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[質疑応答パートの文字起こし]イー・ギャランティ(8771)IRセミナー2023.11.14

2023.11,14に開催しましたイー・ギャランティ(8771)IRセミナーの質疑応答部分の文字起こしになります。

■■■金利が上がった場合の影響はどのようなものでしょうか

□□□金利が上がった場合にどのような影響が生じるかというところになりますが、金利の上昇による直接的な影響はないと考えております。リスク移転先の金融機関についても再保証や再保険については資本を使えませんので、投下した資本に対するリターンという点では他の金融商品とは単純比較できないというようなところが理由になっています。

間接的な影響としては、金利の上昇は企業が倒産する数の増加に一部影響を与えると考えています。そのような点において保証をかけたいというニーズの高まりにはつながると考えております。間接的ではありますが、プラス要素となると考えております。

■■■採用計画を教えてください

□□□今期につきましては、今年の4月に40名程度の新入社員の方が入社していただきました。来期については50名程度の入社を予定しております。その後も増員を予定しております。

■■今40名程度というお話をされましたが、これは前期までの数字に比べてかなり多い数字になっていると考えますが、これは離職が多く、それだけ雇わないと従業員が増えていかないという意味ではないと考えていいのでしょうか。

□□離職率については、現在11.8%程度となっており、全国的な平均からは少し低めに出ている状況です。ですので、人がどんどん辞めていっているから採用しているというわけではありません。

■■■営業人員の方は金融機関にどのような営業をされているのでしょうか。

□□□当社の営業担当者は、担当している地方銀行さんがいくつかあります。そちらに対して定期的に訪問し、お客様のご依頼をお願いしている状況です。その際には、成約事例や統計を取った結果、成約しやすいお客様の業種であるとか、銀行の方がお客様に持っていく用のチラシなどを持って行ってご紹介を依頼している状況です。また、人間関係が構築できるようになると、紹介を多くいただけるというものがありますので、会食なども実施して人間関係を構築していっているというのが営業方法になります。

そうなってきますと、なかなかそういうので「もっと保証してください」と言っても、金融機関さんとしてもお客様がそんなにたくさん全体数が突然増えるわけでもないと思うのですが、金融機関さんがイー・ギャランティさんのサービスをよりプッシュしていただけるという感じで考えてよろしいのでしょうか。

金融機関の地方銀行さんについても、取引先に対してさまざまなメリットのあるサービスを提案したいと考えていらっしゃるという点がありますので、ちょうどよく当社のサービスを持っていっていただいて活用していただければ、いい意味でそういった関係になりますので、よくご紹介いただいている状況です。

■■■たくさんの金融機関と提携を結んでいますので、今後の伸びしろはあるのでしょうか

□□新しく提携をしていくところについては、地方銀行さんもかなり提携しておりますが、信用金庫さんなどについてはまだまだ12行というところで、開拓の余地が大きくあると考えております。既存の地方銀行においても、まだまだ当社の営業不足というところで、まだまだお客様をご紹介いただける余地が多くあると思っております。まだまだ当社が接触したことがある企業というものが全体の5.2%程度しかありませんので、これからも深掘りしていけるところだと考えています。

 ■■提携しているところは地方銀行がメインになるのかなと思うのですが、メガバンクさんはイー・ギャランティさんのサービスを利用されないものなのでしょうか。

実際に提携などはないのですが、メガバンクさんについては、ご自身の子会社であるファクタリング会社、みずほファクターさんであるとか三菱UFJファクターさんであるとか、そういった保証を提供している会社が子会社にあるというようなところがありますので、おそらくこちらから提案していっているところだと思います。

■■■ファンドはどのような扱いになっていますか

□□□ファンドでの引き受けを含む保証の引き受けにつきましては、当社の資産を使っておりませんので、BSにもPLにも載ってこないという形になっております。偶発債務ということで、BSの注記として記載させていただいているという内容になります。

■■■具体的な保証契約のイメージを教えていただきたいのですが、例えばある企業に対して、これから1年間の間に発生するであろう売掛金のうちの1億円について、保証料率を払うからイー・ギャランティさん、保証してくれませんかというようなイメージなのでしょうか。

□□□ご認識のとおりになります。これから1年間の間に発生する売掛金であるとか、あとは積み上げ的に債権が1億円たまっているので、ここについて保証をかけたいというところで、保証料率を払うので当社に保証していただきたいというところでご依頼をいただくというものになります。ご認識のとおりになります。

■■■今回の第二四半期の決算説明資料を見てみますと、低リスクな大口特殊契約の積み上げ約100億円により増加と書いてあります。この大口特殊契約の積み上げ約100億円とはどのようなものでしょうか。できる限り具体的に教えてください。

□□□こちらについては、例えばお客様の会社の方針で、取引先の全てを対象にするというような方針をお持ちのお客様で、実際にほぼリスクがないような企業についても保証をかけていらっしゃるというような契約が増えまして、そのような記載とさせていただいています。リスクが低い先なので、保証料率が低くて、債権額が大きいというような場合が多いようになっています。

■■リスクが低ければ、イー・ギャランティさんも利用しなくてもいいのではという考えも出てくるかと思いますが、利用されるメリットはどのようなところなのでしょうか

□□おっしゃる通り、当社を利用する必要はないような企業になるかと思います。でも、お客様の方針などで全てを全部保全しなければならないというような会社の方針に取られているようなところでは、取引先の全てを保証するというようなことが起こり得ますので、そういったことがあります。

■■■倒産件数の増加により、補償料率の引上げや流動化コストの上昇につながると思います。それらは同じタイミングで起こると考えてよいのでしょうか。それとも、流動化コストの上昇が先行し、一時的に利益率が悪化するのでしょうか。

□□□同じタイミングで起こると考えてよいのですが、若干タイムラグがあります。お客様との契約は日々更新されるため、お客様に提示している料率の方が先に上昇します。

■■■費用対効果が低くても広告を打つなど選択肢もあると思うのですが、採用しない理由を教えてください。

□□□広告は、ダイレクトメールなどを送る程度は実施していますが、効果の面で比べて、提携先の金融機関からご紹介いただくというところの効果が大きいので、そちらに資源を集中しています。当社のこともあまり知らなくて、このような商品をあまり知らないという場合には、なかなか広告を見て問い合わせてみようというよりも、普段から付き合いのある金融機関から紹介いただくというところが効果が大きいので、やはりそちらの方がメリットが大きいかなというところでやっております。

■■■社外取締役として馬渕磨理子さんが就任されました。馬渕さんに期待する点はどのようなところですか。

□□□馬渕磨理子取締役には、経済アナリストとしても幅広い見識と豊富な経験を持ちでいらっしゃいますので、当社の企業価値向上のためにアドバイスを多くいただくことを期待しています。本日のKabuBerryさんもご紹介いただいたり、このイベントもXでリポストいただいたりしておりまして、IRの施策などについても親身にご助言いただいています。

■■■日本経済新聞にほぼ正確な業績予想が発表されているのはなぜでしょうか。内部流出されているのにしか見えません。

□□□日本経済新聞側で独自に出している事項であり、当社で発表している事項には該当しません。おそらく、当社が売上を分割計上している、原価率が一定である、販管費が概ね予算通りに推移するというところからの過去からの推移で予想してやっているのではないかと思います。

当社としても、日本経済新聞に対して抗議しています。今後はこのようなことがないように期待しています。

■■■売上を分割計上すると、やっぱり計算が立てやすいということになるんですかね。

□□12分割で積み上がっていくため、比較的予想しやすいところになります。波がないという状況になりますので、その意味では立てやすいと思います。

■■■2023年9月には過去最多の契約を獲得されたとのことですが、足元もその傾向は続いているのでしょうか?それとも一過性のものなのかどちらでしょうか

□□□10月や11月の今までのところを見ましても9月を超えるほどではありませんが、多いという傾向は続いていますので、一過性のものではないと考えております。

■■契約が増えている要因とは、従業員を増やしたことが最も大きいのでしょうか?それとも景気の回復が影響しているのでしょうか

□□どちらが大きいかと言いますと、両方複合的に作用して増えていると分析しています。

■■■リスクポートフォリオの見直しについて、信用度がグレーゾーンに合う先を中心に保証枠を減少させたと今回の資料の説明に書いてあります。これは自社で抱えるリスクを対象にしているのであり、流動化するリスクは関係ないという理解で合っていますか

□□□こちらは自社で抱えるリスクも、流動化しているリスクについても同様に見直しを行っております。流動化しているリスクにつきましても、倒産等が多く起きてしまいますと、翌年度以降の再保証料率の上昇につながってきますので、不要なリスクのところについては受けないといいますか、適切にリスクをコントロールできるように、こちらは両方合わせて見直しを行っております。

■■■保証できるかグレーゾーンの企業はどういったもので測るものなのでしょうか

□□□先ほど申し上げたデータを使った審査というものをしているので、このA社という企業がこのような特徴があって、それぞれこの特徴に該当する企業の過去の倒産確率というものは何%なので、大体この企業の危なさはこれぐらいだろうというところをまず一時的に見た後に、例えばリスクの金額が高額であるような場合には、もっと人が周辺の状況を調べて、それをさらにブラッシュアップして審査をしていくというのがイメージになります。

■■■信用保証業界第一位とのことですが、シェアでいうとライバル企業ももちろんいると思いますが、全体の何パーセント程度になるのでしょうか?また、上場企業で同じような会社はあるのでしょうか
□□□シェアについてはデータがありません。ヒアリングベースになりますが、おおむね40から45%程度というところが当社のシェア額と認識しております。上場企業での同業他社ですが、ラクーンホールディングスさんが保証サービスを提供していらっしゃいますが、当社とちょっと商品のタイプが違いまして、小口で料率が高いような保証サービスを提供されていると認識しています。ラクーンホールディングスは直近で保証債務高が470億円程度の規模で実施されていたと考えております。

■■■参入障壁というのはどのようなものなのでしょうか

□□□2、3年ほど前にテック関係の企業が保証事業や債権の買取事業に参入されたということがありましたが、現状はあまりうまくいっているという例は聞いていないというような状況です。当社も膨大なデータベースをもとに倒産確率を自動判定するロジックというものを持っていますが、これだけで予測判断をするということがやはり難しいですね。現に審査の自動化に頼って予測をした結果、大きな損失を発表した企業などもありましたので、やはり長年の経験値に基づいた審査というものが、ある程度必要になってくると考えております。そういったところが他の会社さんの参入障壁になっていると考えています。

■■■2位3位というのは、業界では同じ会社はないと思いますので、どの程度の規模なのでしょうか

□□□正確なデータはないのですが、確かに2位や3位が、先ほどちょっと申し上げた銀行の子会社のファクタリング会社になります。

■■■これまで全く個人投資家説明会を開催されていなかったイー・ギャランティ様が、今回個人投資家説明会を開催されるに至ったきっかけは何でしょうか

□□□馬渕社外取締役の影響が大きかったと考えております。今後も個人投資家の方はもちろんのこと、様々なIRを馬渕社外取締役にアドバイスいただきながら強化していく予定でおりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

■■■こちらこそよろしくお願いいたします。

 

■■■機関投資家向けにIR活動をされてきているかと思いますが、機関投資家様と打ち合わせはどれぐらいなのでしょうか。また、機関投資家様からどのようなご質問があるのでしょうか。

□□□まず、打ち合わせのペースになりますが、月によって変動がありますが、先月の10月30日に当社決算発表を行ったのち、その翌日から今日までの2週間を見ますと、16社の機関投資家の方とのミーティングを実施させていただきました。機関投資家様からのご質問については、初めての機関投資家の方や更新されている方と色々ありますが、概ね本日ご質問いただいているような内容とかなり重複してくるようなところが多くあります。他に、株主還元に関する考えなどご質問いただいております。

■■■機関投資家様18社というのは以前と比べて多い少ない、どのような肌感覚で考えればよろしいのでしょうか。

□□□あまり変動していませんが、同じくらいです。

■■■少し前の認識ですが、補償債務の一部を再補償せずに自社で抱えていらっしゃったと思いますが、つまり再補償をしなかった方がうまくいけばもうかうかということですね。これ、現在自社で抱えているリスクの比率は全体でどのくらいになるのでしょうか。

□□□こちらは、当社自身で保有している部分と、連結対象のファンドで保有している部分を合わせまして、全体の15%程度になっております。ご指摘のとおり、比較的リスクが低い部分について、当社のグループのほうで保証しているというような形になります。

■■■営業利益率、営業利益額、売上を着実に伸ばしていながらも、株価についてはここ3年程度ボックスを形成し、足元でボックスを割ろうという動きも見えます。御社として今後、新任者で新しい投資に取り組むために、ここ3年の株価の動きについての見解と、今後はどのようになっていくかということをご教授いただけたらと思います。

□□□おっしゃる通り、弊社の収益を重ねている一方で、この3年間はあまり株価が差えない状況になっておりました。足元の株価の下落はマーケット全体の要因が大きいとは考えているのですが、今後、倒産が増えていく環境の中で、保証会社としては売上や利益を伸ばしやすい環境にはなっておりますので、今後IRを強化して露出も増やしてまいりますので、株価は上がってくるのではないかなというところを考えております。

■■■5年くらい前、イー・ギャランティー様と当時のトラスト&グローズさんの保証サービスを比較してみると、圧倒的にイー・ギャランティー様の保証料率が低かったと記憶しています。現状も金融機関以外の競合との価格優位性は維持できていますか。

□□□トラスト&グロースさんは今、先ほどちょっと話していたラクーンホールディングになっているかなと思います。なので、先ほどのお話と重複するところはあるのですが、価格の優位性というものは保てているというふうに考えています。先ほどの当社の流動化しているので、コストも低く提供できるし、限度額も大きく出せるというようなところがポイントになっています。

■■■総資産から比較すると、現金の保有比率は50%を超えているように見えます。こちら今150億以上の現金ということですね。この現金はどのような理由で、何のために保有されているのでしょうか。また、投資有価証券額も年々増加しているように見えます。この中身を教えてください。

□□□保証会社という業態の特性上、一定の現金を保有しておく必要があると考えています。そのため、現金の比率が多めになっています。投資有価証券の内容は、シングルA以上の債券です。現金については、チャンスがあればM&Aなどの投資に活用する可能性もあります。現金を運用するについては、引き続き安全な運用をベースに考えていきます。

■■■先ほどもし倒産とかそういったことがあったために現金を置いておくよというのは言われましたが、ただ先ほど説明でもものすごいノウハウがあって保証しているため、倒産になる確率はかなり低いように感じました。

□□□おっしゃる通り、倒産が起きても十分に対応できるだけの現金を保有しています。そのため、現時点では現金を使う予定はありません。お客様からすれば、たくさんの現金が安心だと考える方もいらっしゃるかもしれません。また、銀行様に対しても、財務の健全性を示すことができると考えています。

■■■保証残高1.2兆円、10ページ目には、保証債務7,318億円と書いてありますが、保証残高と保証債務は別物なのでしょうか。

□□□保証債務とは、お客様が実際にお申し込みをした金額の合計です。保証残高とは、保証債務に加えて、契約によっては設定される保証枠の合計です。

■■■倒産件数が上昇傾向にも関わらず、平均保証率は低下傾向になっている点について教えてください。

□□□新規契約については順調に伸びていますが、一方で既存のリスクの高い部分の見直しを行いました。リスクの高い部分は、高い保証料率をいただいているところです。そのため、リスクの高い部分の保証額を減らしたことで、平均保証率が低下しました。

■■■今から採用を強化してきますということですが、採用された方といいますのは営業が大半なのでしょうか?営業人が増えることで売上は比例して増加するイメージでよろしいでしょうか

□□□この1、2年で採用した人の8割は営業部署に配属しています。当社の採用はほとんどが新卒です。そのため、売上に現れてくるまでには3、4年かかると考えています。ある程度の経験を積んだ営業担当が増加すれば、売上も一定程度比例して増えると考えています。

■■■営業が売れるのに3年ほどかかるということをお話しされたかと思うのですが、やはり商品として難しい内容だからでしょうか?実際、金融機関との契約が3年くらいすべてかかるものなのでしょうか

□□□当社のお客様の商談相手となるのが、中堅企業などの場合、部長さんや社長さんなど、経営者層と商談をしていくことになります。そういった方々に対して、営業をして、当社の商品の良さをきちんと伝えられるようになるには、やはりすぐにはいかず、大体3、4年というものを要しています。

ただし、先ほど少し営業のパターン化された販売方法を進めているという話をしましたが、こちらを進めることで、3、4年を要する中でも、早い人はどんどん独り立ちしていくという人が少しずつ増えてきています。そのため、今後は一部変わってくるかなというところも考えています。

 ■■■営業に向いていない社員への対応はどのようにしていますか

□□□確かに本人の適性などもありますので、面談などを通じて、また頑張れる方は頑張っていただきますし、配置転換(例えば審査部署に移動するなど)することもあります。私も昔営業部門にいてあまり素質がなかったので、管理系部門に配置転換されたことがありますが、このように配置転換する例は結構あります。

 ■■営業で大変なこととなると、契約が取れないとかそういったところになってくるものなのでしょうか

□□当社の商品はオーダーメイドでいろいろ組み合わせてご提案できるというようなものになりますので、決まったこれだけを売っていればいいというところではないので、結構そのお客様との交渉するスキルであるとか、いろいろなお話しするスキルというところが結構必要になってきますので、なかなか一筋縄ではいかないところもあるかと思うんですが、先ほどのちょっとまたパターン化されたというところになるんですけれども、なるべく一般化された勝率が高い方法でみんなに提供していってもらうというところを進めております。

■■■提携金融機関に紹介により営業を行っているということですが、100以上の営業先があり、全ての営業先に御社の担当の従業員をお伺いすることが現状できているのでしょうか

□□□こちらについてはお問い合わせが来た者に対しては当社の営業の方で担当者割り振りするというところはできております。ただ、もっと今後深掘りしていけるだろうというところについては、まだ資源を投入できていないかなというふうに考えているので、営業人員を増加させてどんどん開拓していくというところには注力していきたいというふうに考えています。

■■■リスクを引き受ける側として個人の募集や商品化というのはあり得る話なのでしょうか

□□□こちらは一般の方にはなじみのない商品でありますため、現在は個人向けに引き受け機会を提供するということは考えておりませんが、今後の検討課題として考えています。また、1件あたりの引き受け金額もかなり大きくなりますので、こちらについても今は金融機関などの機関投資家に限定しているというような状況になります。

■■■今後注力したい業種はありますか

□□□特定の業種では特に考えておりません。企業間の信用リスクが発生するところについては幅広くご検討いただけるので、特段絞らずに保証サービスを提供していきたいと考えています。

■■■投資家との会談は、機関投資家の方と決算説明会と同じように記載していただいたらどうでしょうか?最近の他の企業様ですと、機関投資家様と面談すると記載する企業もありますし、機関投資家説明会とか、公開できるところの範囲にはなるのですがいただいたQ&Aみたいな形で開示される企業もあります。このような情報開示はどうでしょうか

□□□貴重なご意見いただきまして、決算説明会の充実化やQAの開示など充実化については今後もIRとして大事な仕事と考えておりますので、検討させていただきたいと思います。

■■■有価証券報告書によれば、御社が出資している連結子会社のファンドを通じて1000億円程度は御社自身がリスクを引き受けているようなのですが、御社自身もリスクを引き受けている理由を教えてください。

□□□なぜ当社が連結子会社のファンドでリスクを引き受けているかというところになりますけれども、金融機関などの先に流動化しますと、すごくリスクが低い企業に対しても一定程度の再保証料率というものは発生してしまいます。その一方で、本当にリスクが低い先というものはファンドを通じてリスクを引き受けますと、かなり低い料率で引き受けることができますので、こちらについては当社の方で受けた方が利益が出るというところを見込んで実施しているということになります。

■■■今回の資料に営業従業員の推移が掲載されていました。以前はどんな感じだったんでしょうか

□□□大変申し訳ありませんが、ちょっと手元に数字がありません。また、こちらは開示していない事項になりますので、回答を差し控えさせていただければと思います。

■■■中期経営計画の開示は検討されないのでしょうか?今の考えで、今後の売上成長率はどれくらいになるのでしょうか

□□□中期経営計画については、当社の業態が倒産状況に多く影響を受けるものでありますので、過去からお出しはしておりませんでした。ただ、過去には計上利益の50億円というものを一つの目標に掲げていたということがありまして、そちらについてはもう達成が見えてまいりましたので、次の5年後10年後のマイルストンになるような数字は何か定めるということを検討しております。今後の売上のスピード化につきましては、ご記載のとおり2桁成長として進めていくところを目指しております。

■■イー・ギャランティさまは20年以上の会社が長いということになりますが、リーマンショックも経験しているかと思います。そうなってきますと、受けた保証が倒産してしまったということは、そういった景気が悪い時代は、今リスクを取らないという選択肢もある中で、多いものなのでしょうか?

□□確かにリーマンショックの時には、当社の保証履行の件数も増えていきました。しかし、リスクの高い先は引き受けないというようなリスクのコントロールも行っていましたので、そちらで大きなマイナスは出すことはありませんでした。また、お客様の方でニーズの高まりがありましたので、たくさんの要望をいただいて、多くご契約いただきました。

■■■利益還元方針について教えてください。現状、配当性向が50%を超えていますが、御社のビジネスは保証債務の残高に応じて資本を積み上げる必要性があり、あまり利益還元に力を入れすぎると成長を阻害することになるのではないのでしょうか。また、今は年1回の配当なのですが、中間配当を実施していない理由はどのようなことなのでしょうか

□□□仮に当社が全て自分でリスクを受けていたと仮定していたような場合でも、だいたい保証債務の残高に対して1、2パーセントの自己資本があれば十分というふうに考えております。これは海外の格付けにはなりますが、海外の基準ではシングルAかダブルAが取れるぐらいの水準の割合になりまして、そういった意味で十分に今の状態であるというようなことのため、株主関係については引き続き重視してまいりたいと考えております。中間配当につきましては今のところ考えていないのですが、今後につきましては選択肢として検討してまいりたいと考えています。

■■■もう少し高い売上成長率でもいいのかなという疑問が湧きますが、この理由は「よりリスクの低い業務のみに絞っているから」「銀行などの堅い業種への営業によって開拓に時間がかかるから」のどちらになるのでしょうか。

□□□当社の性格として比較的慎重に物事を進めるというところもありまして、リスクの低い保証業務に絞っているからというふうに記載いただきましたが、こちらのとおりでして、リスクをコントロールできる範囲で事業を拡大していきたいという考えのもとで実施しているというものがあります。また、営業人員の不足も一部の要因となっております。営業の人員はまだまだ不足している状況ですので、まだこのような成長率になっているという状況になります。

■■■御社の売上向上については、最大の課題はどのようなことでしょうか。

□□□一つ挙げますと、営業人員の不足というところかなと思っております。まだまだ深掘りできるところや、アプローチできるところに対して、もっと人員がいればアプローチできるのにというところがあっておりますので、こちらが大きな理由かなというふうに考えております。

■■営業では仕事がありすぎて周りきれていなかったことがあったのでしょうか。

□□例えば、宮城県に1人しか営業担当がいなくて、お客様からお声掛けいただいたらそちらに行くんですけれども、もっと本当は地方銀行さん回って当社のことを知っていただいてということが本当はできるはずなのに、1人しかそこにいないので回らなくて手が回なくてというようなことは昔はよくあったというような状況ですね。

■■■営業ではWeb面談などで効率化できるものなのでしょうか。

□□□やはり当社もコロナ禍の時はだいぶZoomでの面談などを実施していたんですけれども、やはりその成約率というところでは、実際にお会いする方の方が格段に確率が高いというところがデータで出ていまして。なので、Zoomで面談させていただくというよりかは、実際にお会いしてお客様にきちんとヒアリングしてあってというようなところを重視しております。

■■■株主資本が積み上がり、ROEの低下の可能性がありますが、今後ROE向上のための支度はございますでしょうか。

□□□ROEにつきましては、米国の企業並みの20%程度であるべきと考えております。ご指摘のとおり、これまで株主資本の積み上がりでROEの低下の要因にもなっておりますので、例えば自社株買いなどの実施も選択肢として検討してまいりたいというふうに考えております。

■■■前年末に株主優待をやめた影響はどのようなものだったのでしょうか

□□□確かに優待を廃止した直後は、個人投資家の方の比率はかなり低下いたしました。その後は、色々な雑誌に取り上げていただいたということもありまして、逆に増えているというような状況になります。今後は、このような形で個人投資家向けのIRも強化してまいりまして、より個人投資家の方にも株式を購入してもらえるように努めてまいりたいと考えています。

 ■■■配当方針について、安定配当の需要が大きい状況で、DOEなどを採用している企業も出てきています。安定配当を強調する方針を強く打ち出すことで、企業価値向上に貢献できるのではないかと感じていますがどうでしょうか。

□□□今年の6月から、馬渕取締役がご参加いただけるようになってから、取締役会においても株主還権のあり方を議論する機会もだいぶ増えております。その中でも、配当に関する考え方も打ち出していくべきだというような議論もしておりまして、当社としての方針も公表していくということを検討してまいりたいと思っております。

■■■欧米で御社と同様の債権補償サービスを行っている代表的な会社というのはどのようなものがあるのでしょうか

□□□具体的な会社名で申ししますと、コファスまたはアトラディウスという会社、あとはユーラーヘルメスという会社が欧州のビッグプレイヤーになっています。

■■そのような会社が日本に進出する可能性はないのでしょうか

□□実際に進出はしていますが、規模がかなり小さいです。例えば、当社が営業していて競合で当たることもごく稀にしかないのが現状です。

■■やっぱり営業人員が向こう少ないということになりますか

□□やはりそうなんだと思います。

■■■投資家のみなさまへ

□□□本日は、平日の夜遅い中、お時間をいただきまして、誠にありがとうございました。皆様からの多くのご質問をいただきまして、当社といたしましても、すごく勉強になって、お力をいただけたというような機会をいただくことができました。これからにつきましても、IRの方を強化してまいりまして、皆さまにイー・ギャランティのことをよく理解していただけるように努めてまいりたいと思いますので、今後ともご支援賜りますように、何卒よろしくお願い申し上げます。本日はどうもありがとうございました。

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