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アララ(4015)IRセミナー [質疑応答パートの文字起こし]2023.10.30

2023.10.28に開催しましたブロードエンタープライズ(4415)IRセミナーの質疑応答部分の文字起こしになります。
*AIに文字起こししたものをとてもわかりやすく校正した文章になりますよろしくお願いいたします。
■YouTube


■■■今後のM&Aの方向性を教えてください
中期計画の中で、独自Payプラットフォームの2つの円についての説明をしましたが、キャッシュレス事業とマーケティング事業、この両輪が無いと、なかなかキャッシュレスの世界を築いていくのが難しいと捉えています。最近の海外で言われているCDBC(中央銀行が発行する電子通貨)の普及が難しい理由の一つに、その利点や必要性がなかなか分かりにくいことも関係しています。これらの要素が必要とされていると考えています。そのため、この2つの軸に沿う会社を基本的にはM&Aの対象と考えています。さらに、キャッシュレスの世界において、日本は実は非常に遅れていると言える後進国の一つです。他の国々から学ぶべきことがたくさんあるため、そのような企業への出資や、日本国内での合弁企業など、日本市場への進出を検討する企業があれば積極的に支援を検討していきたいと考えています。
■■今後の海外での売上利益はどのくらいまで成長を計画していますか
難しいご質問ですね。例えば、インドの人口が約5億人で、1人あたり1円ずつ売上げた場合、すぐに5億円になりますが、実際のビジネスはそう単純ではありません。私たちは売上げと利益の成長について検討しています。ただし、まだ海外の売上げを詳細に開示する必要はない状況にあります。実際、私たちはまだ10%も進んでいない段階なのです。しかし、インドのスタッフからの情報によると、彼らは非常に自信を持っており、日本をすぐに追い越すだろうと言っているほどです。このような状況になると非常に嬉しいですし、現在、人口ボーナスが非常に効果的で期待されている状況です。
■■インドでの成長率について
金額規模がまだ小さいので、この説明図にある一番左側の顧客を開拓していれば、どんどん成長していくような状態です。そういった意味では成長率っていうのは非常に高いというふうに思って今見ております。私も12月ちょっとまだわからないですけど12月にちょっとインドに出張してきてですね、本当に肌で感じて帰ってきたら、また私のXでその辺の実感をきちんと発信していけたらなって思ってます。
https://twitter.com/hao_inoue

■■現在の平均決済手数料は何%ぐらいなのでしょうか

決済手数料率が顧客ごとにわずかに異なるため、一律での開示は行っていません。実際、決算短信の中には売上認識の項目に「スポット、リカーリング、その他」の情報が記載されています。その中で、キャッシュレスサービス事業のリカーリングの項目における売上のほとんどが決済手数料であることを考慮いただければ、先ほど示した決済金額との割合からおおよその金額を計算できるでしょう。

■■■インド市場のみの昨年度の決済額くらいでしょうか
こちらは開示していませんので、回答を差し控えさせていただきますが、事実として、非常に多くの新しい顧客を獲得しており、成長していることは確かです。詳細は明かせませんが、例えば、現地のインド国内では最大のドラッグストアのギフトカードなども取り扱っており、Amazonも最近導入されたばかりです。また、福利厚生や、銀行口座を持たない人々が多いため、銀行や保険などのサービスへのインセンティブとして提供されていることもあります。このような取り組みにより、着実に成長していると考えています。これに関する詳細な情報は、12月にインドを訪れた際に肌感覚や実感を共有できればと考えています。
■■インドでは銀行口座をまだ持てていない方というのが多いのですか。
銀行口座を1人でいくつも持っているのって日本ぐらいですよね。海外とかですと特に東南アジアとか本当に銀行口座インドもそうですけど持ってらっしゃる方非常に少なくないというのが実態です。ですので、送金をすること自体本当に銀行口座でやりするってことが非常に難しいというのが実態ですね。海外の場合は銀行口座の維持コストっていうのは当然のように支払うみたいなことっていうのは過去からずっと続いて日本は無料っていうのが当たり前のようになってきていますけれども、そのあたりはもともとの背景が違うっていう部分もありますね。

■■銀行口座がないとまだキャッシュレスの一歩手前みたいな話になっちゃうんですかねいいえ。会社とかショートメッセージ使って送金できたりだとか、ちょっと前ですとPaytmさんとかが携帯電話のプラットフォーム使って資金を送り合うみたいなことは普通にできていますね。

■■クラウドポイント社のデジタルサイネージ市場でのポジションはどのような感じなのでしょうか
デジタルサイネージといっても常設型っていうのと、またイベントとか、たまにドラッグストアとかでちっちゃなサイネージみたいなのをご覧になられるかもしれません。ああいうのは本当にその時だけみたいなのがあったりするんですがクラウドポイント社の事業セグメントというのはもう完全に常設型って言われるところのみやっています。イベント系はもうこれはもうイベント会社さんと一緒になってやられているところがあったりするので、例えばコンサートホールであったりだとか屋外でこうフェスとかがあった場合とかってなんですけど、そういうところはやってないですね。そこはそこで何かお強い会社さんがあったりします。ドラッグストアとかたまに見るようなところのやつは、あれは実はメーカーさんが安いので買い取ってそれを営業の方がポイッと置いていっていくようなそういうビジネスになっています。そういう意味で常設型の中でいきますと、この資料の1番から8番まで全部やっている会社って、実はもう本当に数えるほどって言ってもいいのかな、もう本当に数社しかないと言われています。例えばサーティーワンさんとかケンタッキーフライドチキンさんみたいなところでですね、何千店舗だとかそういうところにクラウドで情報発信できる仕組みまで持っているところってなると本当に限られていると思っていただいていいかなと思います。私たちもそのポジショニングの魅力っていうのを非常に感じていまして、自分たちの顧客がナショナルクライアントだったり、あとは例えば地域のスーパーマーケットさんであったりすると確実にそういうニーズ、実績ですよね、そういったものが効いてきますので、私たちとしても今お話ししたような強みっていうのを非常に魅力に感じ、今回経営統合に至っているような状態です。あと、機器保守っていうのが資料の7番にあるかと思うんですが、ここも実はつい先だって専門の会社さんを作りました。機械なので自分たちが据え付けたものでも故障を起こすんですよね。そういったものに対して、素早く入れ替えたりとか修理したりだとかそういう一次対応であったり、二次対応であったりという、そういう専門の会社を作りまして、そこを今後はクラウドポイント社が提供したもの以外もですね、もう機器保守だけ受けようということで独立してやっていこうという感じでやっています。そうすることによって、このサイネージがいつぐらいに納品されて、いつぐらいに機器保守が必要になってきたのかということが分かってきますので、大体いつぐらいにこの会社さんに提案しに行くと我々は有利に、要は受注できるか、という情報を取れるのでその機器保守の部分はちょっと今別会社化して、リカーリングビジネスに振っていこうと考えています。そういうところらへのポジショニングなんかも非常に私たちからすると魅力的に感じています。

■■■クラウドポイント社の経営統合前の成長率が大体10%前半と低かった理由は
こちらの会社は、機器だけを販売しているわけでもありません。全体的には、フルパッケージの提供を行っており、そのためには必要な人的リソースが制約されていた部分もあり、成長の波に過去乗れてなかった部分もあるかと思います。しかし、今、ようやく私たちグループと合併したことによって、人的リソースを柔軟に活用できるようになります。したがって、今後の成長においては、これまでの延長線上に留まることなく、新たな案件も見えてきています。この市場の伸び方に追いついてほしいと考えています。
ただ、この中でお伝えしたければならないことが一つあります。特にメディア関連、具体的には広告デジタル領域の成長が著しいものの、そのビジネスにはまだグループ内で参入していないという課題が残っています。この課題に対処するため、グループ内で対応できる企業を持ち込むことを検討しています。
これまで、クラウドポイント社は人的リソースに関する課題がありました。特に、営業リソースについても、ドアノック(訪問セールス)を担当するメンバーが限られており、効率性を向上させる取り組みが、今後の成長に大いに貢献すると考えています。
■■確かに一緒に売れますもんね。「カードどうですか。で、サイネージどうですか。」みたいな感じになりますね。
サイネージで映し出しながらもちろん販促みたいなものと例えばアプリで決済する部分っていうのは全部連動していく、そこが「これで決済してくれたらおまけがつきますよ、クーポンもありますよ」みたいなことを常に店と外とっていうのを連動させていくっていうような感じですね。

■■■先ほどのIRセミナー説明でバリューデザインさんと経営統合しましたで「無駄を省きました。そのため今利益がしっかり出てきました。という話がありました。では無駄を省いたとは具体的にどのようなことを抑えたのでしょうか。
すいません、ちょっと口頭での表現があまり適切じゃなかったかもしれませんけれども、経営統合することによって、今までも例えば年商が300億円前後ぐらいのスーパーさんや、ちょっと小ぶりなスーパーさんなどが、独自Payを導入するとなるとアララとバリューデザインが競合関係にありました。これがなくなるため、無駄を省けるという側面もありますし、実はシステムはアララがもともと運用していたシステムとバリューデザインが運用していたシステム、どちらも現在稼働中です。ここはまだ無駄が省けていない部分なのですが、同じ情報を一つの会社で管理することで、営業や受注などのプロセスが効率化され、無駄が相当に減少している部分があるかなと思っています。

■■■クラウドポイント社のPMIの期間はどの程度かかるとお考えでしょうか
PMIは一般的にはよく「100日計画」と言われますけど、もともとクラウドポイント社は未上場の会社だったので、例えば一つの開示を行ってみても、今日みたいな話をする材料を整えるとか、上場会社同士の経営統合よりもちょっと手間がかかったり、意識の改革が必要だったりします。ですので、3月1日以降にはじめるのではなくもう実は今から始まっていて、成長の可能性に関する資料などを作成中です。なぜこういったものを作る必要があるのか、といった説明から、上場企業としてのマナーやルールなどを共有しながら、既にスタートしています。もちろん、デューデリジェンスの中で、少し弱い部分や、すごく優れている部分など、たくさんの側面があります。それぞれにフォーカスして3月1日には本当に順調にスタートできるように、しっかりと準備を進めていこうかなと思っています。

■■■上場会社は規定がしっかりしていて非上場会社は規定が整備しきれていないといわれていますが、やはりアララさまから見てもそういった直していかないといけない部分というのは多いものなのでしょうか。
いくつかありますが、それほど多くはありません。実は、クラウドポイント社自身も昔は上場を目指して活動していて準備も行っていたので、規定類などの細かい部分もしっかりと整備されています。
今、アララ自身が3期目に入っており、成長市場の中で内部統制の猶予期間も終了しました。クラウドポイント社についても内部統制の範囲が来期くらいから拡大する可能性があるかなと考えています。それでもすでに規定などルール化してしっかり運用しているので、内部統制の拡大についてもやれるだけの体制ができているというのはアララとしても確認しています。ただ、もう少し改善が必要な箇所もいくつかあるので、そういった部分に焦点を当ててPMIを進めていく予定です。

■■クラウドポイント社の「のれん代」はどの程度になるのでしょうか
これはいろんな機関投資家の方々からもよく聞かれる話なんですけれども、正直なところまだ明確にいくらっていうのはなかなか言えない部分です。会計上のルールで3月1日に株式を取得するとなると、前日の株価を見るのか四半期の最後の株価を見るのかによってのれん代が変わります。ですので、私たちは「これぐらいは見ておかないといけないよね」っていう予測の数字を今入れてEBITDAの開示や営業利益の開示をしているという状態です。

■■新社名「ペイクラウドホールディングス」はどのような意味があるのでしょうか
「“PAY”は、キャッシュレス化がますます進む中で、独自Payの切り口で人々の生活の最も重要な役割のひとつであるPayサービスの可能性を広げ、より便利でお得な社会を作るサービスを提供し続けることを示しています。
“CLOUD”は、マーケティング分野・企業DXの分野において、AIやさまざまなクラウドテクノロジーを駆使し、社会課題を解決し、ビジネスプロセスを効率化し、スケーラビリティを高め、顧客に優れたクラウドサービスを提供していくことを示しています。」
定款変更にはこのように書いてあるんですが、私からちょっと追加でお話しさせていただくと、実は社名の候補はグループ全員から投票で集めました。数百個集まった中から20個くらいに絞って、私が昔M&Aしたカナダの会社の元社長・元会長や、ヨーロッパの会社の取締役や顧問をしていたころのメンバーに1度その候補とそれぞれの想いを伝えまして、どれが一番海外でも通じるか聞いてみたんです。すると今の私たちの事業からすると絶対に「ペイクラウドが一番分かりやすいし、聞いてすぐに事業が分かる」という話になりまして。そこで弾みもついて、自分たちの想いが一番ストレートに伝わり、かつ説明しなくてもすぐに自分たちがやっていることを全て説明できる「ペイクラウド」がベストだという結論になり、ホールディング名はペイクラウドホールディングスに決めました。

■■他の名前の候補で話せるものはありますか
(井上副社長案)実はアララってa(あ)から始まるわけですが、これは元々展示会とかに行っても一番上に掲載されるようにっていう思いがあって、a(あ)から始まってなおかつ短い名前が良いというのでつけていたんです。それで、その観点から出したのが数字の01って書いて「01ホールディングス」なんです。これはいつまでも「0から1を作る」っていうそのチャレンジャブルな気持ちを伝えたかったのと、数字ならA(あ)よりも早いだろうっていうことで出しました。海外の友人にも「ピーター・ティールの0to1をイメージしているんだ」っていう話をしたんですけど、これは全然伝わらないって言われまして却下されました。

■■やはりペイクラウドの方が伝わりやすいですね

■■ペイクラウドホールディングスとドメインは取れましたか(国内外問わず、かなり難易度の高い社名だと思います)
「ペイクラウド」も取っていますし、「ペイクラウドホールディングス」もいくつか取っております。

■■一番の競合でライバルでありましたバリューデザイン様と経営統合されましたが、そうなると次の競合企業はどこになるのでしょうか
これはたまに質問を受けるんですけれど、ちょっと回答差し控えてさせていただいています。我々の株主の中にちょっと出てくる会社、大株主リストに載っているので見ていただくとわかるかと思いますが、 その会社の競合にあたる会社さんが同じなことをやっていて、そこが日本を代表するシステム会社さんと一緒に事業をやられているのが今のライバル企業になります。ただ、最近は積極的に営業されていらっしゃらないのか、あんまり聞かないんですね。なので、今のところは正面からぶつかるようなところはずいぶん減ったなっていう印象を持っています。

■■今、シェアとしては一番大きいですよね
そうですね。開示している数字で食品スーパーの事例になるんですが、だいたい今全国に1,000社くらい食品スーパーがあって、独自Payはまだ半分未満…450社くらいが入っているというのが私たちの感覚です。そのうちの約250社をアララとバリューデザインでカバーしています。あとは食品スーパーの協会で持っているのが約100社、それ以外の会社で残りの100社というイメージです。

■■御社はペイクラウドホールディングスになって5年後10年後にはどのような企業になることを目指していますか
そうですね。まずはグループ会社がどんどん増えていくということをもちろん目指しています。私たちがアイデアとテクノロジーで革新的なサービスを提供するのは、別に日本だけを考えているわけではありません。世界の人々の生活に染み込むようなサービスを提供したいと思っています。ですので、グループ企業も、日本国内の会社だけではなく海外の会社も当然参加してくるというイメージを持っています。その中で各社が有機的にシナジーを出せるようなグループになっていきたいですね。
あとは、早く売上高100億を超えたいですね。元々上場したときは11億ぐらいの会社でしたけれども、今期は69億を目指してやっています。これを早く事業規模100億を超えるところまでもっていきたい。というのも売上の土台がある程度できてこないと、売上が低いままで利益を上げるということは非常に難しいと思うんですよね。10億の会社で10億儲けることはできない。ですので売上高をある程度大きくして、かつ利益をしっかり出していくような体制にしていきたいと考えています。

■■シンジケートローンの返済条件について
これは開示をしていないのですが、質問をくださったのがおそらく相当詳しい方だと思うのでお答えします。シンジケートローンというものを組むと基本的にコベナンツっていう財務制限条項などの条件がつくっていうのが一般的です。そして、もちろん組織を動かすみたいなこととかにも制限がかかってたいたり、ご指摘のような赤字はダメですよというようなものもなくはないんです。で、みずほ銀行さんの私たちの相対していただいているところっていうのが、イノベーション企業法人部という要は我々みたいにグロース市場にいる成長企業ですね、を、ものすごく後押ししてくれる非常にありがたいサポートをしていただけるところです。あらゆる視点からそういう成長企業、ITと医療だったかな、だけをグッと集めたような、そういうところをやってらっしゃるところです。で、私たちはトップマネジメントの方々と非常に親密にしていることもあって、今後のM&Aを考えたときにのれんがどんどんどんどん膨らんでいく可能性があるということに対して、例えばのれんのせいで赤字になった時にコベナンツにヒットするというのでは立ち行かなくなります。ということで、そういったことがないような条件を結んでいます。ですので、赤字は不可とおっしゃっている背景には、おそらくのれんが多額になった時にどうなるのかという疑問があったんじゃないかと思って、今のような回答とさせていただきます。

■■クラウドポイント社は何に期待して御社とジョインすることになったのでしょうか
クラウドポイント社から見た時のメリットっていうのは、ご指摘いただいている通り、営業ルートの確保とか、いかに業績を伸ばすのか、というところももちろんあります。ただそれだけではなく、社長の三浦さんの言葉を借りると「一段上の経営」っていうのを今の経営陣に体験させたい…要は上場企業としての経営というのはどういうことをやっていくのかというところを今の経営時に体験させたいということのようです。あとはそうすることによって効率化がどんどん進んでいきますから、事業の拡大を加速させたいっていう想いがあるようです。それから、アララにはソリューション・開発部門みたいなものがあって、クラウドポイント社もどちらかというとコア技術みたいなところはもちろん持ってるんですけれども、機器なんかも当然ファブレスで調達してきますし、セットトップボックスみたいな配信用のものも開発して独自のものを持ってるんですが、それ以外のAIだとかIoTに関わるようなところはまだまだもっとテコ入れしていかなきゃいけない部分があるんです。そういった点でクラウドポイントから見たときに当社の技術力を持ったメンバーとの触れ合いみたいなところにも期待されてらっしゃるっていうのはあると思います。

■■電子マネーの共有化サービスはございますでしょうか
独自Pay というのは基本的にはお店で独自に使えるっていう電子マネーです。ですので、他社で使えるようにするっていう思想 にないものなんですね。ただ、今年の7月かな、NTTドコモさんとバリューデザインでiDを使った独自Payスキームみたいなものを作っていくことを発表しています。これはいいとこ取りのサービスでして、iDスキームを使うことでお店の中では独自Payとして使いながら、自分がプリペイドしたものを例えば地域の中にあるコンビニエンスストアさんとかでiDとして利用できるようになるんです。私のX(旧Twitter)を少し遡っていただくとNTTドコモさんの想いみたいなものも私が書いていますので、ぜひその辺りも見ていただけるとご理解いただけるんじゃないかなと思います。「せっかくの独自Payなのに外で使われた分、囲い込みができなくて結局お店にとって良くないんじゃないの」と思われるかもしれませんが、実はナショナルチェーン店さんでiDとして使われた分の手数料の一部は、ドコモさんから発行単位にあるお店の方に戻ったりするような仕組みも考えています。

■■キャッシュレスサービスの伸びしろはまだありますか
伸びしろはまだまだあると思います。これはですね、単純に全決済に対する現金の割合というのが実はすごく多いからです。一部分だけ見るとかなりキャッシュレスが進んで、どんどん使われているんじゃないかと思われるかもしれませんが、実際に私たちが顧客から聞いている現金比率だと、ちょっとびっくりするくらいまだまだ現金を使ってらっしゃるところが多いです。ですのでまずそこをキャッシュレスに置き換えていくという点でまだまだ伸びしろがあると思っています。キャッシュレスというと、PayPayとか楽天PayとかSuicaとかとよく比較されるんですが、例えば国家がやるCBDCのような共通の電子マネーが本当に普及し始めたときには、自分たちのお店にどうしても来てもらいたいってことで独自Payのニーズがもっともっと高まってくると思っています。なので、そういったところも私たちが刈り取っていきたい。
あとは、ネット企業におけるキャッシュレス化はどんどん広がっているんですけれども、(ネット企業で独自Payをやっており、) リアル店舗の中で使えるようなキャッシュレスみたいなのはまだまだなかったりするので、その橋渡しができるようなサービスも積極的に作っていきたいと思っています。日常の中でキャッシュレスはまだまだ多様化していくと思うので、使うシーンどんどん増えていくように思います。そうした観点からも伸びしろはあると思っています。

■■導入するためには営業の方の頑張りが必要になってくるかと思うのですが、ここ最近の反応として、「もう回るとこなかったよ」ではなく、やはり今までと変わらないとか、より一層前向きな店舗が増えたとか、そういう肌感覚はあるものなのでしょうか。
そうですね、例えば飲食店さんとかはコロナの時に比べて客足が戻ってきているので積極的に投資されていらっしゃるというのはありますし、地方と言うとちょっと失礼な言い方になっちゃうかもしれないですが、地方の方が結構ニーズがあって、そこに煽られて都心の周辺のスーパーさんとかがやり始めるっていう動きもありますね。なので、どことはもちろん言えませんけどビッグクライアントも含め、まだまだ問い合わせはあります。ですのでまだ結構お客さんは残っていると思っています。

■■手数料率を上げる余地はありますか
これは機関投資家さんとかからもよく聞かれる話で、それだけ安い手数料率よくやっていますねとよく言われるんですが、スーパーさんとかの経常利益率から考えると、これぐらいの低い手数料率だからこそずっと使ってくださっているんだと思います。ただ、おっしゃる通りこの物価高でわれわれのエンジニアやスタッフの労務費の高騰っていうのももちろん避けて通れない部分ですので、上げざるを得ない環境になってきていますし、手数料を上げていく余地は十分あると考えております。今期の計画の中にもこのあたりについて織り込んでおりますので、具体的に実行していってある程度きちんとお話しできるようなタイミングが来た時には、今こういうような要因で上がっていますというようなお話ができるようになればなと思っています。

■■会計基準をIFRSにする計画はないのでしょうか。
社内でももちろん話しています。これはのれんの償却をどう見るかということなんですが、国際会計基準ではのれんというものはなくて、減損チェックを年に1回やることで代替しています。正直これをやろうとすると、今の監査報酬の大体2倍近くかかるんですが、それよりもメリットがあるなという判断もしていますし、大体のスケジュール感みたいなものも自分たちでは監査法人と話をして分かっているという状態です。なので、どんなタイミングになるかまだちょっとわかんないですが、やるかやらないかっていう点ではやる方向で僕なんかはもう常に考えています。あとはタイミングだけだと思って今は社内でディスカッションしているような状態だというふうにご認識いただければと思います。

■■逆に今の基準でいいんじゃないかという意見はどのような観点で出されているものなのでしょうか
開示に関する書類の量が全然違ってくるので、どうしても手間が増えるんですね。連結決算しながらIFRSをやりますので、そうするとそれなりの人員が必要になってきます。ですので、そうした手間やコストと経済的メリットみたいなものを天秤にかけて判断していくことになると思っています。別に今がいいとは全然思っていませんので、そのあたりの検討をしっかりしているというようにご理解いただければと思います。

■■株価について
これはですね、10月6日にストップ安になったわけですが、私たちも何も開示していないですし思い当たる要因もないので、この急落に関しては本当に分からないっていうのが現実的なところです。皆さんが株価をどう見てらっしゃるかはそれぞれ考え方があるかと思いますが、ただ私たちとするとX(旧Twitter)にも書いていますが、株価というのはすごくアップダウンするものだと思っていますので、中長期的にどうなっているのかという点に注目しています。中長期での出来高が細ってくると株価っていうのは非常に少ない方々の影響でより動きやすくなっちゃうので、出来高は非常に重要視しています。急落については私も含め経営陣は全員、結構な株式を持っていますので大変な損失が自分たちにも出ているような状態です。ですので、なんとかして人気な株になってくれるように今後もIRは積極的に発信していきたいというふうに思っています。

■■マイナポイント関連が終了した場合の売上高へのインパクトというのはあるのでしょうか
これは前期に発生したものですね。どのくらいというのは開示していないんですけれども、少しだけお話できるとすると短信の中の売上認識のところで「スポット・リカーリング・その他」という項目があると思います。この「その他」の金額というキャッシュレスの中の一部がその金額に該当しておりますので、その程度だとご認識いただければと思います。

■■今後海外の売上が日本を追い越す長期計画というのは持っているのでしょうか
そうですね、こういう世界が来ると本当にいいなと思いますし、そうであってほしいと思っています。どんな形であれ国境を越えて自分たちのサービスが人々の生活の中に溶け込むっていうことが私たちが掲げているミッションのゴールだと思っていますし、我々みたいなIT企業が一番目指すべきところなのかなっていうふうに思います。
実際に売上が追い越すとか一緒になるというのも人口オーナスの日本と人口ボーナスの国々と比較した時に、最終的には長期計画の中ではそういう局面が出てきてもおかしくないなというふうに私は思って見ています。

■■インド以外の国M&Aの検討について
今はタイとインドに集中して一旦経営統合でグッと筋肉質になるようにしていますが、ここから本当にいいビジネスの機会があるのであれば、その周辺国やアジアの中で成長している国々にしっかり広げていきたいと思っています。いきなりアメリカやヨーロッパに進出するには少しまだ距離はあるかなぁと思っていますし、アフリカなんかだと人的な部分を含めてかなり厳しいかなと思いますけど、アジアの中で成長している例えばベトナムであったりだとかインドネシアであったりとか、そういう人口が本当に多くなっているところは実現できると考えているので、常にウォッチしておかないといけないかなというふうに思っています。

■■そういった国々はまだ通帳があまり使えてないとか、拡大以前の問題があるのでしょうか
そうですね、我々が展開している独自Payを活かすのであれば、ある程度キャッシュレスが定着した段階になると、CRMっていうものを意識し始めますのでいいのかなと思っています。いきなり何もない更地の状態で行くのは私たちの事業規模から見てもリスクが高いと思っていますし、私も元々商社に勤めていて10年ほど海外で駐在員をしていたので、そうした経験からも特に海外は慎重に進めていかないといけないと思っています。

■■機関投資家向けに決算が発表した後に決算説明会というのが行われていると思うのですが、どのような質問がありましたでしょうか。Q&Aを後日テキストなどで開示していただけるとありがたいです。
こういうご意見をいただけて本当にありがたいなと思っています。これも良し悪しありまして、機関投資家さんの方々とお話していると「この質問そのものが僕たちのノウハウなのでQ&Aを開示されると困る」という方もいらっしゃるので、バランスを見ながら進めていきたいなと思っております。
ご要望いただけることは、非常にありがたいので本当に助かります。

■■よくある機関投資家の質問というのはどういったものがあるものでしょうか
今回いただいている質問とかぶっているのがかなり多いです。
(かぶっていないものは?という問いに対して…)
機関投資家の方々はウォッチリストに入れている特定の銘柄について、気になったことをものすごい量で書き留められていて、私たちに対しては15分とか30分でバーッと質問されます。そういった方々は私たちが何をやっているかを深くご存知で、ヘッジファンドの方々だと本当に数字の背景にあることだけを聞いていかれる方もいらっしゃいます。長期投資の方々の場合だとビジネスのベースの部分をしっかりと理解された上でマクロで物事を見て投資のご判断をされているので、時間軸としてはユニバースとして、ずっと見ているっていう時間は結構長いかなっていうふうに思って見ています。

■■井上副社長がIR、PR&マーケティング管掌執行役員を全て兼務される理由は
私が上場の責任者としてやってきまして、そのためIRとRRを特に担当してきました。また、もともと一緒に仕事をしていた執行役員がいたのですが、彼女のご事情により退職せざるを得なくなり、その部分を私が引き継ぐことになって、現在、IR、PR、およびマーケティングの責任を担っています。これらの分野で活躍していただける方を絶賛募集中ですので、ぜひ応募していただきたいと考えております。

■■投資家の皆さまへ
ありがとうございます。先ほどちょっと触れましたけども上場をした時は11億~12億の会社だったのですけれども、今は69億っていうような売上を狙えるところまで成長してきています。そして少しでも早く100億を超えるような売上高を稼いで利益の創出をしっかりやっていきたいと思っています。その背景には私たちのサービスが、皆さんの生活の中に溶け込んでいって、自然といつも毎日のように使っているというところまでいかないといけません。全て役立たないと感謝されない、感謝されないからお代をいただけない、っていう意識のもとにやっておりますので、ぜひこれからも応援をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

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