薬を作るのは大変ですが販売するのもこれまた大変です。
しかし、医者から処方される薬は自費ではなく医療保険という素晴らしい制度があります。
「日本は最大三割負担で素晴らしい制度」
というのはよく聞く話なのですが
なぜ日本以外の国が日本の制度を導入しないのかを考えたら過剰なのかな。とも思ったりします。
でも、いざ使うとなれば「医療保険ありがとう。」と心から思うことなのでしょう。
GNIグループの「アイスーリュイ」という薬で保険認証されたということで株価が大幅に上がっています。
アイスーリュイは特発性肺線維症の薬で
これからは特発性肺線維症の他にも、肺炎や糖尿病など様々な症状に適応されそうです。
さて、保険適応というのは今までよりたくさんの患者さんが利用することになりますのでGNIグループの業績が良くなるのは簡単に想像できます。
ただ、無条件に良かった良かったというにはわからないことがあります。『わからない。』と言えばバイオに関しては専門家ではないのでわからない事だらけなのですが(*_*)
その中で2つ気になることがあります。
1.保険制度のこと。
日本の保険制度ですと大概の病気に関しては自己負担の上限がありますので、オプジーボをお金を持っていない方でも普通に処方されると思います。
このイメージで考えてると保険制度承認は本当に大きいと思うのですか、中国の保険制度は違います。
http://www.dir.co.jp/consulting/asian_insight/120223.html
中国はこの説明ですと
・医療講座で積み立てていたものを取り崩す。
・そのあと1500元(24000円)は自己負担
・それ以降は50%負担。
になります。
確かに初めは大丈夫なのかもしれませんが
高額医療など受けようならすぐ自己負担になります。
中国は上がったとはいえ日本より平均年収が少ない国です。
そうなると、保険ができたからと言って新薬を「はい。使います。」と言いたくても言えない。人は多いのではないのでしょうか。告白なら「言いたくても。言えない。」なら言っちゃえばいいのに。と思うのですが、保険ですと「思い切った結果破産。」という事があるのかもしれません。
2.特発性肺線維症のこと。
今回は特発性肺線維症に適応という事なのですがこの病気の事を正直言いますとよくわかっていませんでした。
そこで今回サイトを見てみました
http://ipf.jp/
肺線維症の中での原因不明の難病の一つです。
「治る」ということはなく、症状を悪化させない事が大切になります。
で、発症率ですが日本では1万数千人となっています。
そうなると今回適応される中国ですと10万人ほど対象となります。
しかし、先述の理由で「治療したくてもできない。」という人もたくさんいると想像できます。
がんなど他の病気の患者数と比べるのもものすごく変かもしれませんがそこまでビジネスとして旨味のある患者数なのかなぁ。と思ってしまいます。なので、患者を救うことは本当に大切なことなのですが保険適応されたとしても売り上げに大幅に変わるのかなぁ。とも思います。
この病気によって命を落とされる方はたくさんいらっしゃいます。
この薬が本当に有効であるのでしたら、早期に日本でも販売してほしいですね。
医学の進歩を心より願ってます。
追伸
GNIグループの一番わからないことが、すべて中国で完結するビジネスモデルなのになぜ東京証券取引所に上場しようと思ったのか?だったりします。(^_^;)