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[書き起こし] アプリックス(3727)IRセミナー・質疑応答 2024.5.27 開催

2024.5.27に開催致しましたアプリックス(3727)IRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。

登壇者名 代表取締役社長 倉林 聡子 様

IRセミナー

はじめに

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株式会社アプリックス 代表取締役社長の倉林でございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

本日はお忙しい中ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。限られた時間ではございますが、少しでも当社のことを知っていただき、興味を持っていただけるよう、分かりやすい説明を心がけますので、最後までお付き合いいただければ幸いでございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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では早速ですが、本日のアジェンダをご説明させていただきます。まず会社概要の方をご説明させていただいた後に、当社の事業概要、それから経営指針をご説明させていただきます。その後、直近の業績を中心に概要を説明させていただきます。また自己株式の取得の内容、トピックス、人的資本経営への取り組みという形でご説明させていただきたいと思います。

会社概要

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当社は株式会社アプリックスと申しまして、1986年に創業いたしました。現在39年目の会社となります。従業員の方が連結で51名となります。50%強がエンジニア開発のメンバーという構成になっております。

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沿革といたしましては、創業後組込みソフト開発を中心にやっております。特に1996年にJavaのライセンスを取得し、その後組込み向けのJava実行環境、JBlendを発表いたしました。そちらが国内外の携帯電話メーカーに採用されまして、累計出荷台数は9億台となっております。こちらの製品を機に2003年に当時のマザーズ市場の方に上場しております。

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弊社の経営理念は「テクノロジーの力でワクワクの共有と価値創造」を掲げております。こちらは昨年の2月に新たに設定した経営理念となります。この後も説明しますが、長い間赤字に苦しんでおりまして、その中で事業を立て直し業績を改善していく中で、ようやくそこが立ち直って、なんとか黒字の方が安定的に出せるような体制になりました。その際に経営理念も改めて策定をし直した形となります。特にここの中の「ワクワク」というキーワード、これがまさに私たちの気持ちが表れていて、社員全員がワクワクできるような会社に、そして弊社が取り巻く人たち、株主投資家の皆様あるいは取引先の皆様、皆さんがワクワクして、そういったところでワクワクを共有して、一緒に価値の創造ができるような会社になりたいなというような思いを込めております。

事業概要

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続きまして事業概要です。当社は現在ストックビジネス事業とシステム開発事業の2本立てで行っております。

ストックビジネス事業におきましては、安定的に収益獲得ができるものということで、継続的に収益を獲得できるビジネスが中心となっております。この後詳細にご説明いたしますが、主にMVNO、MVNEといった通信系のサービス、あとは自社サービス、他社のクラウドを提供するサービスが含まれております。

それからシステム開発事業でございますが、こちらは創業来行ってきた組み込みシステム開発を中心に、アプリケーションの開発、バックエンドの開発、クラウドの開発などを行うとともに、関連した運営管理やサポート、あとはIoT製品の販売などを行っております。弊社といたしましては、それぞれの事業が個別に動くのではなく、システム開発で培ってきた技術や知見をストックビジネス事業にも活かしてビジネス全体をさらに拡大させていくために使うという形の技術の転換といいますか、利用を促進するという形で、それぞれの事業が成長していくような形を目的に2つの事業を推進しております。

ではまずストックビジネス事業のラインナップについてご説明をさせていただきます。

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「MVNO/MVNE」は通信系のサービスであり、音声、データ通信のサービスをご提供しております。こちらのテーマは後ほどもう少し詳しくご説明させていただきます。

また「モバイルWi-Fiルーター The WiFi」というサービスをご提供しております。こちらはコロナの頃にちょうど発売させていただきましたが、ご自宅でもあるいは外出先でもWi-Fiを持ち歩くことができ、モバイルデータ通信の利用をより楽しんでいただけるようなことを支援するサービスになっております。

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それから「通信機能付きAIドライブレコーダー AORINO」をご提供しております。ドライブレコーダーをサブスク型でご提供しております。こちらはクラウドにつながっておりまして、例えば危険運転があったときに、運転の状態をクラウドにアップロードをする機能や、毎回の運転の状態がどうであったかを通信簿をつける形で判定をしてご提供するという、安心運転通信簿という機能が搭載されております。またドライブレコーダーのボタンを押すと緊急時の110番通報もできるという形で、いざというときの安心運転を行うことができる、安心安全につながるようなサービスとなっております。こちらには「AORINO Biz」という法人様向けのサービスもご提供しておりまして、法人様向けの管理ページなどをご用意しており、より企業様が使いやすいような形のサービスとなっております。

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それから「自社IoTサービス」と書いておりますが、弊社が以前よりご提供しております「HARPS」というサービスがございます。こちらは水処理のシステムに流量センサーであるとか簡易TDS(総溶解性固形物)センサーといったものを設置し、その状態をセンシングしてクラウドにアップロードすることによって、浄水器のフィルターの使用状況であるとか、交換時期、あるいは水の汚れ具合などをモニタリングすることができるプラットフォームとなっております。

「unio」は「IoT用データ通信サービス」です。1ギガから低速高容量であったり、高速高容量であったり、様々なニーズがあると思いますが、ニーズに応じたデータ通信ができるSIMをご提供するというサービスになっております。

「Neutrix Cloud」は他社様がご提供するサービスです。国産のマルチクラウドストレージサービスとなっておりまして、高速大容量、低価格といったところが特徴とであり、弊社はこちらの販売代理店という形でサービスをご提供しております。

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最初に申し上げました「MVNO/MVNE」、こちらは現在のストックビジネスのかなりのボリュームを占めるサービスとなっております。詳細をご説明できればと思います。

通信業界におきましては、MNO、MVNO、MVNEが主なプレイヤーとなります。MVNOは、いわゆる大手キャリアであるMNOの下のレイヤーMVNOから回線を借り、それをさらに一般のユーザーに販売するという流れになります。その際に携帯メーカーから端末を仕入れたり、あるいはコンテンツ提供会社から様々なコンテンツを仕入れたりして、それを会社としてプランニングをしてユーザー様にご提供するというような形となります。

当社のビジネスとしては大きく3つの流れがありまして、まずは一般顧客のユーザーに直接サービスをご提供するパターンがあります。また、弊社サービスの「かんたんMVNO」といった形でご紹介したりしておりますが、他社様が他社様のブランドで通信サービスを行いたいといったときに、弊社がパワードバイ、いわゆる裏方としてサービスをご提供するパターンがあります。ただしあくまでもサービス提供者としては当社側になるというようなものです。

それからOEMという形で、他社様のブランドで他社様がお客様の契約とかも全部持つ形でサービスをご提供する場合、こちらの3つのパターンがございます。

弊社では、簡便的ではありますが、上側の赤枠の部分をMVNO、下側の緑枠をMVNEと呼んでおります。ざっくりとした定義になりますが、ご理解いただければと思います。

弊社のここでの強みといたしましては、直接MNO、MVNEから回線等を仕入れておりまして、かつ弊社内で契約管理や、請求収納管理、代金回収、物流センターの管理、コールセンター業務などを行うことができるというところで、様々なプラン設計等ができ、それをエンドユーザー様に直接、あるいは通信サービスを行いたいお客様に対して裏方としてご提供できるという点が当社の強みとなっております。

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続きましてシステム開発事業のご説明をさせていただきます。こちらにつきましては、いわゆるシステム開発ですので、皆様がご理解いただける部分と大差はないかと思いますが、当社といたしましては、組み込みシステム開発をずっと行ってきた強みを生かしてIoT製品のご提供や、組み込みエッジ技術を使った開発、その他にもアプリケーション開発、クラウドシステムの開発、バックエンドシステムの開発などを行っています。グループに通信サービスがあるため、モバイルデータ通信なども一緒にご提供できます。お客様のニーズに対して一気通貫でシステムの開発ができるというところを強みにしております。

主なサービス・ソリューションといたしましては、先ほどHARPSシステムをご説明いたしましたが、遠隔のモニタリングシステムや機器の音声制御、データ分析などに関するシステム開発、またAWS上の開発など、ファームウェアの開発、組み込み系ですね、そういったものを諸々やらせていただいております。

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それから当社のIoT製品の主な製品といたしまして、ロケーションビーコンの「MyBeaconシリーズ」というものがございます。こちら、汎用型、防水防塵型、USBスティック型がありますが、Bluetooth Low Energyのモジュールを使用した当社のBluetooth Smart製品となります。ビーコンに対応したiOSのデバイス向けにデータを発信して、iBeaconに対応したiOSデバイスを使って発信するデータを書き換えることが可能となっております。今ご紹介しているのは市販の製品という形でご提供しておりますが、お客様の仕様に応じたカスタマイズであるとか、このビーコンを使ったシステム開発なども対応させていただいております。

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ちなみに当社のホームページで「ビーコンマップ」を出させていただいておりまして、ちょうど始めたのが2020年の9月、それが左側の図となります。右側が直近2024年の4月時点となります。よく見ないと分からないかもしれませんが、結構丸が増えておりまして、あと数が増えるに連れてだんだん青から暖色系のオレンジ、赤と色が変わっていくのですが、都市部を中心にかなり密集してビーコンが増えているのがお分かりいただけるかなと思います。ちなみにこの3年間ぐらいで大体3万台ぐらい増えているような形となります。

経営指針

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それでは当社の今年度の経営指針についてご説明をさせていただきたいと思います。

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まずはじめに当社の上場来の業績の推移について、簡単ではありますがご説明をさせていただければと思います。

見ていただくと分かる通り、かなり山が上がった後にすごく谷があって、今ちょっと右肩上がりに増えているというようなところとなります。上場が2003年となりますが、その頃からは先ほど話したJBlendを中心にライセンス、ロイヤリティのビジネスを行っておりました。「旧来のソフトウェア事業」と書いておりますが、皆様ご承知の通り2007年から2009年の頃ですね、スマートフォンが台頭してきたことにより、JBlendの役割が徐々に終わる状況となりました。

その中で弊社はアニメ、ゲーム、コミック、出版といった会社を傘下に入れまして、コンテンツとソフトウェアの融合をするようなグループになりたいという形で業態の変更を行いました。合わせてその状況で、当時M2M(Machine to Machine)、あるいはDE(Deep Enlightenment)といった表現がされておりましたが、当社の創業来の強みである組み込みのシステム開発も並行して行っておりました。

残念ながらコンテンツ等との融合に関してはなかなか成果が出ず、結果としては2017年にすべての会社を譲渡いたしました。2018年以降、改めてIoTの部分、いわゆる組み込みシステムを中心とした会社として第2の創業、第3の創業というような形で会社を運営してきている次第でございます。

2019年よりIoTと親和性の高いビジネスである通信系のサービスを手掛けているスマートモバイルコミュニケーションズ、略してSMCと呼んでおりますが、その会社をグループの中に入れまして、IoT系のシステム開発と通信サービスを2本の柱として行って現在に至る形となります。

2023年には、事業セグメントをストックビジネスとシステム開発の2事業に再編を行い、今に至っております。

このような流れで今に至りますが、ここ数年はとにかく、これまでの赤字体質を何とか改善する、きちんと黒字が出せる会社になった上で、次の成長に向かっていく、そういった形の運営を行ってまいりました。

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こちらのページにも書いておりますが、とにかくこれまでの取り組みとして3点、「経営の安定化」「経営の効率化」「戦略的提携・投資」を視野に業務を行ってまいり、経営を行ってまいりました。

特に「経営の安定化」ですね。とにかく赤字体質から脱却をするということ、そしてこの会社がきちんとこれからも続くような形になるように体制を整えていくということを行ってまいりました。

「経営の効率化」も並行して行ってまいりました。業務が非効率な部分を効率的に行うようにするとともに、いろんなツールなどの利用を促進してきました。

またすごく大きなポイントだと自分は思っているのですが、予算管理強化を行うことで業績のブレ幅を低減させる、あるいはちゃんと見通しを立てて行っていく、こういったことを行ってまいりました。

あとはオフィスの移転、フロアを移転して経営を合理化するなど、そういったことも行っております。

最後に戦略的提携や投資ですね。これはこれからにつながってくる大きな課題ですが、当社が成長していくにあたって、当社だけで行えることっていうのは本当に限られておりますので、いい会社といろいろと連携・提携していきながら、お互いにいいところを出し合って一緒にやっていけるようなパートナーシップを組む、他社様と協業していく、といったことを実施して行ってまいりました。

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こういった形でこの数年やってのですが、2023年にはGC注記が取れまして、かつ安定的な黒字が出せるような状態にもなりました。そのような中で今年度につきましては、経営指針としてさらに3つのポイントを挙げることといたしました。

1つ目はストックビジネスの利益を拡大していくこと、2つ目は生産性の向上、そして3つ目は新規の事業開発を行うこと。資料の上に書いているとおり、今年度においては引き続き利益の維持拡大にこだわって事業を推進しながら既存ビジネスの事業基盤強化を行い、とにかく足元を固めてまいりたいと考えております。それらに加えて新規事業開発にも積極的に取り組むことで、当社グループのポートフォリオ拡充、ひいては利便性や安全性を高め、生活の質を向上させるようなストックビジネスの創出に取り組んでまいりたいと考えております。この考えのもと本年度経営を推進しております。

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中期目標値については、まだ具体的な数字を出しているわけではありませんが、2027年12月期までに事業利益10億円を達成するような形で事業を積み上げ、あるいは構築していきたいと考えております。

業績概要

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業績の概要に入らせていただきます。第1四半期累計の連結業績に関しては、前年同期と比べると売上収益・事業利益ともにマイナスとなってしまいましたが、連結売上収益が8億6,700万円、前年同期比▲10.5%、連結事業利益は1,800万円と前年同期比▲79.9%となりました。

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こちらがセグメント別の業績となります。ストックビジネスの売上収益が7億2,600万円、セグメント事業利益が7,200万円、システム開発の売上収益が1億4,500万円、セグメントの事業利益が600万円となりました。

ストックビジネスにつきましては、MVNE、MVNOについては堅調に推移しましたが、主に先ほどご説明した「The WiFi」の部分の新規獲得が想定より下回ったこともあり、売上収益が減少しております。事業利益につきましては、利益率という点では決して悪くはなかったものの、前年同期に未収債権を過去分で回収活動を行っていなかったものを一気に行いまして、4,100万円という臨時的な販管費のマイナスが発生したため、単純に比較すると大きくマイナスになったという状態でございます。

システム開発につきましては、先ほど話したMyBeaconシリーズは比較的人件費が掛からないということで収益性が高いものですが、顧客の発注タイミングのズレなどにより、売上計上が今年の第1四半期ではあまり発生しなかったということもあって、売上利益ともにインパクトを受けております。

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ビジネスの現況については、ポイントだけご説明させていただきますと、ストックビジネスにおいては、先ほどご説明したサービス等を引き続きご提供する形になっておりますが、AORINOにつきましては、昨今の市場の方でもいろいろと動きがあるので、ライドシェア事業等の展開も視野に、SMCが一般社団法人シェアリングエコノミー協会に入会し、現在いろいろ情報収集をしたり、様々なビジネスの可能性について検討を行っているところです。システム開発の方でも、AORINOの次世代システム開発であるとか、アルコールチェッカー用のアプリケーション開発などを行っております。

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こちらが今期第1四半期の連結損益計算書となります。弊社は今年の3月期決算のタイミングでIFRSに任意適用となりましたので、今年度からの表現につきましては、売上収益、それから事業利益という表現に変えております。IFRSの営業利益というのは、日本基準でいうところの営業利益に金融取引に関わらない収益が入るため、どちらかというと特別利益であるとか特別損失が含まれることがありますので、そこの部分のイレギュラー要素を排除した、日本基準の営業利益にほぼ近しいようなものを事業利益という独自の指標を弊社で設定いたしまして、そちらで発表させていただいております。

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こちらが第1四半期末の連結貸借対照表となります。後ほどご説明しますが、株式会社H2という通信サービスの会社をM&Aで取得いたしました。その取得費用の一部を5億円の銀行借入で調達した結果、第1四半期末の現金及び預金残高が22億5,900万円となっております。自己資本比率につきましては、2023年12月期末は77.9%、第1四半期末でも68.2%と堅調な数字で推移しております。

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それから今回の第1四半期の決算のタイミングで、通期業績予想の方を修正させていただきました。左側の数字の方が当初発表させていただいた数字であり、右側の売上収益42億3,500万円、事業利益2億1,900万円が今回修正した数字となります。

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内訳についてご説明させていただきます。当初の数字からの変更点となります。当初売上予想値である37億8,700万円に対して、まず今回のH2子会社化につきまして売上高が7億7,000万円増加となります。9ヶ月分の取り込みとなります。加えて、ストックビジネス事業が当初見込んでいたよりも売上高が3億2,200万円マイナスとなりまして、こちらの修正後の予想が42億3,500万円となりました。

ストックビジネス事業の修正については、主要取引先におきまして、業態変化に伴ってビジネスモデルの転換が必要となり、それによって当社が当初見込んでいたよりも新規の取引先の顧客の獲得件数というのが引き下げを余儀なくせざるを得ないという状況となりまして、将来見込みを引き下げるという状況となりました。加えて今回この取引先に関して、過去の保有回線、既存回線が別のプランの方に切り替わるというような契約上不適切な取扱いが確認されまして、それによって回線の解約が発生いたしました。これにつきましても将来の収益にマイナスが発生するという形となりまして、それを見通した結果、売上高が3億2,200万円のマイナスとなっております。

今お話しした2点目の既存の契約に関する切り替えに関しては、資料に記載の通り不適切な取扱いとなりますので、現状の確認とともに再発防止策の協議であるとか、これに関して今後発生しないような具体的な手順の確立、また本件についての対処について、現在協議を進めているところでございます。

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事業利益につきましては、当初2億6,400万円と見通しておりましたが、H2子会社化によって1億7,000万円プラス、取得関連費用として1億2,800万円のマイナスとなります。2月の時点では子会社化に伴う利益を1億8,000万円と見込んでおりましたが、PMIの費用等が想定よりも1,000万円ほど増加する見込みとなりましたので、それを反映いたしました。また取得関連費用につきましても、PPA関連の費用で2,800万円ほど増加見通しとなりましたので、そちらを反映しました。ストックビジネス事業につきましては、前ページでご説明したものの影響となります。その結果、修正後の予想が2億1,900万円となります。

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あと「PPA」につきましては、若干専門的な話となりますが、当社は先ほどお話したとおりIFRSを適用しましたので、いわゆる「のれん」の償却が発生せず、非償却となります。例えば当社が以前行ったSMCの取得の時はIFRS適用前でしたので、一旦取得価格と対象会社の純資産の差額ののれんを対象期間で償却し、その後に正式な形でPPAの手続きを実施して、そこから認識される無形固定資産、本件の場合は顧客関連資産と償却年数を第三者に算定してもらい、のれん償却費との差分の調整を行いました。

今回はのれんの償却が行われないので、2月の時点で概算値を見込んだのですが、3月末時点の顧客の契約件数などの情報をもとにPPA委託会社に仮算定していただいたところ、2,800万円ほど増えそうだということが分かりましたので、それを織り込んだ結果となります。

なおPPAにつきましては、まだ数値は確定しておりませんので、そこが決まり次第、最終的な数値が反映される形になりますが、現時点の見込みから大きく増減することはないのかなと見込んでおります。

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先ほどご説明した修正業績予想に対しての進捗率が、こちらの資料の通りとなっております。

「自己株式の取得」の内容

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今回第1四半期の決算と一緒に自己株式の取得についても発表させていただきました。2月の時にもご説明させていただきましたが、これまで赤字続きでかつGC注記もついていましたが、ようやく株主還元を考えられるステージに上がったと考えております。とはいえ事業成長を行うためには新しい投資を行う必要がございますので、そういったところを見ながら、また株価の状況も見ながら、必要なタイミングで自己株式取得の実施を検討していきますということを2月にご説明させていただきましたが、5月の決算発表時点で株式市場の状態、あるいは当社の資金繰りの状態、それらを鑑みた結果、発行済み株式総数の2%について約3ヶ月間で取得をするという形での自己株式の取得の発表をしております。

今回2%を実施させていただきますが、株主還元という観点で見ると、まだ具体的な計画があるわけではございませんが、今回の1回で終わるつもりはもちろんございませんので、状況、株価の状況、現預金の状況、今後の事業戦略の状況などを考えながら、戦略的に今後も実施はしたいと思っている次第でございます。

トピックス

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トピックスについてご説明させていただきます。まず1点目、昨年の7月にTangerine株式会社という、オンラインとオフラインを統合したマーケティング手法、OMOのプラットフォームサービスを提供する会社と資本業務提携を行わせていただきました。こちらのサービスはビーコンを活用しておりますので、弊社のビーコンをこのサービスと一緒に販売をしていくということを検討するとともに、弊社自体が一緒に営業活動をしていくことでさらなる販売の可能性を模索していきたいと考えております。

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続きまして昨年の12月、ジャスミー株式会社との業務提携及び前払式支払手段発行業の開始を発表させていただきました。ジャスミーは2021年より協業関係にありましたが、IoTプラットフォームなどを手掛けておりまして、そこのシステムを活用する形で一緒に第三者型の前払式支払手段を行っていきたいと考えております。こちらにつきましては鋭意準備中でございますので、ビジネスの開始自体はもう少し先になる予定でございます。

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続きまして今年の2月に「継続企業の前提に関する重要事象等」を解消いたしました。2023年にGC注記は外れましたが、単体赤字が続くという点から、財務諸表上の「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載が外れてなかった状況でしたが、グループ全体におけるキャッシュの保有状況なども鑑みて、こちらの記載を解消できると判断いたしました。

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それから最後のトピックスとなりますが、今年の4月、株式会社H2を子会社化いたしました。株式会社H2は光回線とプロバイダーサービスを提供する会社、いわゆる光コラボサービスと呼ばれるサービスですが、それを提供する会社の株式を取得しました。またそれに伴って先ほど少し触れましたが、5億円の銀行借入を3月29日に完了いたしました。

実は子会社化にあたって従業員の方たちは当社グループには引き継がれておりません。当社は子会社のSMCが通信サービスを行っておりますので、そこのメンバーを中心に本サービスを運営していくという形で考えております。ストックビジネスの商材のラインナップが拡大されるとともに、ストック収益から得られる安定利益が増大するということを目的としております。先ほど経営理念のところ、経営指針のところでもストックビジネスの部分を拡充していくという話をさせていただきましたが、その施策の一つとなります。

人的資本経営への取り組み

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それから最後に人的資本経営への取り組みです。弊社は50名程度の会社となりますが、だからこそ社員一人一人が高い意欲を持って充実感を感じながら仕事に打ち込んでいける環境を作ることが大事だと考えております。それによって高い生産性、パフォーマンスを発揮できる環境を構築したいと思っております。それを実現するためのプログラムとして、昨年6月に「ワークライフ・コラボレーション・プログラム」という名称で社内プログラムをスタートいたしました。

働きがいを向上させるために、多様な働き方の促進「ワーク」、個を生かす組織づくり「ダイバーシティ」、それから学習機会の提供やコミュニケーション活性化によるチームワークの強化とモチベーションの向上「キャリア&コミュニケーション」、こちらの3本柱でプロジェクトを推進しております。

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いろいろと書いておりますけれども、弊社の特徴の一つとしては完全テレワーク制度となります。実は2018年頃からテレワークの制度は入れていたのですが、コロナのタイミングを機に完全テレワークに移行いたしまして、柔軟な働き方を全員が享受できるような形にいたしました。加えてフレックスタイム制度なども入れていますので、かなり社員の皆さんが自分のライフスタイル、ワークスタイルに応じた形で働くことができるような形になっております。北は北海道から南は沖縄まで従業員の方がいらっしゃいますし、直近でも東京近辺以外の優秀な方を採用することができるなど、会社としても非常にいいプログラムだなと思っております。

あとはキャリアのところでいうと、社員の方の資格取得の支援なども行っております。やはり皆さんにプロフェッショナルとして知識を向上していただきたいというところもありまして、特に技術系の資格を中心に推奨資格という形で取得の支援を行っておりますが、技術系以外の資格であっても、資格を取得したときにお祝い金を出しております。また各資格を取得した社員から合格に至るまでの体験を社員に伝える体験会も行って情報共有をするなど、そんな形の取り組みを行っている次第でございます。

長くなりましたが、以上で弊社のご説明を終わらせていただきます。ありがとうございます。

質疑応答

Q. 昨年12月に発表されたジャスミー株式会社との業務提携と、新たな事業である前払式支払手段発行についての進捗状況と今後の展開について教えてください。また、前払式支払手段発行業はいつ頃スタートする予定でしょうか。

A. 前払式支払手段発行業につきましては、昨年12月に発表させていただいたリリースの通り、まずは一般社団法人資金決済業協会への入会を行い、入会が承認されました。現在は情報収集などを行っております。

本事業を行うには関東財務局への届出・登録が必要となりますので、現在は関東財務局に申請を行い、質問への回答などを進めているところです。並行して社内体制や社内規定の整備、業務プロセス全体の設計なども進めております。

ジャスミーさんとは、システムの開発や業務設計について定期的に打ち合わせを重ねながら、サービス実現に向けて連携して取り組んでおります。

関東財務局への登録には7~8ヶ月程度かかるとのことですので、ビジネスの開始は早くても2024年10月以降になるのではないかと考えております。

Q. 現在は黒字化してきているものの、配当は無配の状態が続いています。配当の復活についてはどのようにお考えでしょうか。

A.企業として株主の皆様に還元したいと考えておりますが、現時点では配当よりも自社株買いという形での株主還元策を優先したいと思っております。またビジネス自体の成長のために資金を投入していくことが必須だと考えております。

そのため、配当の実施時期を明確にお伝えすることは難しいのですが、自社株買いの進捗やビジネスの成長を実現させていく中で、改めて配当の実施についても検討させていただきたいと考えております。

Q. 自社株買いで取得した株式は、今後M&A等の資金に活用していく考えはありますか。

A. 現時点では自社株買いで取得した株式の消却は予定しておりませんので、M&A等で有効活用できる場面があれば、活用することも検討したいと考えております。最適な形で判断していきたいと思います。

Q. 通信機能付きAIドライブレコーダー「AORINO」の普及状況と手応えについて、現時点での評価をお聞かせください。

A. AORINOについては、当初は個人向けのサービスからスタートし、ウェブマーケティングを中心に販売を行いました。その後、法人向けの「AORINO Biz」の提供を開始し、特に物流系の企業様とも協業しながら販売を進めております。

残念ながら現時点ではAORINOの収益貢献度はまだ高くない状況ですが、ドライブレコーダーの需要自体は飲酒運転対策の義務化などを背景に高まりを見せており、法人のお客様からも車両の遠隔での状況把握へのニーズは強いものがあります。弊社に限らずクラウド型のドライブレコーダーの市場が拡大してきていると認識しております。

営業活動の中でもお客様から高い関心をいただいており、このシステムを様々なビジネスに活用できる余地は大きいと考えておりますので、今後も積極的にこの事業領域に注力してまいります。

Q. 今後のM&A戦略について、どのような基準で買収先を選定し、グループ全体の成長率を上げていくお考えなのか、経営方針をお聞かせください。

A. 当社の現在の経営指針は、ストック収益の拡大と新規事業開発の2点に集約されます。M&Aについては、まず既存事業と親和性が高く、かつグループの利益を底上げできるような案件については積極的に検討していきたいと考えております。今回のH2もそうした観点での買収となります。

当社の過去の業績を踏まえると、一部の投資家様や関係者の方々に不安を感じさせてしまっているかもしれません。そうした中で、当社が安定的な収益を上げながら成長を目指す会社であることを示すためにも、利益の底上げに資するM&Aは重要だと認識しております。

もう一つは、今後注力していく事業領域において、当社に不足している、あるいは事業拡大の後押しとなるようなパーツをM&Aで獲得していくことです。注力する事業領域については検討中の段階ですので、方向性が固まり次第お伝えしたいと思いますが、当社の強みを活かしつつストック型の収益を継続的に増やせるような領域を想定しており、そこでM&Aという手段も有効に活用してまいります。

Q. 今回のH2の買収では約10億円の資金を要しましたが、今後同規模のM&Aを行う場合の資金調達についてはどのようにお考えでしょうか。

A. 基本的にはゼロベースで検討したいと思っております。本当に魅力的な買収対象があれば、場合によっては新たな借り入れを行うこともあり得ます。ただ、今回も一定規模の買収を行ったばかりですので、そこは財務の健全性などを慎重に見極めながら判断していく考えです。

今回長らくGC注記がついていて、資金調達も厳しい状況が続いていた中で、ようやく借り入れが可能になったわけですが、だからと言っていくらでも借り入れを繰り返していいわけではありません。これまでの状況を踏まえ、資金繰りの重要性は十分認識しておりますので、案件の魅力度と当社の事情をよく吟味しながら都度判断していくスタンスで臨んでまいります。

Q. ストックビジネス事業の売上高について、MVNO、AORINO、ビーコンなどの内訳を開示可能な範囲で教えてください。

A. まず、ビーコンの販売はシステム開発事業に区分しておりますので、ストックビジネス事業には含まれておりません。

ストックビジネス事業の内訳としては、MVNO・MVNEが全体の90~95%を占めております。モバイルWi-Fiルーター「The WiFi」はその中の約3割を占めています。

現状、ストックビジネス事業の大部分は携帯電話を含む通信サービスが売上高の中心となっております。

Q. ストックビジネス事業における各サービスの販売方法について教えてください。例えば携帯電話はウェブ経由なのか、代理店を通しているのかなど、お客様の獲得方法を知りたいです。

A. MVNO・MVNEに関しては、現在はほとんど直販は行っておらず、自社ブランドで通信サービスを提供したい企業様の裏側でサービス提供しております。つまり、法人のお客様を獲得し、お客様が実現したいプランの設計をお手伝いしてサービスを提供するのが主な流れとなります。エンドユーザーへの販売はその企業様が行うことになります。

一方、モバイルWi-Fiルーター「The WiFi」については、主にウェブ広告やメディア掲載を通じて弊社のウェブサイトへ集客し、販売を行っております。ただ直近では新規獲得が伸び悩んでいるため、販売代理店の活用など、販売方法の多様化も進めているところです。

Q. MVNO事業は競合他社が多い中で、御社の優位性や特色はどのような点にありますか。

A. おっしゃる通り、MVNOサービス自体に大きな差別化要因を作り出すのは難しいのが実情です。ただ、弊社の強みとしては、大手キャリアから直接回線を調達し、自社でサービス設計やコンテンツの組み合わせを行えるため、エンドユーザーのニーズに合わせた柔軟なプラン設計が可能な点が挙げられます。

また、長年通信サービスを手掛けてきた経験から、カスタマーサポートの充実度には自信を持っております。お客様からのお問い合わせにもきめ細かく対応できる点は、同業他社に引けを取らない強みだと考えております。

Q. 第1四半期決算で計画未達となったモバイルWi-Fiルーター「The WiFi」の新規獲得件数について、挽回に向けた施策を教えてください。

A. 現在、新しいプランを策定中であり、6月中には皆様にお知らせできるのではないかと考えております。具体的な内容は公表まで今しばらくお待ちいただければと思います。

Q. 買収したH2社は、売上高が減少傾向にある一方、利益は増益基調と見受けられます。今後の成長戦略について教えてください。

A. まず、光コラボサービス自体の維持・拡大を図るため、新規顧客の獲得に注力してまいります。この業界では代理店を通じた獲得がメインとなりますので、代理店との連携を強化しながら、獲得体制の整備を進めているところです。

また、当社グループではモバイルデータ通信やモバイルルーターなどのサービスも提供しておりますので、固定回線と外出先でのモバイル通信をセットで提案するなど、お客様のニーズに合わせた柔軟な販売施策を展開していきたいと考えております。

加えて、当社SMCが培ってきたカスタマーサポートや物流管理、契約管理などのノウハウをH2にも展開し、AI等も活用しながらグループ全体でのサービス品質向上と業務効率化を図ってまいりたいと考えております。

Q. 今回のストックビジネス事業における特定取引先の不適切な取り扱いは、他にも発生していたのでしょうか。それとも今回が初めてでしょうか。

A. 今回が初めてのケースであり、二度とこのようなことが起きぬよう、取引先とは協議を重ねております。再発防止に全力で取り組んでまいります。

Q. 従業員数が49名とのことですが、職種別の内訳を教えてください。

A. 今年に入って4名ほど入社し、現在の従業員数は52名となっております。その内訳ですが、システム開発ができるエンジニアが全体の53%程度、つまり50%強を占めております。残りの約半数が営業・企画系のメンバーと管理部門のメンバーで、ほぼ半々の割合となっております。

Q. 今後、どの分野の人員を強化していく予定でしょうか。

A. 今後の事業拡大に応じて検討していく形となりますので、現時点で特定の領域の人員を集中的に増やすという方針は決めておりません。事業の進捗に合わせて柔軟に判断してまいります。

Q. 口コミサイトには「開発技術力は桁外れに高い」「個々のスキルは高い」「超一流大学卒の方もいる」といった投稿がありました。このように優秀な人材を集められている理由は何でしょうか。

A. 創業当初から非常に優秀なエンジニアが集まっていたというのが大きな理由の一つです。特に当時のJBlendなどのJavaを使ったシステム開発は先進的な分野でしたので、高い技術力を持ったエンジニアが集まってきました。当時から「技術のアプリックス」「エンジニアが優れている会社」といった外部からの評価をいただいておりました。

その後、業態変更などを経て従業員数は大きく減少しましたが、現在も当時から第一線で活躍しているエンジニアが在籍しており、お客様からも高い評価をいただいております。

また、そうした技術力の高さが求人面でも追い風になっており、アプリックスで優秀なエンジニアとともに働きながら自身のスキルアップを図りたいという志向の方に応募いただくこともあります。

自ら考え、新しい技術への学習意欲が高く、新たなことへの挑戦を厭わないタイプのエンジニアが多いのが当社の特長ではないかと思います。

Q. 優秀な社員が在籍しているにも関わらず、過去には業績が伸び悩んだ時期もありました。その原因として、組織マネジメントの課題があったのではないかと推測されますが、どのようにお考えでしょうか。また、その課題解決に向けてどのような対策を講じているのでしょうか。

A. ご指摘のとおり、一貫して優秀なエンジニアは社内に在籍していたと思います。それが業績に直結してこなかったのは、経営サイドの問題であったと認識しております。具体的には、エンジニアのスキルを活かしつつ利益を上げるような営業活動ができなかったこと、適切な案件が獲得できなかったこと、プロジェクトマネジメントが十分でなかったことなどが原因として挙げられます。

ここ数年、赤字体質の脱却を最優先に取り組んできた中で、真っ先に着手したのが予算管理の徹底と、開発メンバーの稼働状況の可視化でした。優秀なエンジニアであるがゆえに、お客様の要望に応えようとするあまり、採算を度外視した対応をしてしまうケースも散見されました。

エンジニアが持てる力を十分に発揮できる環境を整えつつ、会社経営に不可欠な利益確保も実現するため、採算を考慮した案件獲得、営業活動の改善、要員配置の最適化など、現場の運営面での管理を強化する取り組みを続けております。

マネジメントの改善はまだ道半ばですが、こうした地道な積み重ねを継続することが業績回復への近道と考え、引き続き社内の意識改革とオペレーションの効率化を推進してまいります。

Q. 資料19ページに記載されている今後の取り組みの中の「新規事業開発」について、現時点で話せる内容があれば教えてください。

A. 具体的な内容についてはまだ整理中の段階であり、詳細をお話しできる段階には至っておりません。ただ、当社のシステム開発における技術力、特にIoTの分野でデバイスなどのハードウェアも含めた開発ができる点、そしてアプリケーションからクラウドまで対応できる点を活かしていきたいと考えております。

また、グループ内には通信サービスを手掛ける会社もありますので、そうした経営資源も有効活用しながら、皆様にご活用いただけるようなサービスを作っていきたいと思っています。

「利便性や安全性を高め生活の質を向上させる」と記載しておりますが、これは現時点で特定の事業と直接リンクしているわけではありません。ただ、サービスをご提供する中で、ユーザーの方に喜んでいただける、あるいは利便性が高まったと実感いただけるようなサービス、社会に役立つようなサービスを目指していきたいという思いを込めております。まだ抽象的なイメージではございますが、そうしたサービスを作り上げていくことが、新規事業開発の方向性となります。

Q. ビーコンを活用して物流分野に参入する予定はありますか。

A. 過去には物流倉庫などでビーコンを活用いただいたケースはございます。また、荷物の配送時の温度管理などにもビーコンを活用した事例があります。

ただ、直近では物流分野よりも、Tangerine社との協業事例のように商業施設等での人流分析による活性化につながるようなソリューション提供に注力している状況です。

物流分野に限らず、当社のビーコンやIoTの技術を活用し、お客様のニーズに合致したソリューションのご提案を進めてまいります。

Q. 中期業績目標では2027年12月期に事業利益10億円を目指すとのことですが、この目標達成に向けてはどのセグメントの成長を見込んでいますか。

A. 具体的な数値目標をセグメント別に開示できる段階ではありませんが、基本的に伸ばしていくセグメントはストックビジネス事業だと考えております。

その成長を実現するために、システム開発事業のリソースを有効活用してまいります。ストックビジネス事業では、既存サービスの拡大に加え、既存サービスと新規事業を掛け合わせた新たなサービスも展開し、積み上げていくことで10億円の目標達成を目指す方針です。

Q. 株式会社H2の子会社化に伴う業績影響について、今期の純利益への影響をお聞かせください。

A. H2の連結対象期間は2023年4月から12月の9ヶ月間となります。この期間における当該事業から得られる収益見込みは、売上高が7億7,000万円、事業利益ベースで1億7,000万円を見込んでおります。

2024年以降は、H2の業績を通年で取り込むことになりますので、より大きな業績貢献が期待できると考えております。

投資家の皆様へ

皆様、本日は遅い時間にもかかわらずご参加いただき、また数多くのご質問を頂戴し、誠にありがとうございました。

ご説明の中でもお話ししたとおり、当社はここ数年、業績の改善と安定的な収益基盤の確立に注力してまいりました。一定の成果は出せたものと考えておりますので、現在は積極的な成長戦略を推進していくフェーズにあると認識しております。

株主・投資家の皆様のご期待に応えられるよう、引き続き全力で取り組んでまいりますので、今後ともなにとぞご支援を賜りますようお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

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