの利用を促すなどの施策が可能です。また、会計バンク社とパートナー連携して、全国への展開も進めています。これらの強みを活かして、競合優位性のあるサービスを提供していきたいと考えています。

■■■1click後払いで建て替えた資金が回収できなかった場合ロボペイさんが損失をかぶるリスクというのはありますか
□□□1click後払いについては、回収できない可能性はほとんどありません。回収できない場合とは、カード会社が破綻した場合です。しかし、現状ではカード会社が破綻する可能性は低いと考えられます。1click後払いは、カード会社がすでに与信を行った顧客に対して、後払いを提供するサービスですので当社が被るリスクは低くなります。

■■■今後もガイダンス(業績予想)の出し方は手堅く出すという方向性は変わらないのでしょうか
□□□ビジネスモデル上、固定費は比較的読みやすいものの、従量費は読みづらいため、大きく下振れすることがないように固めに計画を作っています。近年、サブスクペイの決済取扱高の好調や1click後払いの需要増加により、従量費が想定より伸びているため、計画を上振れて着地することが続いています。

■■■サブスクペイ Professionalや請求管理ロボ for Enterpriseという新しいサービスだと、今までのサービスより覚えることがとても多いのでベテランの優秀な営業職員を当てるという考え方でしょうか。
□□□イメージとしてはそのような考え方に近いです。特にサブスクペイ Professionalについては、これまでのサブスクペイの中小規模のお客様とは異なり、中規模から大規模のお客様向けのものです。そのため、お客様のオペレーションフローや細かい要件、カスタマイズなどを十分に理解し、提案ができる人材を育成しています。営業面でも、経験のある人員が主に担当し、事業展開を進めていく方針です。

■■■カスタマーサクセス部門を4Qで人員を増やすとのことですが、カスタマーサクセス部門を強化する背景とその投資する目的について詳しく教えてください。
□□□カスタマーサクセス部門は、請求管理ロボを導入したお客様に導入支援や利用状況の管理、追加オプションの提案などのサービスを提供しています。請求管理ロボでは今期、受注が好調であり、それに伴い、カスタマーサクセス業務の量が大幅に増加しています。このため、業務量が一人では対応しきれない状況になり、お客様への対応が遅れるなどの問題が生じていました。こうした状況を改善し、お客様に迅速かつ高品質なサービスを提供するため、カスタマーサクセス部門の人員を増員することを決定しました。
カスタマーサクセス部門の人員増加により、お客様満足度の向上と事業の成長につなげていきたいと考えています。

■■今の説明だと、捌ききれないということは、1ヶ月待ちのような形で、待たせてしまっている状態が起きているという認識でよろしいでしょうか
□□待たせてしまっているというよりは、バランスを見て契約時期を急がずに設定していただくなどの対応をさせていただくことがありました。カスタマーサクセス部門において適切なスキルを持った人員の補強ができたことにより、このような状況が改善してきましたので、今後お客様に迅速かつスムーズにサービスを提供できるようにしていきたいと考えています。

■■■サブスクペイの成長余地について
□□□各種レポートやデータを調査していますが、適切なものが見当たらず、実績としては、決済取扱高の推移を見る以外に手がありません。決済取扱高が増加している要因としては、お客様数の増加と1社当たりの決済取扱高の増加が挙げられます。
率直に言うと、我々は市場の5%~10%のシェアを持っているプレイヤーではなく、せいぜいまだその0.数パーセント程度しか持ってないので、まだマーケットの大部分を網羅しておらず、ごく一部の顧客を獲得できているに過ぎません。自助努力によって成長できる余地がまだまだあると認識しているところでございます。

■■■サブスクペイは売上入金に関わるインフラだと理解しています。例えば、ある企業が御社のサービスを導入した場合、他の決済代行サービスを併用せず、独占的に御社のサービスを利用すると理解してもよろしいでしょうか。
□□□はい。決済代行会社を併用しているというケースはほとんど聞いたことがありません。インフラのようなイメージというのはかなり正確です。安定的に稼働を維持し、問題なく運用していくことが非常に重要であり、契約を見直される可能性は少ないと言えます。実際に解約が発生するケースもありますが、その理由の8割以上は、ビジネスがうまくいかず、個人事業主や小規模事業者が資本の余裕がなく撤退するケースです。

■■■例えば、日本経済新聞や朝日新聞などの御社のお客様ではない大手企業に対しては、御社はビジネスチャンスを失っているという見方も正しいと言えますか。
□□□はい。既存のeコマース事業者については、既に何らかの決済代行サービスを利用しています。そのため、すでに決済代行を導入している企業に対し、サービスをコロコロと変えていく提案を行うよりも、新規参入がどんどん増えている業界の中で、しっかりとマーケティングを行い、サービスを提供していくことが重要です。

■■■M&Aを活用して新たなビジネスを獲得していくことも一つの戦略だと考えています。御社は資金力も豊富ですので、M&Aを活用した戦略も十分に検討できると思いますが、今後のM&A戦略について教えてください。
□□□M&Aも中期経営計画のうちの一つの戦略として捉えて、ソーシング活動などを行っています。高値掴みや将来的な減損にならないように、しっかりとバリュエーション等を慎重に検討しています。また、M&Aを行う場合は、自社の事業として立ち上げるべきなのか、他社の事業を買うなら既存事業とのシナジーがあるのかをしっかりと検討することが重要です。営業基盤や顧客層が共通しているなど、シナジー効果が期待できる企業を対象としてM&Aを進めていこうと考えています。

■■■投資家の皆さまへ
□□□本日はお忙しいところ、また、お寒い中、会場の皆様、オンラインの皆様、誠にありがとうございました。冒頭申し上げた通り、当社は、まだ上場して2年ちょっとの若い会社です。そのため、まだまだ不慣れな点や未熟な点も多くございます。資料の最後の方に、IRの公式メールマガジンやLINEの公式アカウントをご案内しております。皆様からのご意見やご指摘を、ぜひお寄せください。厳しい声も含めて、皆様から学ばせていただき、より良い企業を目指してまいります。

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