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[書き起こし]オートサーバー(5589)IRセミナー 質疑応答 2024.1.12開催

2023.1.9に開催しましたオートサーバー(5589)IRセミナーの質疑応答部分の書き起こしになります。


登壇者 執行役員経営企画室長 上栁隆裕 様

資料  2023年12月期第3四半期決算説明資料

 

IRセミナー

私は株式会社オートサーバーの経営企画室長、上柳と申します。まず初めに、金曜日の遅い時間に皆様にお集まりいただき、ありがとうございます。私たちの会社は昨年の9月26日にIPOを通じて上場したばかりの新しい企業ですが、事業自体にはかなりの歴史があります。今日は、私たちがどのような事業を行っているのかも含めてご紹介させていただきます。よろしくお願いします。

昨年の11月に発表した第3四半期の決算説明資料についてご説明します。決算説明資料では、上場したてということもあり、会社の概要や事業の説明に多くのスライドを割いています。今日はこれに沿って、詳細を説明させていただきます。

 

会社概要

 

初めに会社概要と沿革についてご紹介します。私たちは現在、東京都中央区に本社を構える株式会社オートサーバーです。役員代表は代表取締役会長の萩原と代表取締役社長の高田、2名の代表体制で運営しています。創業は1997年6月で、約26年前に事業を開始しました。創業者の萩原は愛知県豊橋で中古車や新車など、自動車に関連する事業を営んでいましたが、中古車事業の在庫価値の問題を解決するため、インターネットの可能性を感じて当社を立ち上げました。

その後、最初はASワンプラサービスを開始しましたが翌年、1998年にはASワンプラサービスを開始しました。翌年、オークション代行サービスを始めると、多くの顧客に支持され事業規模が拡大しました。2010年頃からは、ASワンプラサービスにも営業力を注ぎ、台湾上場や北京での新しい事業などを開始しました。そして、ようやく今年の9月に東証スタンダード市場に上場しました。

弊社の事業内容についてご説明します。私たちは事業者を対象としたBtoB中古車インターネット取引プラットフォーム、「ASNET」を運用しています。これが私たちの唯一の事業です。ASNETには、二つの取引方法、二つのサービスがあります。一つはオークション代行サービスで、国内のオークション会場での取引を代行します。

もう一つはASワンプラというサービスで、これは私たちのユーザー同士での中古車の取引を仲介するサービスです。私たちはこのサービスを運営するにあたり、ミッションとして「売りやすく、買いやすく、安心して利用できる流通サービスを提供する」ことを心がけています。

次に、それぞれのサービスの概要をご紹介します。まず、オークション代行サービスについてです。日本国内には、中古車のオークション会場が260以上存在しており、私たちのサービスはそのうち141のオークション会場と契約を結んでいます。これに基づき、出品される車両情報をネットに掲載し、ユーザーがオークションに参加するための入札を申し込む仕組みです。

この入札データをオークション会場に送信し、ユーザーに代わってオークションに参加します。また、出品者がオークションに車を売る代行サービスも提供しています。

このサービスの特徴についてご説明します。スライドにもあるように、現在国内のオークション会場で年間約700万台から800万台の車が出品されています。オークションガイド2022によると、2021年時点で約757万台の車が出品されました。私たちはこれらのうち715万台のデータを取得し、ネットに掲載しています。これにより、データカバー率や情報取り扱いシェアは約95%に達しており、国内でオークションに出品されるほとんどの車を私たちのネットワークで探し、オークションを通じて購入することが可能です。このサービスを利用する理由やメリットについては、後ほどQ&Aセクションでご質問いただければと思います。

次に、もう一つのサービスであるASワンプラサービスについて説明します。このサービスでは、売り手が売りたい車のデータを私たちに掲載し、それを見た買い手が申し込みを行い、私たちが仲介することで売買が成立します。このサービスは、インターネット上で行われる中古車の業者間取引と考えると分かりやすいでしょう。

当初は売り手の獲得が困難で、年間の取引台数は約1000台から2000台に留まっていました。しかし、2010年頃からマーケティングに力を入れ、多くの車を掲載するよう呼びかけた結果、取引が急増しました。このASワンプラは即時価格での売買ニーズが中古車事業者のニーズと一致し、取引が拡大しています。2007年を基準とした場合、2022年の取引実績は約22倍になっており、成長が著しい状況です。類似のサービスがある中で、私たちはインターネット上での車の売買に特化し、品質基準やクレーム制度を確立することで、安心して車を売買できるサービスを提供しています。昨年6月時点で、常時18.8万台の車が出品されており、同業他社と比較しても優位に立っていると自負しています。

収益構造

さて、私たちのネット事業がどのように収益を上げているか、収益構造についてご説明いたします。ここにはオークション代行サービスとASワンプラサービスの収益構造が示されています。

オークション代行サービスでは、車を購入する際に落札手数料を別途お支払いいただきます。この手数料は車の代金に関わらず、取引1台あたり定額制となっています。例えば、10万円の車でも1000万円の車でも、落札手数料は同額です。概ね1台あたり2万円程度とお考えください。収入のうち約半分、つまり約1万円をオークション会場への手数料として支払います。私たちがオークション会場に支払う金額は契約に基づき決まっており、これが約1万円です。従って、売上は2万円、原価は1万円で、残る収益は1万円となります。一方、ASワンプラサービスでは、車を購入する際にも2万円の手数料をいただき、さらに車が売れた場合は売り手からも1万5000円の手数料をいただきます。つまり、車1台の取引が成立すると、合計3万5000円が手残りとなり、原価がほとんどかからないため、収益性は非常に高いです。昨年より、オークション代行サービスの一部の手数料を引き上げております。詳細は後ほどスライドでご説明します。

強み

ASNETの強みについてご紹介します。私たちの特徴として、多様な会員様にご利用いただいている点が挙げられます。現在約7万7000のユーザー数を持ち、年間約2万9000のユーザーに車の取引を行っています。この数字は固定的ではなく、年間を通して多くの入れ替わりがあります。

また、落札台数を見ると、小口のお客様が多いことが特徴です。大口ユーザーはほとんどおらず、特定の大口ユーザーに依存しない安定したサービスを提供しています。

私たちの強みは、オークション代行とASワンプラサービスの2つのサービスを提供していることです。これらのサービスは逆相関の関係にあり、どのような市場状況でもネットを通じて収益を安定的に上げることが可能です。

 

事業環境

業績と事業環境についてもご説明いたします。新車と中古車の市場動向を示すスライドには、新車の販売台数と中古車の登録台数の推移が示されています。日本における新車の販売台数は統計で公開されていますが、中古車の場合は登録台数の統計のみが公開されています。登録台数は業者間の移転や消費者から業者への登録変更時にもカウントされるため、これが消費者に直接渡る台数を示すわけではありませんので、その点に留意してください。新車の販売台数の推移を見ると、コロナウイルスの影響で生産が滞り、新車の供給が減少したため、一時的に大きく落ち込んでいます。これにより、新車の買い替えが進まず、中古車の供給も減少し、コロナ時期には中古車市場も影響を受けていることが分かります。昨年の初め、または一昨年の年末頃から、国内における新車の供給、生産、販売が回復し始め、前年比で上昇していることがこのスライドからも明らかです。しかし、新車に関しては、コロナ前の水準と比較すると、まだ13%程度の減少が見られます。中古車の登録台数も同様に、完全な回復はまだ見られません。今後の経済環境次第では、中古車市場にもまだ成長の余地があると考えています。一方で、昨年の夏頃からの様々な不祥事やニュースがありましたが、中古車市場の流通量は減少せず、むしろ伸びていることが見て取れます。したがって、これらの出来事が業界全体に与える影響は限定的であると見ています。このスライドでは、私たちの取引実績について説明しています。

オークション代行サービスとASワンプラサービスに分けて示していますが、2023年12月期においては、オークション代行サービスが前年を大きく上回る数字を維持しており、一部では120%に達する月もありました。全体として年間を通じて好調だったのが、オークション代行サービスの状況です。一方、ASワンプラサービスでは、一昨年の年末から価格の高騰や円安の影響で取引台数が落ち込んでいましたが、9月には前年を上回る数字を記録しています。特に第4四半期は前年の数字が悪かったため、比較的低いハードルを越えている状態です。

また、中古車市場におけるインターネットを介した取引の割合を示すこの表によると、年間40万台から50万台の中古車が流通しており、その中でASNETを介した取引のシェアが最大4%近くに達しています。これは単月での過去最高値であり、中古車取引におけるインターネットの利用と私たちの選ばれる割合が徐々に増加していることを示しています。

さらに、サービスごとの売上単価を示しています。先に述べた通り、オークション代行サービスは昨年3月に価格を大幅に引き上げました。これにより、売上単価が1級で1万9675円から2級で2万1000円、3級で2万3000円へと約1000円以上の増加を見せ、売上の伸びの一因となっています。一方、ASワンプラサービスでは、特別な値上げや手数料の改定は行っておらず、手数料単価は2万9000円前後で安定しています。当社の収益は、このネットでの手数料収入が売上の95%を占めています。したがって、取引台数と単価がわかれば、当社の売上はほぼ把握できるため、売上の推移が容易に把握できるのが当社の事業の特徴です。

次に、業績のハイライトとして、取引台数とベンチマークとの比較を示します。2007年からのサービスごとの取引台数をスライドに示しています。緑色がオークション代行サービスで、一時期の低迷後、緩やかに上昇していますが、昨年は中古車流通の落ち込みの影響で減少しました。一方、ASワンプラサービスは、2007年頃は2000台から3000台程度でしたが、2010年頃からの積極的な営業活動により、出品者と購入者が増加し、市場が大きくなり続けています。ただし、ここ数年は以前ほどの急激な伸びはなく、安定的な成長が見られます。また、ベンチマークとの比較に注目しています。ベンチマークは中古車の流通台数の前年比です。私たちはこのベンチマークに対して、長期にわたって上回っていることがスライドから読み取れます。これは、中古車のBtoB取引のWeb化が進んでいること、および私たちの営業戦略による会員獲得と取引増加がマーケット形成に成功していることが要因と考えられます。

さらに、売上高と利益についても触れます。既に公表されている通り、当社の売上高と利益は年間で10%から20%の成長を示す業態ではありません。コツコツと会員を集め、少しずつ利用が増えることで積み上げ型のビジネスを行っています。急激な成長はないものの、安定して利益を出すことが特徴です。実際、売上高を見ると、2017年を基準にした場合の平均成長率は2.43%で、5%にも達していません。しかし、安定して着実に利益を出すことが当社の強みです。

昨年、2013年12月期に関しては、1月から9月までの実績とその後の予想を出しています。4Qに関しては決算短信でも触れていませんが、一部投資家からは低い予想というコメントをいただきました。しかし、この部分は当初の計画を継続しているため、予想が低いわけではありません。2023年の通期事業計画を立てた際、中古車の流通が落ち込んでいたため、上場を控えていることもあり、保守的な計画を立てました。当初の計画は52億円でしたが、9月までの実績を踏まえ、57億2100万円と修正しています。4Qの部分は当初の計画を維持しているため、特に変更はありません。

経常利益と売上高の営業利益率です。経常利益はほぼ売上高と連動しています。利益率は現在35%から36%で推移しており、2020年と2021年はコロナの初期段階で中古車のオンライン購入需要が高まったため、利益率が上昇しました。

当社の事業は、取引が増えても販管費が比例して増加するタイプではありません。装置産業的な要素があり、取引台数の増加に伴い利益率が上昇しやすい状況にあります。過去2年間は利益率が上昇しており、今後取引台数がさらに伸びれば、利益率はさらに上がると期待しています。

次に、四半期ごとのP&Lの各指標についてのスライドですが、当社の業績に季節変動がほとんどありません。3月は中古車の登録車の登録替えにより登録台数がが多くなっており、取引台数も若干増えますが、全体的に大きな変動は見られません。サービスごとに多少の波はありますが、これも大きな問題ではありません。また、販管費に関しても、売上の増減によるわずかな変動はあるものの、概して四半期ごとに安定しています。2023年第3四半期は外形標準課税の計上により少し増加していますが、全体としては安定した推移をしています。

株主還元については、株式分割を考慮に入れた上での過去の1株当たり配当額と配当性向率を示しています。今期は1株当たり60円の配当を予想しており、基本的には配当性向30%を基本方

針としています。ただし、この30%は最低限の目安としており、市場の動向や株価、他社の状況を考慮しながら、安定して増配することを目指しています。

成長戦略として、ASNETのユーザーをどのように増やし、トランザクションを拡大するかに焦点を当てています。現在の社会情勢を背景に、事業拡大の機会を探求しています。

中古車の物流業界は、2024年にドライバーの勤務時間制限が導入されることで、中古車の輸送台数が減少する可能性があります。これにより、ASワンプラサービスのように、売れてから車を運ぶニーズが増えることが予想されます。また、中古車の輸送コストが増加することで、オークション会場に持ち込む前にオンラインで売買する傾向が強まると考えられます。

新車ディーラーやレンタル業者など、中古車販売を重視する業者が増えています。新車の納車が遅延する中で、これらの業者が中古車市場に参入することで、市場の拡大が見込まれます。中古車のEC取引の不安を解消する機会もあります。2024年10月から始まるOBD車検により、車の状態がデータ化され、これが中古車取引の際の重要な情報となることで、オンライン取引の信頼性が向上すると考えています。

新車の価格上昇により、中古車への需要が高まると予想しています。国際比較では、日本は新車に対する中古車の割合が低いため、今後はこの割合が増加する可能性があります。

成長戦略としては、取引台数の拡大と手数料の増加に重点を置いています。新規ユーザーの獲得、取り扱い車種の拡大、ネットの利便性向上などを通じて取引を促進する予定です。また、ASワンプラサービスの利用率を高めることも目標としています。海外展開や付帯サービスの収益化も長期的な戦略です。過去の経験を踏まえ、どの市場が最も適合するかを慎重に検討していきます。最後に、年間630万台から700万台の中古車が流通しており、このうちわずか3%が当社経由です。短期的な目標としては、この比率を10%まで引き上げることを目指しています。取引台数の増加、付帯サービスの強化を通じて成長を目指します。

 

質疑応答

Q: 中古車取り扱い業者の事業者数の将来について、現在は多くの事業者が存在しており、15万プラスαとされていますが、この数が今後業界として増えるのか、減るのか、どちらを前提にオートサーバーのビジネスモデルを考えていますか?

上柳: 中古車取り扱い業者の事業者数に関しては、整備業者や整備工場の数が後継者不足やメーカー系列のお店への統合の影響で徐々に減少していると見られます。また、ガソリンスタンドの数も燃費の良い車の普及により減少傾向にあります。しかし、中古車販売店に関しては、特に減少しているとは考えていません。これは、中古車販売業が参入障壁が低く、独立して新たに事業を始める人や特定の車種に特化する事業者が多いためです。全体としては、事業者数は横ばいで推移すると考えています。新しい事業者が増える可能性もありますが、業界全体のプレイヤーの数は大きく変動しないと見ています。

Q: 以前、大手の業者に関する話を聞いたことがありますが、彼らは大規模な店舗を展開し、小規模な店舗を減らす戦略を取っていると聞きます。個人経営の店舗はこのような大手に対抗できると考えていますか?

上柳: 確かに、大規模店舗は在庫の多様性において有利です。しかし、消費者のニーズは多様化しており、大型店舗だけではカバーできないケースも増えています。また、特殊な技術がなくても、良いツールがあればどこからでも仕入れが可能です。優秀な営業マンが独立するケースもあります。中古車販売業界は大規模化する一方で、独立する業者もいるため、全体としては横ばいで推移すると見ています。

Q: 現在の従業員数が120名とのことですが、来期以降の採用計画について教えてください。公表できる範囲で結構です。

上柳: 2022年12月末時点での従業員数が120名であり、2023年末の数は後日開示します。採用計画に関しては、ミドルバック部門では業務効率の向上を図っており、取引量が増えても必ずしも人員を増やすわけではありません。必要に応じて少しずつ増員する方針です。一方、フロント営業部門やシステム開発部門については、成長に向けての増員を検討しています。しかし、急激な増員は予定しておらず、増員規模は年間数%程度を想定しています。

Q: 他社の中古車販売サイトとの連携についてはどのように考えていますか?ASワンプラに関する質問だと思います。

上柳: 当社のASワンプラの出品データを他社に提供し、取引を増やすことには前向きです。しかし、具体的な連携先については現時点で開示できません。ただし、当社のデータを提供する際は慎重に対応しており、すべてのデータを提供するわけではありません。特に、当社のユーザーが多様な業種にわたるため、競合関係を避けるために配慮しています。

Q: ASワンプラの売上がここ数年横ばいになっている理由を教えてください。

上柳: ASワンプラの売上が横ばいになっている主な理由は、新型コロナウイルスの影響だと思います。2019年から2021年にかけては増加していましたが、2022年は特に第4四半期に落ち込んでいます。これは、中古車の在庫が減少し、円安の影響で海外への輸出が増え、国内の価格が上昇したためです。また、2010年から2015年の成長期と比較すると、最近はオークションとASワンプラの間で使い分けがされています。過去のような急激な成長を回復するのは難しいと考えていますが、取引スタイルとして確立しているため、急激に使われなくなるリスクは少ないと思います。

Q: 多くのオークション会場と大規模なデータ連携を行い、95%のシェアを有していると聞いています。しかし、全国に160以上の中古車オークション会場があり、うち141会場との連携をしているとのことですが、残りの会場との連携がなされていない理由は何でしょうか?

上柳: 残りの20会場ほどとの連携がまだ行われていない理由には、いくつかあります。まず、一部のオークション会場はシステム化されておらず、インターネットでのデータ提供ができない場合があります。また、外部業者に出品情報を提供しないポリシーを持つ会場もあります。さらに、不定期に開催されるオークション会場もあり、そういった会場とは連携が難しい状況です。

Q: 中古車オークション会社はある程度の品質確認をしていますが、ASワンプラを利用した場合、品質確認が難しいと思います。この点についてどのように対応していますか?また、Web経由で現物を見ずに購入し、トラブルが発生した場合、誰が責任を負うのでしょうか?

上柳: 実際、多くの業者がインターネットで車を見ずに購入しています。オークション会場では、車を持ち込んだ際に第三者の検査員がチェックし、検査表に傷や故障の程度を記載します。一方、ASワンプラでは、売り手自身が検査表を作成します。当社では、出品ガイドラインを設けており、傷や走行距離に基づいて評価点を付けます。書かれていない傷があった場合は、クレーム制度を通じて対応します。この制度では、値引きや取引のキャンセルが可能ですが、値引きは売り手から直接買い手に支払われます。不良出品者に対しては、訪問指導や取引停止、ネットからの退会を求めることもあります。

Q: 個人業者の中には、検査を適切に行わない場合もあり、時には不満の声が聞かれることもあると思います。このような業者は少数派と考えてよいでしょうか?

上柳: はい、クレームが発生する割合は一定数存在しますが、長年にわたる指導のおかげで減少傾向にあります。定期的に重大なクレームを発生させる業者には訪問指導を行っており、全体としてのクレーム発生率は減少しています。もちろん、検査を適切に行う業者とそうでない業者の差はありますが、書かれていない傷があった場合は、当社のクレーム制度を通じて対応します。この制度では、売り手が値引きや補償を行います。そのため、検査の質にバラつきはありますが、不適切な検査を行う業者はごく少数です。

Q: オークション代行サービスにはどのようなニーズがありますか?多くの業者が直接オークション会場に行くこともできると思いますが、ASNETを通じた代行サービスの利点は何でしょうか?

上柳: オークション会場に直接行く最大のメリットは、車を自分の目で確認し、検査できることです。特に輸出業者は、輸出先国のレギュレーションに合わせた検査を行う必要があるため、直接会場で車をチェックします。一方、ASNETを利用するメリットとしては、物理的な手間とコストの節約があります。オークション会場に行くには時間と労力が必要であり、複数の会場に入会すると会費もかさみます。ASNETを利用することで、これらの費用を節約し、効率的に車を仕入れることが可能です。また、インターネットを通じて、より多くのオークション会場の車にアクセスできるため、より多様な選択肢から車を選ぶことができます。会員が月に数台しか仕入れない場合、オークション会場に直接入会するのは経済的合理性がないですね。月に1万2000円程度の会費を払うのはかなりの負担になります。そういった方は、オークション会場に入らず、必要な時だけ当社のネットオークション代行サービスを利用することが多いです。逆に、月に10台や20台のレベルで仕入れる場合は、メインのオークション会場には入会し、そこにない車が他のオークション会場で出品された場合は、ASNETのオークション代行サービスを使います。これは使い分けの一例です。

Q: オークション会場側から見れば、代行サービスを禁止することも考えられますが、そうすると手数料が増え、より良いと考えられるでしょうか?それとも、代行を許可することにより、オートサーバーがビジネスを展開できる背景は何でしょうか

上柳: 当社がオークション代行サービスを提供できるのは、オークション会場にもメリットがあるからです。多くの小口ユーザーが月に1台しか買わないため、オークション会場に直接入るのが経済的に合理的ではありません。しかし、私どもと提携することで、これらの小口事業者がオークションに参加し、取引が活発になります。また、私どもは取引の決済を代行しており、オークション会場にとっては与信リスクがないこともメリットです。遠隔地の事業者もインターネットを通じて参加できるため、オークション会場にとっては大きなメリットがあります。

Q: 新車の供給不足による影響について、今後の展望はどうですか

上柳: 現状は予測が難しいですが、トヨタをはじめとするメーカーが為替の動向を見ながら戦略を立てています。コロナがなければ、現状が続くと考えています。

Q: 能登半島地震の影響は

の影響による中古車需要の増加が、当社の業績にどのように反映されるかについては、現時点ではまだ見極められていません。地震の直接的な影響で取引がキャンセルになった事例はごく少ないですが、中古車需要が増える可能性はあります。しかし、それが業績に顕著に現れるかどうかは未知数です。

Q: オークション代行サービスにおける参入障壁と競合企業について教えてください。

上柳: 参入障壁については、技術的な側面から見ると、141のオークション会場との接続が必要です。これらの会場ごとに異なるデータ形式の扱いが必要となります。また、オークション会場にとって、新規参入者とデータを接続するメリットがあるかどうかが大きなポイントです。私どもは7万以上の会員がおり、年間何十万台もの車を仕入れるメリットを提供できるため、接続が可能です。現金の必要性や営業コストも参入障壁となります。近年、私どもと同様の事業を新たに開始した企業はありません。競合については、オークション会場が母体の企業が多く、独立して同様のビジネスを行うのは私どものみです。最も近しい競合としては、オークネットとその子会社が挙げられますが、オークネットの事業の多くは車以外の分野であり、直接的な比較対象とはなりにくいです。

Q: 初めてオークション代行サービスを始めた時の状況について教えてください。

上柳: 当社がオークション代行サービスを始めた1999年や2000年ごろ、オークション会社も外部からのインターネット参加者を増やす意向がありました。そのため、初期段階であっても積極的に接続していただけたことが、当社の成長につながりました。現在では、多数のユーザーを抱え、オークション会場に対しても利益を提供しています。

Q: ダイハツの問題が中古車市場に影響を与えるかどうかについて教えてください。

上柳: 現在の中古車市場は在庫が豊富にあります。そのため、ダイハツの問題が直ちに影響を与えるとは考えにくいです。

Q: 今後の手数料値上げ計画について教えてください。

上柳: 当社では、オークション会場からの手数料値上げ要請に応じて手数料を調整しています。2023年は特に多くのオークション会場から値上げ要請があり、それに基づいて手数料を設定しました。今後もオークション会場からの要請に応じて、適宜手数料を調整する予定です。

Q: 年間アクティブユーザー数の減少について教えてください。

上柳: 年間アクティブユーザー数は、1年間を通して稼働した回数です。9月時点の数字は、その年の1月から9月までの数字であり、年間の数字と比較するのは不適切です。減少しているわけではありません。

Q: 代理店との契約のメリットについて教えてください。

上柳: 代理店との契約では、入会時の特別な手数料は発生しません。代理店が紹介したユーザーが取引を行う際、その手数料の一部を代理店に支払います。この手数料は、紹介されたユーザーがより多くの取引を行うほど、代理店にとっての収益が増える仕組みです。

Q: 与信管理に関して、オークション会場としては安心して利用できるという話がありました。しかし、事業者が支払いを怠る場合、オートサーバーさんは困る状況になります。過去に大きな貸倒れを経験したことはありますか

上柳: まず、与信管理の方法について説明します。ASNETを通じて中古車が落札されると、車は輸送されますが、名義変更の書類はオークション会場から当社に届き、代金が支払われるまで保管されます。万が一代金が支払われない場合は、督促や債権回収を行い、最悪の場合は車を回収して再販売します。貸し倒れの金額は2022年度で約600万円で、過去数年で見ると平均400万円程度です。

Q: 貸し倒れが発生しないシステムについての詳細はありますか

上柳: システムは車は届いても、書類は渡さない仕組みで、万が一代金が支払われない場合には、車を回収し転売することで、債権の圧縮が可能です。例えば、100万円の車が支払われず、90万円で再販売できた場合、債権は10万円に圧縮されます。

Q: のれんについて教えてください。契約金額は30億円となっていますが、詳細を教えてください。

上柳: のれんは、2016年のMBO時に計上されたものです。これは、当時の存続会社と異なる法人を吸収合併した際に生じたものです。

Q: 新車の納車期間が短くなっていますが、その影響はありますか

上柳: 新車の納車期間が短くなることは、中古車の買い替えが進み、中古車市場に供給が増えることを意味します。これは、ネットでの取引増加につながるため、当社にとっては良い影響があると考えられます。

Q: 株価が下がっていることについてのコメントはありますか?

上柳: 株価の下落については、多くの投資家からご意見をいただいています。IPO価格の決定は、市場の評価に基づいており、現在の株価は市場の動向に依存しています。私たちはIR活動に注力し、投資家に事業内容や強みを理解していただく努力を続けています。

Q: 中期経営計画についての情報はありますか?

上柳: 中期経営計画については、現在非開示です。業界の性質上、大きな変化が予測されないため、現時点での開示は計画がまだ煮詰まっていないためです。今後、変更があれば検討する可能性があります。

Q: 内部留保の利用計画について教えてください。

上柳: 現在のキャッシュは一部が運転資金として必要ですが、残りの資金はシステム投資やM&Aなどへの投資に利用される可能性があります。具体的な計画はまだ開示できる段階ではありませんが、成長戦略の一環として検討しています。

投資家の皆さまへ

上柳: 本日は、このような場を設けていただき、個人投資家の皆様にお話しできたことを心より感謝申し上げます。最後までお聞きいただきありがとうございました。少しだけ今後のIRスケジュールについてお知らせします。2月13日には決算短信を開示する予定です。また、2月27日には名古屋証券取引所でのIRセミナーに出展する予定です。3月6日には湘南投資勉強会で再度皆様にお会いできることを楽しみにしています。今日聞ききれなかったことや、さらに詳しく聞きたいことがあれば、次回の機会やIRサイトを通じてお問い合わせいただければ幸いです。本日はありがとうございました。

 

 

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