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[質疑応答パートの文字起こし]Recovery International (9214)IRセミナー 2023.11.17

2023.11,17に開催しましたRecovery International(9214)IRセミナーの質疑応答部分の文字起こしになります。

登壇者:取締役 経営管理部管掌 柴田 旬也

(Q1)1人当たりの訪問件数の上限はどのくらいでしょうか?
(A)1人当たりの訪問件数の上限は、役職によって異なります。一般職で訪問中心の方は、月間100〜120件程度で、多いと130件程度になります。1つの拠点の中に訪問メインの方もいれば、マネジメント業務中心の方もおり、そのため拠点全体の1人当たりの件数は、平均すると100件程度となります。120件程度の件数を達成するには、1日に6〜7件程度の訪問を行う必要がありますが、当社では、効率的な訪問ルートを組むことで、事務作業を行いながら全社の1人当たりの残業時間は、10時間未満に抑えられています。

(Q2-1)休職と退職はどのように違うのでしょうか?
(A)休職は主に出産や育児などによるものです。当社では女性の従業員が多いため、休職のケースが多く発生します。過去の実績を踏まえ慎重な配置計画や業績への影響を最小限に抑える対策を行っておりますが、3Qでは想定以上の休職があったため、補充に向けた採用を強化しています。

(Q2-2)休職された方は戻られることが多いのでしょうか?
(A)多くの方は育児が落ち着いた後に復帰して下さり、安定した就労環境の中で活躍されています。

(Q3)下方修正の開示がされなかった理由は?
(A)当社のビジネスモデルは急激な利益が出るわけではないのですが、3Qまでの進捗を見て、売上や利益が計画修正の開示基準には達していないため、下方修正は必要ないと考えています。

(Q4)訪問看護業界では引き抜きというのはあるものなのでしょうか?
(A)水面下ではそのようなことが行われているようです。実際に当社で働くスタッフからも、そのような声掛けがあったという話を聞いたこともあります。当社としては、他社よりも魅力のある会社を作ることで、引き抜かれないようにしていきたいと考えています。

(Q5)市場が大きく拡大することが予想される中、業績の拡大には看護師さんの確保が必須だと感じております。看護師の確保に対する計画や手応えについて教えてください。
(A)看護師の確保に関しては、毎年過去最高の採用数を実施しており、計画に沿った採用はできておりますが、まだまだ紹介会社の依存度は高いので、今後も自社採用力を高めさらに採用単価を下げていきたいと考えております。

(Q6)看護師1人当たりの訪問件数はやはり増やせないのでしょうか?
(A)看護師1人当たりの訪問件数を増やすことは可能です。当社の営業時間である9時〜18時以外にも、早朝や夜間の訪問も受け入れれば、1人当たりの訪問件数は増やすことができます。しかし当社では、看護師等の働きやすさを重視しており、定時までに訪問を終えて、プライベートも充実させることを大切にしています。そのため、現時点では、過度に訪問件数を増やすことは考えていません。

(Q7-1)積極的に事業所を増やしていくと内部統制が追いつかず、看護師のクオリティなどサービス面の低下が懸念されますが考えを教えてください。
(A)この点は特に重要なテーマであると考えております。シェア拡大のためには事業所数や看護師等の数を増やすことが不可欠だと考えていますが、看護師や理学療法士等の業務負担が過大にならないようにというバランスを取ることが重要だと考えています。業績を拡大させたい気持ちは当然にありますが、一方で働くスタッフの働きやすさも重要課題と捉え看護師1人ひとりの稼働状況をモニタリングし、残業時間や休暇取得状況、ワークライフバランスがとれているか定期的に確認をしております。スタッフが活気をもって働き、サービスに当たっては自らが笑顔でいられるように、バランスを取りながら着実に拡大していく方針を取っております。

(Q7-2)バランスとは、数字で評価されるものなのでしょうか?それとも、現場から「今の状態は危ない」という声を聞くものなのでしょうか?
(A)数字と生の声の両方をチェックしています。定量的な数字としては残業時間や移動距離、休暇取得日数などがありますが、それだけではなく、現場からの意見も非常に重要視しています。そのために、意見を吸い上げられるようなフラットな組織を作り、現場の声を経営に反映させることでバランスを取っています。

(Q8-1)中期経営計画の策定は予定されていますか?また、発表予定の時期を教えていただけますか
(A)現在社内で計画策定を進めている段階です。高く具体的な目標を立て、達成するための方法を追求しているところです。できる限り早期に発表できるように取り組んでまいります。

(Q8-2)具体的な展望や採用計画などは中期計画に盛り込みにくい部分なのでしょうか?
(A)展望や採用計画なども中期計画に盛り込むことを検討しています。現状まとまりきっていない部分はありますが、バランスを保ちつつも、さらなる成⻑に向けて新たなチャレンジができるよう、今後の経営状況を見ながら検討を進めていく予定です。

(Q9)事業拡大のために、連携機関やケアマネさんの開拓をどのように行っているのでしょうか?
(A)マーケットが大きいため、営業というよりは利用者様や連携医療機関、ケアマネージャーさんとの信頼関係を築くことを重視しています。居宅事業所には、平均3人のケアマネージャーさんがおり、1人と関係性が築ければ、同じ事業所のケアマネージャーさんにも紹介してもらえますし、医師も同様に信頼関係を築けば、リピートしてもらえることが多いです。

(Q10)ケアマネや医療機関は他の訪問看護事業所ともお付き合いがあると思いますが、両方に紹介することが多いのでしょうか。それともある事業所と契約したら、その事業所だけに紹介するのでしょうか?
(A)訪問看護事業者とケアマネージャーさんの事務所が法人単位で契約することはありません。契約は紹介いただいた利用者様と当社が契約する形になります。ケアマネージャーさんや医師の中には、特定の事業所しか使わない方もいますが、複数依頼されている方も多くおられます。

(Q11)介護職員の賃上げや報酬の引き上げ方針を拝見しましたが、看護報酬の引上げは予定されていますか?
(A)現在各審議会で検討されている状況ですが、明確な方向性は出ていない状況です。また請求や資格確認のオンライン化も始まっていますが、現時点では、当社の業績に大きな影響はないと考えています。

(Q12-1)売上進捗率が若干悪化していますが、休職・退職以外に原因はありますか?
(A)休職・退職以外に大きな原因はありません。入社後1人当たりの訪問件数の伸びも早くなっておりますし、単価も期初想定と変わっていません。

(Q12-2)利用者数が少なかったことはありませんか?
(A)休職が多く出たため利用者数は想定より少なくなりました。
(Q12-3)休職の問題が改善されると利用者数は増やせるものなのでしょうか?
(A)マーケットは大きく成⻑しているため、利用者数は確保できると考えています。

(Q13-1)新規利用者の獲得はどのようなルートが多いのでしょうか?
(A)主治医や病院などの地域連携先からの紹介もありますが、ケアマネージャーさんからの紹介が多いです。

(Q13-2)業界的にも同様なのでしょうか?
(A)訪問看護の介護給付費は、医療保険の訪問看護報酬よりも多いため、ケアマネージャーさんからの依頼が多いと考えています。

(Q14)利用者の介護負担割合は、1割、2割、3割で、どのようなものでしょうか?
(A)割合は公表していませんが、平均して1割程度の負担と認識しております。

(Q15-1)業界が抱える課題として訪問看護サービスの認知度が低いと書かれています。裏を返せば、訪問看護サービスを利用できるけどまだしていないという方がいるという考えで良いでしょうか?
(A)ご理解の通りです。訪問看護サービスの認知度が低いため、利用できる可能性があるにもかかわらず、利用していない方がいると考えています。

(Q15-2)昔に比べて訪問看護を知っている人が増えたという肌感覚は特にないものなのでしょうか?
(A)肌感覚としてはまだ十分にはありませんが、医療と介護の訪問看護費の金額が少しずつ上がっていることからすると、少しずつではありますが、全国の訪問看護ステーションの力で、認知度は少しずつ高まっているように感じています。

(Q16-1)介護では職員に対するハラスメントとかクレームとかが問題になっていますが、訪問看護ではそのような問題はないのでしょうか?
(A)訪問看護でも訪問介護と同じように、基本的には1人でご自宅にお邪魔するので、やはりサービス中のハラスメントやクレームはどうしても発生しやすいです。当社では、ハラスメント研修、コンプライアンス研修、接遇マナー・コミュニケーションなどの研修を充実させることで、しっかりと対策を図っています。

(Q16-2)そのような対策を図って、実際そういう患者さんからのクレームというのは少なくなってきているものなのでしょうか?
(A)クレームはゼロではありませんが、設立初期で従業員数やご利用者様の数が少ないころと研修を整備した現在を比べてもクレーム数は増えていないので研修を積み重ねてきていることで、効果は出ていると考えております。

(Q17)利用者との契約内容で、週に1回などの訪問条件が決まっていますか。それとも都度予約を取る形式なのでしょうか?
(A)契約自体には回数についての具体的な定めはありません。訪問回数は制度上の上限が決まっており、例えば、介護保険のリハビリの場合は週に最大120分までの訪問と定められています。訪問のスケジュールについては、その範囲内で予約を取る形式ではなく、最初の契約の際に、双方の意向を確認し訪問する形になります。

(Q18)御社の強みは他の事業所と比べてシステム化が進んでいる点だと考えていますが、まだまだ完全にシステム化できていない部分はありますか?
(A)システム化は進んでいますが、最適化の余地がある部分があります。例えば、以前のファックスでのやり取りからチャットに移行したものの、チャットの量が増えたことで、確認が抜け漏れてしまうことがあります。ツールを導入するに留まらず、継続的に運用課題を洗い出して、より良い運用フローに改良しております。

(Q19-1)訪問看護以外のところとの業務提携、M&Aなどは議論に上がるものなのでしょうか?
(A)検討の俎上に上がっていますが、まだ検討段階であり具体的な進展はありません。現在の事業上の強みを活かしシナジーが効く方法を継続して検討しています。また、人が中心になる事業であるため、現場のスタッフがそのサービスにやりがいを感じられるか、理念に反しないか、といった点も重要な基準です。これらの点を一つひとつ検討しながら、慎重に進めております。

(Q19-2)同業他社の小さな訪問看護の会社をM&Aはできるものなのでしょうか?
(A)同業他社にはM&Aで大きくされている会社もあります。当社は理念や企業文化にマッチするのかという点を慎重に検討しており、その結果対象となる企業にはまだ出会えていない状況です。

(Q20)他社の不正請求の報道で、実際には訪問していないのに、早朝、夜間に訪問して加算請求していたというものがありましたが、訪問時間帯はどのような状況でしょうか?
(A)当社の訪問時間帯は、ほとんどが日中帯です。24時間365日体制で訪問しておりますが、これは緊急で呼ばれた時に対応するためです。当社は上場企業であり、売上については会計監査法人が厳しく監査しておりますし、社内の体制としても手続き、環境、モニタリングをしっかり行っております。誠実にしっかりと運営することは、ご利用者様と働くスタッフを裏切らない非常に大事なことだと考えています。

(Q21-1)リカバリーインターナショナル様は、財務状況は良好であり、ITやスタートアップ企業のように積極的な投資による大量採用を検討しないのでしょうか?
(A)一案として、まとめて採用してしまうという方法もあると思いますが、当社では、しっかりと教育を行うことや、現場での育成者負担を考慮し、短期的な利益拡大よりも中⻑期的な成⻑を重視して、着実に採用と育成を進め質の高いサービスを提供することで成⻑することを目指しております

(Q21-2)他社では、一時的に赤字になってでも一気に売上を伸ばすために採用を積極的に行っているところはあるのでしょうか?
(A)聞いている範囲では一気に拠点を増やして採用を繰り返しているところはあります。しかし、上手くいっていないケースが多いように感じています。当社も過去に同じような経験をしており、3人程度の小さな拠点にいきなり8人を投入した結果、教育やチームマネジメントが行き届かなくなってしまったということがありました。その経験から、当社では、サービスの質を重視し、着実に採用と育成を進める事としています。

(Q22-1)リカバリーインターナショナル様の採用では、未経験者の採用が多いと伺っています。一方で、採用のペースがうまくいっていないときには、経験者を積極的に採用することも1つの案として考えられますが、いかがでしょうか?
(A)経験者の採用が難しい要因は大きく2つあります。1つはそもそも訪問看護師の数自体が少ないことです。2つ目は当社の理念や運営方法です。当社では経験者も採用していきたいと考えていますが、理念に共感していただけるかや、データやクラウドを使った効率的なオペレーションなど、当社のやり方にマッチする方に入っていただきたいと考えており、一定のハードルはあると思っています。

(Q22-2)その場合、応募されてもお断りする人もいるのでしょうか?
(A)当社の理念と運営方針に共感いただけない方は、お断りするケースももちろんあります。

(Q23)現在の収益は保険制度によるサービスのみなのでしょうか。そうだとすると訪問看護サービスを自由診療的な位置づけで提供することは検討していますでしょうか?
(A)自由診療的な自費のサービスも提供しています。しかし、ほとんどが保険サービスで割合としてはごくわずかです。介護保険には訪問回数の上限が決まっている制度もあり、保険でカバーされる範囲外での訪問看護ニーズがある場合に、自由診療として対応することもありますが、10割の自己負担は経済的な負担が大きいため、資金的に余裕がなく難しいと感じられる方が多いようです。

(Q24)新規拠点において、ドミナント戦略ではなく飛び地での展開に挑戦する取り組みは難しいものなのでしょうか。その手応えを感じていますか?
(A)今年、飛び地での新規立ち上げに取り組んでいますが、進捗は順調で手応えを感じながら進めております。関係性が出来ていない地域でも新しい依頼を獲得できたり、新しいマーケットに参入するための必要なスキルを特定できたりということもあります。これまで沢山の失敗も経験しましたが、その過程で得た新規依頼獲得や人材育成のノウハウが蓄積され、活かすことができていると感じています。また、飛び地出店が出来るようになったことにより、出店展開のスピードや出店戦略の幅も広がっており、今後も進めていきたいと考えています。

(Q25)ケアマネージャーさんが訪問看護を認知していない可能性はないのでしょうか?
(A)おそらく多くの方は認知されていると思います。一方で訪問看護を知っている人の中にも、レベル感には差があると感じており、私たちはもっと情報を発信していく必要があると感じることがあります。ケアマネージャーさんに訪問看護の深い理解を広めていくことで、訪問看護の意義がさらに広がっていくと考えております。

最後に参加されている投資家の皆さまへ一言お願い致します。夜遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。今後も、ご利用者様や働くスタッフ、そしてもちろん株主の皆様と共に成⻑していければと思っています。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます

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